見出し画像

2022年3月10日(木)|教授

 学部生時代・院生時代と大変お世話になった教授がご退官されるということで、最終講義に出席させていただいた。ほんとうに先生らしい最終講義で、その一貫したご姿勢にほれぼれとした。教授からは、テクストを精読することの大切さと面白さを教えていただいた。音韻に注目し、どんな音が繰り返し使われているか、またその音の多用によってどんな効果が意図されているかを分析したり、類義語・対義語との関係を念頭において読むことで解釈の幅を吟味したり、使われている語彙を “文学の伝統” という大きな歴史的文脈に置くことでその深い意味をさぐったり・・・。とにかくテクストを丁寧に、じっくりと精読することが大切であり、そしてなにより楽しいのだということを教わった。授業や演習を通して、そんな読み方を体で覚える指導をしてくださった。もちろん聖書の読み方にも大きな影響を受けた。落ちこぼれ学生にも忍耐強く指導してくださり、そのおかげで私も無事に卒業することができた。感謝、否、大感謝。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?