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店員と会話しなきゃ肉が買えない!?イヤでも対人恐怖症が直る豪州の買い物事情。

こんにちは、ゆうです。今日は、話さざるもの食うべからず、という豪州の熾烈な買い物環境に身を置いたら対人恐怖症が直るのではないか、というお話です。

そもそも、人と一緒に食べるのが怖いという心理はどこから来ているのかと考えてみると、食事という拘束時間中、人と向き合わないといけないからでしょうか。これに関しては、少なくとも給食孤食歴9年という揺るがない経験があるので、間違ってはいないという自信があります。

そんな私ですが現在は、

・人と食べるのも、
・人を外食に誘うのも、
・人を家に呼んでご飯を作るのも、
大丈夫なのはオーストラリアに4年近く滞在していたからではないかと、振り返っています。

どんな国なのかと言うと下の通りです。

・スーパーで話さないと肉や魚が買えない
・BBQでも話さないと食べられない
・レストランでフレンドリーにしないと、次から接客態度が悪くなる

これを見てキツイと思った方。人と話すのが苦手ではありませんか?逆に「キツくもなんとも無い」と思った方。対人関係が苦手ということは少ないのではないでしょうか。

さて、「食」という漢字を見てみると、「人」を「良くする」と分解できませんか?(本来の漢字の成り立ちは違います)

ちょっと無理やりこじつけている感がするかもしれませんが、人が変わるには多少の無理も必要だったりします。例えば、怖がる気持ちを無理やり押しのけてオーストラリアに留学してみるとか。そんなわけで、上の3つの点からオーストラリアの食事情についてメスを入れていきましょう。




1.スーパーで話さないと肉や魚が買えない

というのは半分嘘で半分本当ですが、話さないと値段が高く付くというのは本当です。必要は発明の母と言い、どうしてもそれをやらざるを得ない立場に追い込むと上達する、という理論がありますが、これを成長のためのバネとして利用していきます。

・パッケージ包装の肉は人と話さなくても買える(でも高い)
・量り売りの肉はカウンターで話さないと買えない(3~4割割安)

日本のスーパーでは個別包装された肉しか見ませんが、オーストラリアではどこのスーパーに行っても写真のような肉屋が入っており、カウンターで何をどれくらい欲しいか伝えないと買えません。

カウンターにしか売っていない肉があったり、作りたい料理によってはカウンターで注文するのは避けられませんし、個別包装の肉は包装容器や梱包の手間がかかっているので、カウンターの肉は3~4割お買い得です。

そのため節約しようと思ったら、話さなくてはならないのです。

試しにどれだけ節約できるか計算してみると。

・毎週肉を3回買う
・1回につき3ドル節約できる
      ↓  ↓  ↓
・週に9ドル節約できる
・月に36ドル節約できる
・年に432ドル節約できる

ワーホリや留学中の人にとっては、バカにできない数字となります。

対人恐怖症はコストです。人から逃げると、お金まで逃げていきます。

だから人間嫌いの人でも、カウンターに足を運んで、注文しなくてはなりません。買い物は習慣的なことですから、肉を買う時に毎回話しかけることを習慣化すれば、ちょっとずつ人と話すのが怖くなくなります。

最初は私はとても怖かったです。

ですが、初めて勇気を振り絞って話しかけてからは、2回目、3回目は楽になっていき、だんだん抵抗が無くなっていくのを感じました。小さなステップの積み重ねです。

買い物に行く度に、確実にお金が節約できる上に、人への恐怖も和らぐなら、やらない以外の手はないと思います。

というわけで、量り売りの時に使える表現をまとめてみました。

  ・カウンターでの話し方 

【一切れだけ欲しい場合】
Could I have one piece of (商品名)
(商品名)をひときれだけいただけますか?

【1kgだけ欲しい場合】
Could I have one kilogram of (商品名)
(商品名)を1kgだけいただけますか?

そして最後にThank youと付け足したら、終了です!以上のことから、カウンターで話しかけることはもっともハードルの低い克服術だと言え、人と話すのが怖い人はここから始めると良いでしょう。


2.BBQでも話さないと食べられない

こちらは割と冗談抜きで本当です。

オーストラリアはバーベキュー大国です。公園に行ったら、大体どこでも税金を拠出して作ったバーベキュー台があります。そのくらい国民性に深くBBQ精神が根付いているのです。

さて、BBQでは自分で「食べたい!」と主張しないと、食べ物が回ってきませんし、肉を焼いているところに移動しなければ当然食べ物は来ません。

カウンターで注文する場合との違いは、
カウンターでは1対1の状況での会話ですが、
BBQでは人混みの中に足を進めないといけないので1対多の状況です。

肉を焼いている人、野菜を焼いている人、だいたい分担しているのでカウンターで注文する場合よりもプレッシャーが大きいです。

以上を諺の式にすれば、

「話さざる者食うべからず」+「動かざる者食うべからず」

となるのではないかなと思います。

オーストラリア人は日本人ほど気配りをしません。というよりむしろ、日本人が異常なまでに気配りをする民族なので、黙っていても食べ物が回ってくる確率が高いのですが、「豪に入ったら豪に従え」です。話さなければなりません。

カウンターで話すのがレベル1なら、BBQでのはレベル2だと言えるでしょう。繰り返し実践すれば、人混みの中での会話をする勇気が湧いてくることだと思います。


3.レストランでフレンドリーにしないと、次から接客態度が悪くなる

「話さざるもの、来るべからず」は流石に言い過ぎですが、オーストラリアの店員さんは日本と比べると、快も不快も露骨に顔に表すので、レストランの居心地が良くなるのも悪くなるのも自分次第です。

何回か足を運ぶレストランの場合、良い印象を残し、次回も気持ちよく接客してもらうらめに立ち振舞は大切です。

個人的に大切だなと思ったことを3つ挙げると、

・店員さんのあいさつには笑顔で応じること
・店員さんの雑談にも応じること
・食事後に美味しかった!と言うこと

だいたいこの3点ができたら、どこに行っても歓迎されるお客さんになれます。

オーストラリアでは店員さんの距離とお客さんの距離が近いため、自分がどれだけ歓迎されているかが直球で分かります。

外食する時には、食あたりだけではなく、人当たりにも同じくらい気を配らなくてはなりません。

体験談ですが、見知らぬ人とも気さくに話せるようになってくるというのは、自信に繋がります。オーストラリアに3年前いた頃、行きつけのマレーシアレストランがありました。

いつもラクサという麺料理を連続で注文していたので、店員さんが「今日もラクサですか?」と聞いてくるようになりました。その日を堺に、だんだん雑談が出来るようになり、「Mr Lakusa」というあだ名をもらったのを覚えています。気づけば他の店員さんの間でも私の話が広まっており、行く度に話に花が咲き、どのレストランより居心地良く食事を楽しめました。

(余談ですがLakusaは合計50回は注文しました。)

こうして、いつの間にか人と話すことへの苦手意識が、得意意識に変わっていったのです。

スーパーのカウンターがレベル1なら、店員さんとの雑談はレベル3だと思います。今レベル3はできなくても、レベル1から始めて、経験値を積んでいけばきっと対人恐怖症はなおると確信しています。


         ~まとめ~

対人恐怖症を抱えているという現実があるとします。

なおすか、なおさないか。
死ぬまでずっと孤食し続けるか、ちょっとでも努力してみるか。

今抱えている現実に対しての反応は選ぶことができます。思い返せば、孤食歴10年だった頃は、改善しようと何も努力していませんでした。

それに、努力すれば改善するという、想像すらつきませんでした。もし人と話すのが怖くない人がこれを読んでいたら、この記事の筆者はバカなことを言っていると思うかもしれません。しかし、対人恐怖症を抱えている人からすれば、悩みは深刻ですし心の痛みは無限大です。

もし今この記事を読んでいるあなたが、かつての私と同じように、人間嫌いでしたら、本稿が自己改造の後押しになれば幸いです。

レベル1から着実に、ゆっくりとでいいので始めてみませんか?

【レベル1】量り売りコーナーで話すのは「一対一の会話で最初の一歩」を踏み出すため
【レベル2】BBQでは「人混みでの会話に慣れるため」
【レベル3】レストランの店員さんとの会話は「自信と余力をつけるため」

 ・ニンジン嫌いも、ニンゲン嫌いも、まずは小さく始めるというのが改善のコツです。


1言語1人格。語学だけで終わらない語学の学習を始めとして、留学・海外生活について投稿しています。フォローしていただくと、語学の勉強が楽しくなります。