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【偉人留学伝】2流国家ロシアを、1流のおそロシアに仕上げた、ピョートル大帝の1年半の留学とは!?

そこの野心家の君、留学に行こう。
装備品は、フットワークと好奇心だけでいい。


こんにちは、語学の裏設定のゆうです。今日は、皇帝という身分を隠し、平民に変装してまでも外国の先進技術を学びに行った、ロシアの皇帝「ピョートル大帝」の紹介をします。

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留学のカガミとは、まさに彼のことです。

現役の皇帝が国を空けて留学に行ってしまう大胆不敵さ。日本に例えたら、天皇陛下がある日突然姿をくらましてしまう並の騒ぎが起きるでしょう。

それでも留学したかった。好奇心を満たしたかった。国を強くしたかった。

どんな留学だったかと言うと、

・オランダで、船大工として働いた。(※皇帝です)
・オランダで、歯医者の元で抜歯術を学んだ。(※皇帝です)
・オランダで、人体解剖に感激し外科手術セット購入。(※皇帝です)
・イギリスで、大学生として講義に出席。(※皇帝です)
・ドイツで、砲術を学び修了証書を取る。
(※皇帝です)


見ての通り、好奇心フットワークの塊です。



そんな留学を終えロシアに帰った彼は、当時まだ2流国家だったロシアの構造改革に着手し、重要な戦争に勝ちロシアを1流国家に仕立て上げたのです。「おそロシア」の誕生です。


もしピョートル大帝が留学に行っていなかったら、今日のロシアはなかったでしょう。彼の留学は、歴史を変えた留学だとも言えます。


今日はピョートル大帝の留学にまつわるエピソードをもう少し深く紹介致します。世界史の知識が無くても読めるように書きました。留学前に読むとモチベアップになること間違いなしです!

最終的に、今日の記事で言いたいことは3つです。

・留学行くなら大胆に学んでくるべし
・好奇心は常に持ち続けよう
・フットワーク大事


1.ピョートル大帝の自己紹介


世界史ブログではないので、簡潔に済ませておきます。

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ライフステージ別の紹介です。

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最後は皇帝らしくない死に方をしていますが、人望があった人だと言われているので、ヒーローらしい死に方ではあると思います。


私の好きなエピソードは、留学中に歯科技術を学んだピョートル大帝は、抜歯術にハマりすぎて、家臣の歯を手当たりしだいに抜いていたという話です。

完全に好奇心が独り歩きしていますね。。。
まことに、模範的な好奇心です。


皇帝命令で歯を抜かれる方は、たまったものではないですが、ピョートル大帝の死後に、抜いた歯をコレクションしていた袋が見つかったそう...

ただ、彼は2mを超す大男です。本人は歯科技術に自信があったそうですが、実際は「怪力に任せて歯を抜いていた」だけだそうです。

最近流行りの本のことが頭によぎります。。。


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すみません、遊びすぎました!


留学の話に戻りましょう!


2.なぜ皇帝自身が留学に行ったのか?


ピョートル大帝の時代の少し前あたりから、ロシアは外国の脅威にさらされていました。南に行けば「クリミア汗国」という脅威が、その背後に居るトルコも脅威でした。

オマケに、当時ロシアは古い伝統を守りたい人が多く、周りの国にますます差をつけられていたのです。

国の安全を確保したいと思ったピョートル大帝は、彼らに戦争を仕掛けます。

しかし、負けました。

ロシアの作家にチェーホフと言う人が居ますが、私は彼のこの言葉がまことに本質を突いていて好きです。

人間の目は、失敗して初めて開くものだ。

きっとピョートル大帝は、戦に負けて目が開いたのでしょう。

それが、先進文化を持つヨーロッパに自らが潜入しないといけないという考えを芽生えさせました。

なぜかと言うと、他の人達は戦争に負けても新しい考えを取り入れようとしなかったからです。

実は、先ほどの戦争には、
・ピョートル大帝が最新装備の研究と兵隊ごっこをしながら造った軍隊
・由緒正しきロシアの正規軍

の両方が参加したのですが、伝統を重視してきた旧式の装備のロシア正規軍よりも、兵隊ごっこ海軍のほうがよく戦ったという始末でした。

伝統じゃ勝てない。
新しいものの研究と、好奇心こそが発展に繋がる。

それが留学決行に繋がったわけです。

ちなみに、ピョートル大帝は留学に行く前にトルコ軍・クリミア軍を打ち破りました。戦争に負けるや否や、国に引き返して海軍・戦艦を建造し、もう一度戦いを挑み彼らに勝ったのです。

そのフットワークの軽さと行動の速さが勝利の鍵だったのです。




天才は考え方が似るのでしょうか?あの大天才ニュートンも、留学先で好奇心を発揮し、多くを吸収することをススメています。以前それについての記事を書いたので、合わせてお読みください。

大天才ニュートンの留学観


3.皇帝の留学の成果は?


彼は留学後の行動も速い人でした。

ちょっとヘンに聞こえるかもしれませんが、国に帰ったピョートル大帝は、古い習慣を廃すために、「ヒゲ」を禁じます。それでも伸ばしたい人は税金を払わないといけません。通称、「ヒゲ税」と呼ばれる税金です。

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(抵抗する者のヒゲは切り刻まれました。)


それから、洋服も伝統的な服に制限を掛け、ドイツ風の服を着るように法律を変えました。衣服は国民性を表します。改革が市民の心に根ざすような狙いがあったのでしょう。

と、まずはこんな感じで国内の整理をしました。


この考え方はわたし達にも活かすことができます。

「体験には鮮度があります。」

留学直後は、留学先で受けてきた経験にまだ新鮮な勢いがありますから、その勢いを借りて「止めたかったなぁ」と思っていた悪習を断ち切りましょう。

ピョートル大帝と皆さんの違いは、単にそれが国家単位であるか、個人単位であるかです。

その後は、大小さまざまな出来事が乱立しているので、

「ヨーロッパの先進的な制度を取り入れたおかげで、日本の明治維新のような大変化を起こせた。」

と一行でまとめておきます。
1人の人間の留学で、国が変わったのです。


わたし達は以上のことから、どんなことを学べるでしょうか?
残りの字数はこちらに割くとしましょう。


4.ピョートル大帝式留学を実践するためのチェックリスト


それがずばり、冒頭で書いた

・留学行くなら大胆に学んでくるべし
・好奇心は常に持ち続けよう
・フットワーク大事

の3点です。

これらを実現するにはどんなことをしたら良いのか?
チェックリストを作ってみました。


・直接語学や、自分の興味に関係ないことにも挑戦してみる
 ・例:数々のワークショップに参加する
 ・例:現地の大学の講義に忍び込んでくる
 ・例:現地の大学生と友達になり、実験室を見せてもらう

・毎週、1つは新しいことに挑戦する
 ・例:スカイダイビングしてみるなど

・留学先で何か資格を取ってくる
 ・例:バリスタの資格

・毎週、1人は外国人の友だちを作る
 ・例:今週はギリシア人、来週はコロンビア人、など
 ・例:毎週違う趣味の友達を作り、専門の話を聞いてみる

・留学先で、政治に関わる場所や文化的な場所に訪れてみる
 ・例:市役所や警察署のの見学ツアー
 ・例:美術館やコンサートホールにも行ってみる

書こうと思ったらまだまだ書けますが、一旦ここで止めておこうと思います。鍵は、「語学と関係ない体験」を増やすことです。

そのように知見を増やした暁には、国までは変えられなくても、自分を変えらることくらいなら余裕でできると思います。


まとめ

ピョートル大帝は、好奇心と、フットワークによって、自らだけではなく国を変えるキッカケになる留学をした人です。彼の行動、考え方は、わたし達の留学を充実させるために、大いに参考になる。


PS
関連記事です。

先ほどのニュートンの記事です。留学先で他分野に渡って観察・実践をすることをススメています。留学の成果を高める参考として、こちらの記事をどうぞ。

ニュートンの留学観


ちょっと哲学チックですが、世界を知るとは何か?についての洞察を深めることができる記事です。

知見を増やすとはどういうことか


あとはもう行くだけだ。


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