今の時代では「歌の大辞テン」という番組は成り立たない

じゃなんで当時は成り立つのか。コメント欄が面白かったので紹介します。

1998 SPEED  Go! Go! Heaven 当時の新入社員が聞いていたであろう曲

で、もうひとつ。当時の上司世代はこの辺の時代の曲になる。

1978年 ピンク・レディー UFO 


つまり「歌の大辞テン」というのは昔も名曲、今も名曲という時代じゃないと成り立たない番組なのだ。

この世代に生まれて無くとも「地球の男に飽きたところよ」って歌詞は聞いたことありますよね。このように音楽というのは社会性を帯びていて、この世代なら誰もが知るどころか世代を超えるんです。つまり親も子も知ってるという部分が音楽の凄いとこですよね。『Go! Go! Heaven』凄いですね。当時の彼女らの絶頂期です。歌だけでなく人生そのものが。。。。もう今のJ-POPではこのレベルの技術を持つアクターダンスは無理でしょうね。この系譜はもうK-POPに流れてしまった。

では、次の質問です。例えば2000年と2023年の曲を並行して「名曲紹介」として音楽番組が成立するか。無理なんです。もう音楽が劣化して久しいから。

2023年上半期の1位ってこの曲なんですって。さすがに握手券商法の曲が消えて正常化に向かってますが。まだまだ。一度音楽文化を潰されたら音楽がいろんな意味で立ち直るには大変な労力と時間が掛かるからです。

2023年 上半期1位 Official髭男dism  Subtitle

分かります? この曲にはメッセージ性がないんです。だからなにも心に伝わってない。作り手側の方が「音楽にはメッセージを入れる」ことすら忘れてしまった。まだまだ音楽暗黒時代は続きそうです。

では、2000年の第2位の曲って何だと思います?『桜坂』なんです。1位がかの『TSUNAMI』。実は2000~2003年の曲が2000年代の代表曲となってるのが日本の音楽界の悲劇ですよね。そして売上高も2000年がトップという悲劇の10年です。だから「握手券商法」という禁断の手法を使って2010年代は音楽そのものが破壊されてしまいました。なお「桜坂」と検索するとなんとこの名曲ではなく「櫻坂46」が先頭に出ます。「桜坂 2000年」とか「桜坂 福山」ってやらないとこの曲にたどり着けないのです。2000年代売上2位の曲なのに、ですよ?これを検索汚染と言います。万死に値します。

2000年  福山雅治 桜坂


音楽って何度も言うように社会性を帯びるんです。当時の若年世代のほぼ全員が知っている『桜坂』と今の10代の人でもあまり知らないであろう『Subtitle』。両曲を比べるのは無理なんです。ちなみに『Subtitle』ってドラマの主題歌なんですよ。でもこのドラマ主題歌という事実すらたぶん今の10代は分かって無いと思う。

そして恐怖はここからです。

そう、2012年と2032年の曲を比べて例のAKB系をこの世代の代表曲として流される屈辱をこの世代は持ってます。ゆとり世代の末期ぐらいの方々ですね。「俺たちは・私たちはこんな曲なんて支持してねえよ!」と言ってもオリコンヒットランキングでほぼほぼ上位独占ですから抗議も無視されるでしょう。まさに地獄です。彼らの世代は支持なんかしてない曲が代表曲にして思い出の曲にされてしまうのです。今の30代は音楽暗黒世代です。かわいそうです。本当に。下手すると将来の子供たちから「こんなゴミみたいなダンスを見て曲を聴いてたの?」と馬鹿にされることでしょう。たぶんね。もう2030年代ともなるとメタバースコンサートが主流になる時代。そんな世代の曲と学芸会レベルの曲が比べられるのです。屈辱です。

大衆音楽は大事にしてください。それ、あんたの世代の代表曲になるものですから。

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