名CM考Ⅱ 第十四回 1988年 ダイア建設 「ダイアパレス」

奇・名CMの最後はこちらになります。


そもそも東京オリンピック時(1964年)に言われた言葉も東京砂漠、曲自体は1976年の曲。なのに起用されたのは1988年。そしてなぜか燕尾服でバスケットする集団で背景の新宿新都心とは何も関係なく実はマンションのCM。

おかしくね? ツッコミどころ満載です。奇・名CMになりました。

でもこれが社会現象になったんですよ。枠がたぶん地上波の映画番組の間に流れたからでしょうね。

翌年1989年にダイア建設は東証2部に上場します。ということはまだこのときは非上場の中小企業時代のCMです。すごくないですか?

しかし不名誉なことになんと2003年(平成15年)に産業再生機構適用第一号認定企業になります。レオパレス21の傘下になったのですよね。なのに……。

もし、このCMが無ければダイア建設倒産時(2008年民事再生法適用)の時に有名にならずに無名の会社として消えてた事でしょう。だからCMって大事ですね。いいCMを作ればちゃんと約20年経っても思い出してくれる。そしてやっぱりレオパレス21って信用できない会社だなと思ったしその後の大不祥事が「やっぱり」という形で発覚します。こういう反社の企業はたとえ有名企業でも名CMなんて絶対に挙げたくないですね。建築基準法違反のアパートをこれでもかと作ったなんて企業には触りたくもないですね。

で、同じころに倒産した日本綜合地所の後継企業である大和地所と合併して最後に「ダイア建設」という企業名は消えました。ただしダイア建設名古屋という会社は生きているようですが。

CMってすごいですよね。倒産企業として無くなった旧東証2部の企業でもこうやって皆さん思い出してくれるんですよ。決して当時の経営陣は無駄なことをしたわけでは無かった。今でもダイアパレスという建物は現役で残っているのだし。そりゃ何度も大規模修繕はしたとは思いますがマンションなら築40年~築30年の物件ならほとんどが普通に残っていることでしょう。

私はダイア建設名古屋という会社に正直申し上げると復活してほしいと思います。で、もう一回このCMを流してほしいと思います。みんな飛び上がるように喜ぶのでは?

つまり、ダイア建設という企業の本当の資産は土地でも建物でも無かった。CMだったんだよ。


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