意識の低い片付け論

ちょっと整理整頓についてのご質問をいただきましたので、せっかくなのでnoteに書いておこうかと思います。

というのも、かくいう私も発達障害持ちということもありまして、子ども時代は片付けが全くできない子だったのですが、
一人暮らしを契機にある程度克服したかなーという感がありますので、
「元片付け下手が語る片付けのコツ」として参考にしていただければ幸いです。

と、前置きしたのですが

まんがでわかる トヨタの片づけ https://www.amazon.co.jp/dp/4046015446/ref=cm_sw_r_cp_api_i_GHTdDb35M8FJV

とりあえずコレです。コレに全てが詰まってます。まじおすすめ。
っていうかコレ読んで「はいはいわかったーおkおk」ってなる人は別にこの先読み進めなくても大丈夫です。ハイ解散!

っていうのもやっぱりアレなんで、補足的に書きます。
だいたい片付け下手は、他人にどやされても、片付けのコツとかキレイの魔法みたいな本を読んでも片付けられないので片付け下手なんですよね。わっかるー。

というわけで「こういう本で一応理屈として片付けのコツはわかるけど、それでも片付け苦手」って方
「もうそんな本を読む気力すらねえ……」って方は是非読み進めてください。
意識の低い片付け論です。

【そもそも何のために片付けるのか】

ここはハッキリさせておきましょう。
仕事や日常に支障をきたしているから片付けるのか?
人を家に招くために片付けるのか?
それとも親や先生、「社会の目」といった、「片付けられないお前はウンタラカンタラ」と喚いている亡霊と戦うために片付けるのか?

一つ目なら、あなたに必要なのは「シミひとつないキレイな部屋」ではなく「日常生活や仕事を効率的に進めるシステム」のはずです。そいつを手っ取り早く手に入れる方法を探りましょう。
二つ目なら、最悪客人が来る度にごちゃごちゃしたものをクローゼットに突っ込むでもOKです。っていうかそれで文句言うような人を呼ぶな。

三つ目が曲者です。「自分の目的は上の二つである」と思っている人でも、意外とこの三つ目を持っていたりします。
現代日本ではなぜか、「字が綺麗に書ける」「お箸が綺麗に持てる」「片付けが綺麗にできる」というのは人格と結び付けられていて、それらができる人はできない人にマウントを取っていいことになっているようです。
私もこの三つではマウント取られまくってコンプレックスの塊でした。何がトイレ掃除したら女神様が来てくれるだクソが。

いやまぁ、部屋の清潔さと人間のメンタルはやっぱり比例する部分がありますので、実際そういうこともあるのかもしれません。それに少なくとも、女神様が来るかはともかく清潔にしていたらゴキブリはいなくなります。

……わかってるんだよそんなこと。

わかった上で「余計なお世話だクソが」って言ってるんだよこっちは!

まぁやや私怨が入りましたが、この「マウントに対する防衛あるいは復讐」というのが整理整頓の目的になっていることはよくあるのですが、
この手の「亡霊」と戦うことは全くおススメしません。
この手の「亡霊」と戦うと際限なく気力を消耗しますし、勝てたところで得られるものは一時的な安心感しかありません。
ファ○リーズをシュッシュしてお帰りいただきましょう。

というわけで、「どんな目的で整理整頓に励んでもいいけど、綺麗好きのマウントに付き合うのはマジでやめとけ」というお話です。
片付け下手が「片付け」と真剣に向き合うにあたって、「なぜか生まれつき几帳面で清潔なスーパーマン」は記憶あるいは妄想から消し去ってください。
我々のような片付け下手からすれば、そういう人種は生まれつき空を飛べる超能力者のようなものです。
比べるだけ無駄ですので、我々は地道に地を這って生きていきましょう。


【片付け下手が抱く『モノ』に対する恐怖心】

いきなり独断と偏見で語るのですが
整理整頓できない人の大半は、
自分の持っている物の管理に対してパニックを起こしているように思われます。

現代日本人はほとんどの場合、ご家庭や学校で
「モノを大事に使いなさい」
「モノを粗末にしてはいけません」
と教え込まれて育つわけです。

私は胡散臭い霊能者なので、当然「モノ」とも話せます。
だいたいのモノは「大切に扱ってもらえると嬉しい」ということを言います。当たり前ですね。

でももうね、片付け下手で部屋がグチャーってなってる人だって、大抵そんなことわかってるんですよ。

何度でも言う。
それでも片付けられないから、片付け下手なのだと。

わかってるんだよ。
わかった上で「モノを大事にする」という道徳的規範を守れない自分にげんなりしてるんだよ。
それでそんなダメな自分と片付けを通じて向き合うのが嫌で、部屋がどんどん汚くなっていくんだよ……。

でもね、能力って生まれつきある程度決まってますので、
いくら「モノすら大事にできないダメな自分を叩きなおさねば」と決意しても
整理整頓能力はすぐに伸びたりしないんですよね。悲しい。

なので、ここで発想を変えます。
「自分の整理整頓能力を伸ばそうとする」からうまくいかないのです。

「整理整頓できる量のものしか持たない、あるいは手元に出さない」
これです。
いっぱいモノがあるから能力が足りなくなるのです。
まずは徹底的にモノを減らします。あるいは、思い入れのあるものなどは押入れに入れたりして管理コストがかからない状態にします。
重要なのは「整理整頓に必要なコストを減らすこと」です。
我々はもともと片付け下手なので、整理整頓にそんなにコストをかけられる余裕は無いのです。

まずは徹底的にハードルを下げましょう。
百均グッズをうまく使ったなんかオシャレな収納部屋みたいなのは上級者の遊びです。
我々初心者は限りなくハードルを下げて、まず「床が見えるので自分を褒める」ぐらいのところから始めなければいけないのです。


【自分の能力を過信するな】

さて、改めて整理整頓で私が意識していることを箇条書きにしておこうかと思います。

・ものを管理できる量になるまで捨てること、捨てる基準を明確化すること。
・増やせる限り収納スペースを増やすこと。
・できる限り床とテーブルに直置きしないこと、キッチリ場所は決めなくていいので、箱などをつかってざっくりカテゴリ分けすること。
・自分の整理整頓能力を信じずにルールを作ること。「自分さえ優秀なら管理できる」みたいなシステムは採用しないこと。
・目標を明確化して、「片付けできるイカした自分」ではなく、生活の上でのミスやロスを減らすことを目指すこと。

これは重要なので何度でも書きます。
「自分の整理整頓能力を過信するな」。
それさえ覚えていればだいたい大丈夫です。

ただでさえ片付ける気力や才能がないのが片付け下手の我々です。なので道具の力やスペースの力、ルールの力や友達の力、専門業者さんの力はどんどん頼っていきましょう。


まぁぶっちゃけここまで書いといてなんですが、整理整頓ができなくても死にはしません。
モノをなくしたり、探すのが大変だったり、ズボラだと思われたりして、多少損をするぐらいです。
人間、その程度の損をしても普通に生きていけますので、
整理整頓なんて、鬱になってまでやることではないと私は思います。

ただ、
「自分は自分の持ち物を丁寧に扱える」というのは、本来結構楽しいことです。
物がほどほどに減って、自分が意外と整理整頓できるって自信がついてきたら、結構自然と以前より整理整頓が好きになっていたりします。
私は整理整頓ができるようになってから、かなり自然と水回りやトイレの掃除まで積極的にやるようになりました。
慣れと自信で、物事にかかる気力コストはどんどん減ってきますので、そういうこともあります。

もちろん、どれだけ頑張っても「整理整頓を克服できない……」って白旗をあげる人もいるかもしれません。
あるいは「疲れ切ってできない」ということもあるかもしれません。私も未だに疲れ果てると、まず先に部屋が荒れ放題になるタイプです。

正直もう、そこまで行った上でどうしても片付けなきゃいけないなら、
整理整頓が得意な人にお金を払った方が早くね?
と思います。

今回のテーマは意識の低い片付け論ですので、〆がグダグダになりましたが結論としてはそんな感じです。

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