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Culture

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食やファッション、音楽、サウナなど、北欧の暮らしから生まれるフィンランドの文化。
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記事一覧

Culture|ことばの記憶 〈03.サウナで嘘をついてはいけないよ〉

フィンランドの日常にサウナは欠かせません。 我が家の定番は、どんなに忙しくても家族全員が集まって一緒に入る毎週木曜日のサウナ。夏は、湖とサウナを何度も行き来しながらゆったりとした時間を過ごすサマーコテージのサウナ。クリスマスイヴの日は、豪華な食事の前に赤いキャンドルを灯してサウナに入るのが我が家の決まりです。その他にも、プールのサウナや友達とふらっと行く公共サウナなど、フィンランドに住み始めて以来、様々なサウナを経験しました。 今回は、その中でも特に印象に残っているサウナ

Culture|ことばの記憶 〈02.必要なものはもう全て持っているわ!〉

陽が日に日に長くなり始め、久々に射す窓からの光が眩しいほどに感じるここ数日。キャンドルや冬のライトは少しずつ棚にしまって、太陽の光を部屋に迎え入れる準備をしています。窓辺にはどんな色の花を飾ろうか、春が待ちきれずにワクワクしています。 眩しい太陽の光に誘われてヘルシンキの街を歩いていると、所々で目にするのがセカンドハンドショップ。昔ながらの古着屋さんもあれば、お洒落なインテリアのカフェを併設したような新しいタイプのお店もあります。 そしてここ最近よく見かけるようになったの

Culture|ことばの記憶 〈01.悪い天気なんてない、悪いのは服装だよ。〉

冬真っ只中のヘルシンキ。暗くて寒く、長い長い冬は、冬至を折り返して少しずつ出口が見えて来たところでしょうか。1月の平均最高気温は-3度、平均最低気温は-8度。外は凍えるような寒さです。寒い日が続くと、湖や海までもが凍り、凛とした空気が街を包みます。 数年前の冬。フィンランド人の友人が、湖の上でスケートをしよう!と私を誘ってくれました。スケート初心者の私でしたが、湖の上でスケートができるなんて!!とワクワクを抑えられず、一緒に行ってみることにしました。 しかし当日は吹雪。街

Culture|吉澤 葵さんに聞く、フィンランドのサウナ事情 〈02.人気のサウナスポット〉

サウナコラムの第2弾ということで、今回はヘルシンキにある人気のサウナスポットをご紹介したいと思います。第1弾では、住宅地やアパートにあるプライベートサウナについてお話しましたが、今回はヘルシンキ市内と周辺にあるパブリックサウナについてお話しします。 Allas Sea Pool(アッラス・シー・プール) まずは、カウッパトリ・マーケット広場横にあるアッラス・シー・プール。海沿いにある屋外プールとして有名なスポットです。海とともに、大統領官邸やヘ

Culture|吉澤 葵さんに聞く、フィンランドのサウナ事情 〈01.日常の中のサウナ〉

3月を迎えたヘルシンキは、太陽の光が眩しい日が多くなり、日も段々と長くなってきました。 春の暖かさを感じ始めましたが、まだまだ気温は低く、サウナで温まってゆっくりしたい時期です。 先月からスオメンリンナにあるアーティストレジデンシーに滞在し始めました。スオメンリンナについては昨年夏にも滞在したので、以前のコラムからも読んでいただけます。要塞があるいくつかの島からなる、世界遺産のスオメンリンナ。観光客も多いスポットですが、約800の人々が住んでいて、小さな村で生活しているよう

Culture|星さんに聞く、フィンランドと食 〈04.フィンランド伝統料理のご紹介〉

みなさん、こんにちは。コラムの最終回、第4回目となりました。最終回はフィンランド料理がどういったものなのか、いくつかわかりやすく簡単にご紹介していきたいと思います。 フィンランド料理は彩りが鮮やかだったり、特に季節感があったりするものではありません。フィンランドの歴史を振り返ると、冬場は食材が収穫できず、夏や秋までに蓄えた食材で越冬してきました。そのため、その時々で穫れた食材を使うというよりも、少ない食材で作られているのが特徴的です。香辛料なども手に入れることが難しかったた

Culture|星さんに聞く、フィンランドと食 〈03.サステイナブルな食と環境〉

ラプアン カンクリ 表参道では今、「HerkulLinen / 食とリネン」を開催中。前回に続き、フィンランドの数々のレストランで調理を経験し、その後に自身の料理店を開業、現在はヘルシンキからオンライン料理教室を行うなど、多方面で活躍する料理家・陶芸家の星 利昌さんに、フィンランドと食にまつわる様々なお話を伺います。 みなさん、こんにちは。ラプアン カンクリ 表参道のコラム3回目を書かせて頂きます、星です。 今回は食と環境について。フィンランドにいると、首都のヘルシンキに

Culture|星さんに聞く、フィンランドと食 〈02.フィンランド料理の素朴さを味わう〉

ラプアン カンクリ 表参道では今、「HerkulLinen / 食とリネン」を開催中。前回に続き、フィンランドの数々のレストランで調理を経験し、その後に自身の料理店を開業、現在はヘルシンキからオンライン料理教室を行うなど、多方面で活躍する料理家・陶芸家の星 利昌さんに、フィンランドと食にまつわる様々なお話を伺います。 フィンランド料理といえば、どのような料理が思い浮かぶでしょうか。 サーモンスープ、ミートボール、マッシュポテト、ポロンカリユトュス(トナカイ肉の煮込み)、カ

Culture|星さんに聞く、フィンランドと食 〈01.世界一幸福度の高い国の世界一の食事〉

ラプアン カンクリ 表参道では今、「HerkulLinen / 食とリネン」を開催中。そこで今回は、フィンランドの数々のレストランで調理を経験し、その後に自身の料理店を開業、現在はヘルシンキからオンライン料理教室を行うなど、多方面で活躍する料理家・陶芸家の星 利昌さんに、フィンランドと食にまつわる様々なお話を伺います。 みなさま、初めまして。ラプラン カンクリ 表参道のコラムを4回に渡り、書かせて頂くことになりました。星です。お声を掛けていただき、ありがとうございます。

Culture|Moi Sauna Moi Towada 〈05.冬の北奥(ホクオウ)であいましょう〉

フィンランドが発祥とされるサウナ。ここ数年は日本でも人気が高まり、「ロウリュ」や「ヴィヒタ」といったフィンランド特有のサウナ文化も浸透してきていますが、まだまだ知らないことも多いはず。この連載では、今年の春にオープンしたサウナ施設・十和田サウナさんに、サウナにまつわる様々な話を伺います。 こんにちは、十和田サウナです。全国的にもだいぶ寒くなってきましたが、十和田湖ではすでに雪が積もりはじめています。北東北の奥地、秋田県と青森県の県境に位置し、標高約400mの場所にあるこの土

Culture|Moi Sauna Moi Towada 〈04.北東北の手仕事、サウナハット〉

フィンランドが発祥とされるサウナ。ここ数年は日本でも人気が高まり、「ロウリュ」や「ヴィヒタ」といったフィンランド特有のサウナ文化も浸透してきていますが、まだまだ知らないことも多いはず。この連載では、今年の春にオープンしたサウナ施設・十和田サウナさんに、サウナにまつわる様々な話を伺います。 こんにちは、十和田サウナです。早いもので、この連載コラムも4回目を迎えました。少しでも十和田サウナを通して日本の北奥(ホクオウ)・十和田の魅力をお届けできたらと、毎回どんな内容にしようかと

Culture|Moi Sauna Moi Towada 〈03.ヴィヒタで感じる十和田の森〉

フィンランドが発祥とされるサウナ。ここ数年は日本でも人気が高まり、「ロウリュ」や「ヴィヒタ」といったフィンランド特有のサウナ文化も浸透してきていますが、まだまだ知らないことも多いはず。この連載では、今年の春にオープンしたサウナ施設・十和田サウナさんに、サウナにまつわる様々な話を伺います。 こんにちは。十和田サウナです。第1回、2回でもお伝えしたように、十和田サウナは五感全てをフル活用して、十和田の自然を感じていただくためのツール。皆さまにサウナを通して自然体験を提供すること

Culture|moiさんに教わる、フィンランドのコーヒー文化 〈02. カハヴィタウコの楽しみ方〉

深まる秋、コーヒーがより美味しく感じられるこの季節。ラプアン カンクリ 表参道では、「秋に愉しむコーヒー時間」をご提案しています。そこで今回は、コーヒーやフィンランドに詳しい moi・岩間さんを迎え、フィンランドのコーヒー文化について、お話しいただきました。 前回のコラムでは、フィンランドの人たちが毎日たくさんのコーヒーを飲むこと、しかしそれはこだわりや趣味という以上にもっと身近な存在であり、その近しさから「ティーマ」のようなコーヒーカップの名作が誕生したということについて

Culture|moiさんに教わる、フィンランドのコーヒー文化 〈01. 暮らしに溶け込むカフェと器〉

深まる秋、コーヒーがより美味しく感じられるこの季節。ラプアン カンクリ 表参道では、「秋に愉しむコーヒー時間」をご提案しています。そこで今回は、コーヒーやフィンランドに詳しい moi・岩間さんを迎え、フィンランドのコーヒー文化について、お話しいただきました。 はじめまして。「フィンランドをもっと好きになる|moicafe.com」というポータルサイトで、フィンランドを日本で楽しむための情報を紹介している岩間といいます。その前には、カフェ「moi」というフィンランドカフェを2