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非エンジニアのわたしがDMM.make.AKIBAで「ものづくり」をしたいと思った理由(2)

前回からの続きです。2017年に日本ロレアル主催のBeauty x IoT ハッカソンで優勝したわたしたちのチーム。その後、副賞の開発権にて、DMM.make AKIBAで3ヶ月間の開発を行います。

今までになかったものを自由に開発できることでだいぶテンションが上がっていました。しかも、そのスポンサーであるロレアルさんはCESなどで、今までになかった斬新なプロダクトをいっぱい出されていました。ハッカソンの1年前は紫外線レベルを測定できる肌に貼れるシール。

開発期間中には、上記のシールが更にレベルアップして、爪に貼れる小型チップになります!!!!

こんな素晴らしい技術があるロレアルさんにプロダクトが響けば、非現実的で誰も成し得なかったものでも、できちゃうかもしれない!そんな妄想が頭を駆け巡り、かなり楽しく開発しました。


IoT機能を持った魔法のコンパクトがリアルに実現か!?

小さい頃から触れてきた魔法少女の概念。アッコちゃんの魔法のコンパクトからクリーミーマミのタンバリン、そして、セーラームーンのステッキ!

主人公が変身する時にキラキラと不思議な光を放つ魔法のグッズたち。そんな主人公たちを見て、幼い頃、わたしも変身できるんじゃないかって思ってきました。そこは不思議な力なので、どんなことだってできる。それなりに悩みはあるけど、現実の力を遥かに超えてなんでもできる。

じゃあ、その現実の力を超えた力ってどうやって実現するの?というと、やっぱりそこは主人公にコンパニオンがいることが必要です。このコンパニオンは、主人公に寄り添う小さな動物の仲間たち。コンパクトにこのコンパニオンを入れ込んで、この世界観を実現したかったのです。

そんな当時のメモが以下です。(撮影日:2018年3月21日)

この時のわたしのテーマは、どうやって本人を「Hero」にするかでした。スーパーマンやスパイダーマンとは違った助け方になるんだと思いました。現実的で、今のIoTのコンパクトでできる魔法ってなんだろうと考えた結果、自分も変身できるけど、自分を助けるだけじゃなくて、周りのみんなも助けられる!という魔法でした。

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(↑なんで女の子なのに「Hero」?って思う人もいると思うんですけど、「Heroin」だと”助けてもらう側の人”といったニュアンスがある気がして、自分も他人も助けられる人は「Hero」だと思い、「Hero」と記載しています)

主人公はこんな感じ。普通の学生だったり、OLだったり。でも、魔法のコンパクトを使えば、変身することができる。

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主人公は鏡ごしにコンパクトと会話できます。(鏡をマジックミラーにすることで、裏に仕込んだLEDスクリーンが透過)そして、主人公はコンパクトと会話することができるので、誰にも話せない秘密の話や相談もできちゃう仕組みです(実際はコンパニオンのAIを搭載)。

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そして、主人公がコンパクトと話をして、自分の問題を解決できるだけでなく、その問題をみんなの共通の問題として投げかけることができたり、他者の困りごとを一緒に考えたり、一緒に繋がることで主人公の毎日をもっと強く美しくすることができる

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そう、このコンパクトは、通信ができるので、遠く離れた人とも繋がることができ、思いを分かち合うことができるのです!

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いろんな人を繋げるコンパクトは、「女性の共感」で世界を繋ぐことができます。この時のメモを見ると「みんな、ひとりじゃない」と書いてあることに改めてびっくり。

女性の悩みはたくさんあるけど、近くの人に相談できないこともあったりする。でも、誰かの悩みやがんばりは共感できるものも多いはずで「みんな、ひとりじゃない」と思えるだけで、自分と他者に勇気をもたらすと思っていた。そんな自分と他者の心や行動に変革をもたらしたとき、このコンパクトの所有者である主人公は、本当に「変身」することができるのです。と、こんな仕掛けでした。(本当に変身できると思うから、名前からも嘘じゃない)

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そんなわたしのコンパクトの途中経過写真です。
どうやったら、より魔法少女感が出せるのかわからず、紙を翼の形に切り抜いてコンパクトの下に敷いて、試行錯誤したりしていました。

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最終で出したプロダクトはこんな感じでした。右はステッキタイプも作りたい!と思い、スプレータイプのコスメの蓋にセンサーを仕込んだものです。

実際には、コンパクトに仕込んだ基盤やLEDが熱を持つので(LEDが多ければ多いほど発熱します)化粧品のパッケージとして使うには、化粧品が変質します・・・。そんなこんながあり、実際に現実の商品になることはなかったのですが、ロレアルさんに自由に開発をさせてもらう機会を与えてもらったこの期間は、本当に「夢の開発期間」でした。また、DMM.make AKIBAのスタッフさん、会員さんにもすごくご協力頂いたことは本当に貴重な機会でした。

機会を与えてもらったからこそ、自分が今までチャレンジしたことがない世界に飛び込み、今までにコミュニケーションしたことがない方ともたくさんお話しました。その中で、その後の人生を変えるようないろいろな気づきがありました。

あれから4年が経過。今があるのは、すべてこの開発がきっかけでした。

この「きっかけ」がなければ、わたしに「気づき」が生まれず、社会を変えようという気にはなりませんでした。わたしがこの開発で何に気づき、何に取り組みたいと思ったかを、今後また書いていきたいと思います。

(※ちなみにフランスにはライシテ(政教分離)の考え方があり、本来はグローバル展開においては六芒星は望ましくありません。その考え方は把握しつつも、基盤やLEDの配列の関係でこれ以上小型化できる技術も予算もなかったので、六芒星にしていました。注釈としてコメント入れさせて頂きます。)







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