Earth of Underseas(仮)<一次創作設定>

大まかな世界観

今からそう遠くない未来。
度重なる異常気象に地殻変動を起こし、地球の半分ほどは海の中に沈んでしまった。北極海や南極大陸の解氷だけでなく、局地的かつ断続的な豪雨。湖と化していたはずのカスピ海は海と繋がり、文字通り海となった。
その一方、砂漠は依然として砂漠のままであり、かつて高地と呼ばれていた土地に、人類のほぼ全てが身を寄せ合うようにして過ごしている。

現在に至るまでの歴史的気候変動

北極大解氷という現象が起き、北極海の氷の半分以上が地球の温暖化で一気に融けて北半球の大きな沿岸都市をあっという間に飲み込んでいった。このことにより、北半球の半分以上は海の中に水没し、日本は長野や岐阜の一部が残るのみとなっている。主要な各国の大都市は水没し、現在のイギリスやフランスといった東欧や北欧、カナダやメキシコは国全体が水没、アメリカも現在の半分程度しか残っていない。
一方、その数年前に起きた南極大解氷というのもある。こちらは断続的だが継続的に南極大陸の氷が融けていったもので、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域はすべて水没したが、代わりに南極大陸がその全土の姿を見せ、南極合同国として住民が移住している。アフリカや南米は大河の逆流があったものの、もともと高い位置に小都市が点在しているため、大きさは現在の4分の3程度で収まっている。
現在、地球全体の主要な政治はアフリカ大陸に委ねられているが、もともと政府が機能していなかった地域のため、ほとんど治外法権となっている。

人々の生活について

現在と大きく違うところはいくつかある。
まずは交通についてだ。自動車や鉄道はもはやその意味をなさなくなり、今の主要交通というと海運になる。人間はもとより、貨物の運搬も海運がそのほとんどを占めている。
そのことにより、生活の内容も変わってきた。北半球各国の主要産業は造船となっている。北半球でかろうじて生き残った人々はもともと造船業に長けていたため、どれだけ効率的な船を作れるかで激しい争いになっているが、それはごく一部の上層企業だけで普通の人々は造船の作業員、勉学が優秀な人材はプログラミングや理学に従事し、それが人々の間での人気と憧れの職となっている。また、一部の放牧民族が酪農を行っており、北半球の中で貴重な存在となっているが、その活動できる地域はごく限られたものになっている。
逆に南半球の主要産業は農業などの第一次産業と呼ばれるもので、世界の90%以上の食べ物は南半球でつくられているといわれている。こちらのほうは自給自足ができる余裕はあるものの、北半球に輸出して生活資金を得るために積極的に従事している。なお、各地域で得られるものが違うため、こちらでは北半球の上層部のような企業争いは行われないし、そもそも企業となっている方が少ない。

今後の地球について

気候変動にいち早く気づいていたのは各国のいわゆる「お偉いさん」で、彼らは水没の可能性が少ないスイスに各シェルターを個人個人で作って避難している。スイスではもともと精密機器製造が盛んだったため、スイスで研究を進めている。ここに人種の隔たりはない。地球がこのまま水没する未来が見えているからだ。
現状のままで行くと、地球は130年後にその90%の陸地が水没し、さらにその40年後には全土が水没し、地球は海水に覆われる国になるだろうと言われている。もちろん、それは機密情報であり、一般人がそれを知ることはない。
ただ人類生存のため、海底都市を建設することが提案され、現実味を帯びてきている。人類が宇宙に行くよりもはるかに現実的だと判明したからだ。現在水没している西欧…主に現在のフランス…にパイプラインを通し、そこでコロニーをつくり、生活していこうという計画が進行中である。
幸か不幸かスイスは周りを高山に囲まれており、一般人は近寄ろうとしない。この世界の最先端都市がスイスであることを知る者は、スイスのシェルターで生活している富裕層のみなのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?