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「期待」から逃げ出したくてたまらない。

「よく、泣きそうな顔してるよね」

ここ数年、周りの人たちからよく言われる言葉だ。大学時代のバイト先の店長さん、サークルの先輩、会社の同期とかいろんな人に。ちなみに昨日も会社の先輩に言われた。

正直自覚はなかった。でもあまりにみんなに言われるから、「この顔がデフォルトなんですよ〜」とふざけて言うようになった。自分で鏡で見てみても、同じ状況じゃないから分からない。

たぶん、いつも本当に悲しいわけじゃない。
もちろん本当に困ったり悲しいときにもなるんだけど、褒められたり誰かに感謝されたときにも、同じように泣きそうな変な顔になってしまっているようなのだ。

はて?と不思議に思い、その時の気持ちを分解してみた。するとひとつ、なんとなくだけど分かったことがある。

たぶん、わたしは他人との間にある「期待」にひどく怯えているのだ。

「本当にありがとう」と感謝してもらえたとき、ほっとする気持ちと一緒に(これからもこの人を失望させないように頑張らなきゃ…)という感情が生まれてしまう。
「すごいじゃん!」って褒めてもらえたとき、うれしくて舞い上がりたい気持ちと一緒に(次も絶対にしくじれない…)というプレッシャーに勝手に苛まれる。

うれしさに反して、そういう不安のほうが顔に出てしまうらしい。

特に、立場が上の人からの「期待してるよ」という言葉はわたしにとってものすごくパワーがかかる。
期待してもらえることは本当にありがたいし、うれしい。でもそれに応えられなかったときのことを考えると心臓がどきどきして眠れなくなる。結果的にうまくできなくて、怒られたり、嫌われたり、がっかりされたりするのが怖くてたまらない。跳ね返せるだけの自信もない。

だから、この言葉を言われたとき、わたしは「頑張ります…!」と言いながらつい、泣きそうな変な顔をしてしまう。素直にそのままに受け取れない自分に、ほんと辟易する。自意識過剰で、可愛くないよなあ。

期待に「応えたい」と「応えなきゃいけない」の狭間で葛藤して、いつも息苦しいと感じてしまう。会社の場合はお給料をもらっている以上、それに見合った期待以上の働きをしなきゃいけないのは分かっている。やっぱり社会人、失格かもしれないな。

とはいえ、全く期待をされていなかったらそれはそれで悲しい気持ちになるから本当にめんどうくさい。自分の存在なんぞ無意味なんだなと感じて自己効力感がゼロになる。ああ、なんて厄介なんだ。

その一方で、自分だって他人に期待ばかりしている。会社のそれとはまたちょっと種類が違うかもしれないけれど。
友だちや恋人に対して期待して、それが叶わなかったとき、とても悲しい気持ちになる。
「なぜわかってくれないのか」「何で伝わらないのか」という気持ちに圧迫されて胸が苦しくなる。だったら期待なんてはじめからしなきゃよかったのに。生まれてこのかた、何度こんなことを繰り返しているのか。

こういうことを考えていると、一緒にいる人によく「どうしたの?」と言われてしまうから、きっとまた同じように泣きそうな変な顔をしているのだろう。分かり易すぎるのも問題だな。

そういえば、わたしの2019年の目標は「いい意味で他人に期待しない」だった。他人である以上、どんなに近しい人でも考えていることの100%は分かり得ない。それを当たり前だととらえて、自分や相手が疲れずにいられるようにするために、そう決めた。

でもいくら心に誓っても、やっぱりどこかで期待してしまう自分がいる。分かってほしいし、気づいてほしい。同じ温度で分かりあいたい。「だって好きだから」というのはきっとエゴなのだけど。

期待はされても、されなくても、しても、しなくても、苦しい。

ならいっそ、期待なんてもの、この世から消えてしまえばいいのに、とか思う。あなたのためのわたしでも、わたしのためのあなたでもないのだから。

でも、期待から逃げ出したいと思っているわたしがいちばん、そこに囚われているのかもしれない。
たぶん生きて誰かと関わり続ける以上、完全に離れることは無理だし、厄介なこいつとどう付き合っていくかをもう少し考えてみようと思う。

事実、このnoteも「好きだよ」とか「楽しみにしているよ」と言ってくれる人たちがいるから、恐縮です…と次の投稿に怯えながらも続けられる。泣きそうな顔をしながらも頑張れる。
期待してくれているかどうかは置いておいても、そういう言葉自体にはたくさんパワーをもらっていることは間違いない。

できることなら、今年の目標に近づいていきたいし、誰かからかけてもらえた期待を気持ちよく受け入れて、大きく膨らませてぽーんと返せるくらい、強くなれたらいいな。

2019年、まだまだ始まったばかりだけど前途多難である。

(おしまい)

#日記 #エッセイ #コラム #note #フィルム

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