山本昌邦氏が私たちに伝えたかった事

「It's time to write this blog.」
と言ったところでしょうか。やっとこの時が来たという心境です。大変恐縮であり、光栄なのですが、なんとネット界隈には、当アカウントのファンという、良い意味で思考の狂った方々が一定数いらっしゃるらしく、そんな愛すべき方々はもちろん、山本昌邦氏や当アカウントについて特に興味や関心がない方々にも、何かの暇つぶしとしてこのブログを読んでいただければ幸いです。

先のアジアカップUAE大会では、戸田和幸氏をはじめとする、フットボールの構造学、戦略・戦術について標準以上の知識や見識を持つ方々が、自身のメディアを持ち、リアルタイムでピッチ上で発生している事象について言及するサービスが複数展開されました。これは我が国のフットボールメディアにおける一種の革命とも捉えられています。つまり、日本という国において、フットボールのゲームを視聴する行為はある種受け身であったわけです。そこに、戸田氏の言葉を借りると、「前のめり」な姿勢で、複数のコンテンツから、「誰の話を聞くか」を選べるようになったのです。しかも、ゲームの前後のプレビュー、レビューはもちろん、対戦相手の事細かな情報についても情報を得られ、私たち日本人は、フットボールというボールゲームの根幹について、リアルタイムに理解を深める事が出来るようになりました。
ただ、そういった前のめりなメディアは有料かつネット環境という事で、アクセシビリティはまだまだ低いのが現状です。普通のサッカーファンであれば、日本代表戦は地上波で視聴するのが大半でしょう。そして今回、サッカーファンは、ある意味厳しい選択を強いられることになったのです。それは、


松木安太郎(中山雅史) ・ 山本昌邦

どっちを選ぶ!?

当アカウントは、数年前から地道に山本昌邦氏の解説について研究を続けており、一定の見解や知見が得られて来たので、今回初めてブログという形で、彼の解説の解釈と、彼が我々日本のサッカーファンに何を伝えたかったのかを考えてみたいと思います。

【目次】
1.山本昌邦氏が多用する表現のおさらい
2.対サウジアラビア戦

3.対ベトナム戦
4.対イラン戦
5.対カタール戦
6.総括〜彼が伝えたかったこととは〜

1.山本昌邦氏が多用する表現のおさらい

<単語編>
「人間力」
彼の代名詞ですね。サッカー(人生)において最も大切な力として、以前から提唱している概念です。もはやイデオロギーといっても差し支えないレベル。当アカウントでは、この概念を「成功を得るために、1秒1秒を大切に取り組み、決して諦めず、前を向いて突き進んでいくメンタリティ」と定義しておきます。
「球際」
いわゆるコンタクトの局面ですね。ここでの強さ、迫力を非常に重要視します。FC東京の永井謙佑選手のフォアチェックに対しては賛辞を惜しまない傾向がありますね。
「感情」
心のことだと思いますが、かなり多用される言葉です。具体的には、「感情の高まり」や「感情に火がつく」といった表現が多いです。
前者については、ここ最近出てくる頻度が増えて来た表現ですね。特に選手入場時や、ゲームの序盤に使われる事が多いです。後者については、試合の残り15分で言及される事が多いです。多分試合の随分前から既に感情に火はついていると思うのですが・・・。
「まとまり(=一体感)」
山本昌邦氏は、リザーブメンバーの活躍を非常に重要視する解説者です。事あるごとに、ベンチにいる選手の途中出場での活躍の必要性や全員で戦う(総力戦)の重要性を発信されます。
「世代交代」
特に国際大会で多用されるフレーズです。次に挙げている「育成」にも関連しますが、国として一貫した育成戦略をとても大切にされる方です。それに伴って、若手の選手が活躍すると手放しで称賛する傾向があります。以前では昌子源選手、今大会では富安健洋選手を推しているようです。
「育成」
上の「世代交代」にも関連します。そして、何よりこれは彼のライフワークの一つでもありますので、かなり熱い論調になる事が多いです。彼の育成計画や取り組みについては、公式HPをご参照ください。
http://masakuni-yamamoto.com/eye/
「成長」
今大会大きなパワーワードになりました。成功よりも大切な概念です。何を出来るようになったら成長したことになるのかまでは教えてもらえませんでした。それを視聴者に考えさせることで、我々のことも成長させようとしてくれたのでしょうか。
「ペナルティエリア」
いわゆるゴール前のエリアです。彼は何回このエリアに侵入できるかをとても重要視されます。
「アタッキングサード」
ピッチを横に三分割した時の、最も相手ゴールに近いエリアです。このエリアにどういう形で侵入していくか、できているかについての言及が多いですが、肝心の、どうやったら侵入できるのか についてはあえて言及を避けていらっしゃいます。
「勝者のメンタリティ」
結果を出せる選手というのは、これを持っているらしいです。これが具体的にどのような心の持ち方なのかについてはまだ謎のままです。
「距離感」
とりわけ選手間の距離が10メートル以内の距離感を好みます。フォーメーションよりも、距離感が近いかどうかを重要視されています。
「ワンタッチ」
ワンタッチでの展開を非常に好まれます。特に、「ワンタッチでのクロス」が得点可能性が非常に高いという自身のデータを用い、言及する事が多いです。そのため、SBの選手がオーバーラップしてワンタッチクロスを上げると、非常にテンションが上がります。各チーム毎の得点パターンをデータで有しており、このチームはワンタッチクロスからの得点が多い(少ない)については時折言及が入ります。
「セットプレー」
守備・攻撃両面で彼が最も重要視するプレーになります。どのような時間帯であろうと、セットプレーの局面になると、「このセットプレーは勝敗を左右する」という趣旨のコメントを残します。また、セットプレーでの得点率や失点率のデータをチーム毎に用意されており、セットプレーの際には披露される事が多いのも特徴の一つです。
「世界」
アジア内での大会でも、ワールドカップ本大会でも、同様に使われる事が多い言葉です。例文としては「世界の舞台には立てない」「世界の舞台は厳しい。」「このプレーでは世界は許してくれない」「世界基準」などです。「世界」とは、どこを指しているのかについては、当アカウントでも研究を継続しているところです。
「アウェイ」
厳しい環境の中で、選手が成長するためには不可欠な環境として、ネガティブな要素でもポジティブに変換して伝える事が多いです。特に中東でのW杯予選で多用されます。
例文としては「時差、移動距離等、環境の違う中でいろんな国から集まってきて、数日で合わせるという大変な作業を強いられるのがアウェイの難しさです」や「サッカーは、アウェイがあるから成長できる。厳しい環境が成長させる。ここを乗り越えないと世界では戦えない」などです。たまに感情が高まりすぎて、「厳しいからこそ強くなる。成長するんです。はい。アウェイの厳しさがあるのがサッカーの面白さじゃないですか!?」とパワーワードをまとめつつ、突然キレ気味に話すこともこともあります。
「奥深い交代」
2017シーズンの鹿島vs大宮で、ペドロジュニオール選手から当時ルーキーの安部選手に交代したことに対して放たれた言葉です。そのゲームで実況を担当していた野地アナウンサーも思わず「奥深い交代とは!?」と深掘りしちゃってました。その時も答えははっきり教えてくれませんでしたが、興味深い言葉であることは間違いないです。
「給水」
彼の代名詞の一つですね。夏のゲームや、中東会場でのゲームでは特に給水を重要視されます。今回のアジアカップでは「飲むだけじゃなく、かける」という名言も飛び出し、ネット上を騒がせたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
「質」
あらゆる事象に対して、質を重要視する傾向があります。特に使われる事が多いのは「球際の質」や「攻守の切り替えの質」や「鹿島の質」ですかね。
ただ、この言葉が好きすぎるのか、重要視しすぎているのかはわかりませんが、「メンタルの質」「コーチングの質」という謎の質も生まれてしまいました。
「修正」
改善していくことの重要性をあらゆる場面で言及されます。セットプレーや選手交代、戦術などはもちろんですが、育成にも話を広げる事があります。その際の例文としては「韓国代表のGKが全員Jリーグでプレーしているので、日本人のGKの出場回数が減っている。ここは修正していかなければならない。」
ただ、ここからがポイントで大切な点なので確実にテストに出ると思いますが、彼は修正すべきということは頻繁に言及しますが、何をどう修正したらいいのかについては必ずと言っていいほど言及を避けます。

<文編>
「ただうまいだけではこの舞台(高いレベルの舞台)には立てない。闘える選手が初めて立てるのだ。」
よく聞くフレーズだと思いますが、ポイントは、Jリーグの1試合であっても、ワールドカップの決勝であっても同じだということです。試合に優劣はないということですね。
「サッカーは戦術論では語れない」
闘えないと話にならないということのようです。
ちなみに、彼は試合中に足をつる選手が出てくると、途端にテンションが上がるという特性があります。
「ベンチにいる選手の活躍が不可欠」
これに関連して、「代表チームにレギュラーという言葉は存在しない」という名言も残されています。
「苦しい時間帯に何が出来るかが問われる」
「大切な時間帯」
・開始15分 相手がフレッシュでアグレッシブにくるので、非常に重要な時間帯
・15分以降 ゲームが落ち着いてくるので、自分たちのペースを発揮しやすい重要な時間帯
・後半開始15分 修正等が入っている可能性があるので、警戒すべき重要な時間帯
・後半30分以降 スタミナが切れかかってくるので、何かが起きやすく、人間力が問われる非常に重要な時間帯
・(番外編)得点後10分〜15分 少し緊張が緩むので、重要な時間帯
つまるところ、彼曰く90分間全てが大切な時間帯とのことです。
「この試合はこのままでは終わりません。何かが起こると思いますよ」
毎回言われますが、そのまま終わることも往々にしてあり、あまり説得力のない解説の一つです。
「ゴールキーパーのプレーの7割は手以外のプレー」
ソースは不明ですが、彼自身のデータのようです。
「アテネの予選UAEラウンドでみんなが食中毒にかかった中、今野だけはかからず元気にプレーしてくれた。UAEにはいいイメージがあるのではないか」
あるわけないです。

<名言編>
「サッカーはうまさを競う競技じゃない」
「この丸いボールは想いの強い者のところに転がってくる」
「W杯は大河ドラマ(W杯は大河ドラマのように流れる)」
「このゲームは盾と矛の世界基準」
「もう1点取れれば、精神的な展開になると思う」
「魂をすり減らして闘い切った両チームのサポーターが羨ましい」

<特徴>
基本的には冷静沈着で、自身のデータも用いますが、それよりも感情や緊張、闘う姿勢などの、メンタリティを軸に解説を展開します。
意外と熱いところがあり、得点シーンでは「よっしゃ」と叫ぶこともありますし、試合終了間際での体を張った若手のプレーに対しては、褒めるを超えて「あぁぁ」と嗚咽を漏らすこともあります。乱闘シーンでは、「吉田止めろ」など、選手を名指しで呼び、指示を出すこともあります。また、違う特徴としては、当たり前のことをどや声で語る傾向があります。「サッカーはポゼッションではなく、得点を競うスポーツです」「サイドバックが追い越してきました」「今の興梠のゴールはペナルティアリア内のワンタッチシュートと言います」など。

2.対サウジアラビア戦
このゲームを「今日はアジアのクラシコ」と表現し、ゲーム前から感情の高まりを見せていました。
いつも通り、立ち上がりの15分の重要性を説き、吉田選手の顔面ブロックに対して、「気持ちの強さ。これを避けているようではこの舞台には立てない」と独特の表現で称賛していました。
その後、毎回重要と話しているセットプレーで日本が先制。もちろん予想は的中ですよね。毎回重要だと言っているんですから。
サウジアラビアにボールを握られる時間帯が長かったこともあり、実況アナウンサーが「サウジアラビアの時間帯に先制できたのは大きいですね」と話を振ると、「いやいや、流れは日本なんです!!」とキレたのが印象的でした。
その後は「新しい歴史を作ろうと思えば、新しい成長は欠かせない」「ボールを持つことよりも大切な事がある」「サウジアラビアの選手の感情も高まってきている」「水は飲むだけじゃなくて、かけたい」などと言った名言が飛び出したり、足がつった武藤選手に対してテンションの高まりを隠せなかったりなどがありましたね。
終盤には「このゲームはこのままでは終わらない」と毎度の予想が入りましたが、しっかり1-0のまま終わりました。
上記のように、かなり名言が多いゲームだったと思いますね。

3.対ベトナム戦
ベトナムの近年の進歩ぶりを「成長」というキーワードを多用しながら一定の評価を与えていました。実際のセリフとしては、「彼らの成長がアジア全体の底上げにインパクトを与えた」ですね。
ゲーム序盤は、その勢いのあるベトナムの選手たちの動きを警戒するよう、開始15分に警鐘を鳴らすことも忘れていませんでした。
この試合でスタメン出場した北川選手について、彼は典型的なボックスストライカーではありますが、「攻撃の潤滑油として2列目を活かせるのも彼の持ち味」と大迫選手と間違えているんじゃないか!?という謎の解説も入りましたね。
途中印象的だったのは、スタジアムの構造に言及をし、風の通り方や湿度、直射日光や芝の長さなどの情報を何度も何度も織り交ぜてきたところです。
このゲームでもセットプレーで得点を挙げました(VARでノーゴールに判定が覆されました)が、それについてもしっかり「このCKは一つポイントになる」と言及していたので、2試合連続の予想的中となりました。
また、堂安選手のPKの場面では、「YES!!!」と珍しく叫んでいました。可愛いですね。
冨安選手に対して、合計6回もの賛辞を送っていたのが印象的でした。
特徴としては「読む力」というワードが生まれました。彼はインターセプトをとても重要視しているので、それに関連して使用される事が多かったです。
他に生まれた名言としては「北川がもう少し膨らむ動きをしてくれれば。これプルアウェイの動きって言うんですけど。」「厳しい道のりの方が成長できる」「先発しないベテラン選手が重要。そういうものが、日本の伝統を作ってきた」「ベトナムは完全にツーブロックになっている」

4.対イラン戦
このゲームの最大の特徴は、民族的な観点を解説に盛り込んできたことに尽きるのではないでしょうか。アラブ民族と、ペルシア民族の骨格の違いについて言及を繰り返し、ペルシア民族であるイラン人はその恵まれた骨格から、フィジカルの優位性を前面に出してくることに対する警戒を常に発していました。そのイランの勢いは立ち上がりの15分で止まるといういつもの予想も出ていました。今更ですが、なぜ15分なのでしょうか。5分10分20分、更に言えば12分や16分ではダメなのでしょうか。答えは果たしてあるのでしょうか。今後の研究課題です。そういう「世界基準」のフィジカルを持つイランに対して「世界基準のチームに対して、日本がどれだけ成長できるのか」「球際の厳しさが成長に繋がる」などの成長関連フレーズが次々と出ていましたね。
その後は、あれだけイランについて褒めちぎっていたにもかかわらず、急に「イランはアジア最強だと言われているが、アジアカップも42年間優勝から遠ざかっているし、W杯でも決勝トーナメントに進出した事がない。」とディスり始め、視聴者をざわつかせました。
また、「森保監督も成長している」と一定の評価を示した後「W杯の優勝国は全て自国民の監督だった。日本も時間がかかるが、成長していかないといけない」とAll JAPANの必要性を訴えていました。
相手選手については、エースのアズムン選手については「すべてにおいて質が高い」と質を評価していましたね。
他に出た名言としては「ほんの1秒1滴の差が世界の基準では結果として表れる」「あ〜あ、遠藤かわいそうだな」「勝ったことは重要ではない。出した切ったこと。その一歩一歩が成長である。」「こういうゲームを乗り越えていって、結束して、成長していく。」
2点リードになった場面では「さぁこっから。ベルギー戦を思い出して。成長してほしい」という印象的なフレーズも飛び出しました。思い出したくないことを思い出さされてしまった視聴者も多かったのではないでしょうか。
ミスとしては、アズムン選手の暴力行為をスタジアムからペットボトルが飛んできたと勘違いしてしまったことくらいですかね。

5.対カタール戦
さて、決勝です。過密日程の中の7試合目ということで「我々も疲れている」と、思わず弱音を吐き、心境を吐露していたのが、かわいかったです。
ここまでの日本代表については「見事な修正と成長を繰り返してきた」と一定の評価。
この試合では、1試合で35回もの「成長」が生まれました。数えていませんが、おそらく「1試合の中で成長という言葉を最も多く話した解説者」としてギネス認定されるのではないでしょうか。
日本1失点目直後「次の1点どちらが取るかが重要になってくる」
日本2失点目直後「次の1点がゲームを左右する。日本が取れれば流れが変わる」「ここで1点取れれば精神的には同点になったのと同じ」「後半開始15分以内に1点返せれば流れが変わる」
と豪語していましたが、結果日本が1点返した後3失点目を食らってしまいました。3失点目以降は、大会の総括をし始めていました。ただそんな自分に嫌気がさしたのか、「最後の1秒1滴まで戦い抜く事が、次の希望に繋がる。まずこれ(セットプレー)をねじ込め」と、突然強い口調で応援し始めていましたね。
生まれた名言としては「バランスの良いメンタリティ」「ベテランの柴崎」「遠いワンタッチでは意味がない」「10メートル以内の距離感でワンタッチが入ると裏が取れる」「この1センチのブロックが、成長である」などです。

試合後の発言を羅列しました。改めて見ると、成長の数がものすごいですね。
・「よく成長した。一戦一戦成長してきたが、成功にはまだ結びつかなかった。」
・「カタールの方がもっと成長してきて、成功した。人材育成こそが希望なんだということを示したわけですね。」
・「今日の失敗は負けではない。これを成長・成功に繋げればいい。スタートラインとしては申し分ない。」
・「成長ということを掲げて、7試合やれたことは財産。勝ちたいと思う気持ちは両チーム一緒。結果は成長には結びつかない。成長を追い求めることが大切。」
・「成功ではなくて、成長を求め続けることが、最終的に人生の大成功に繋がる。」
・「テクノロジーの進化によって、よりスポーツがフェアになることで、選手たちが成長していく」
・「アリの活躍は日本の成長やアジアの成長にも繋がっていく」
・「カタールは長期的に落ち着いて成長してきた」
・「最後の1秒まで勝利を求め続けるからこそ成長がある。これは10歳以下の子供たちにとっても同じだ。」
・「未来に繋がる成長を見せた。例え監督が変わったとしてもスタイルが揺るがない、一貫したシステムを構築することが重要だとカタールを見ていて思った」
個人的には「落ち着いた成長」がフフッてなりました。


6.総括〜彼が伝えたかったこととは〜
今大会、JFAが掲げたキーワードが「若手とベテランの融合」「大会を通じた成長」でした。山本昌邦氏は、そのキーワードに則り、JFAの意向に沿う形で忠実に、従順に解説を進めた印象です。2015年大会では世代交代が進まなかった日本代表を批判するような解説を決勝戦でしましたが、この人は協会に対してどのようなポジションなのか、当アカウントでもまだ掴みきれていないのが実際のところです。
そして、一つ幸運だったのが、今回のJFAのコンセプトと、山本昌邦氏が掲げるライフワークが合致していたということです。人材育成に熱心な氏にとって、今回の日本代表の一連の動きは他人事ではなく、より自身の言葉で語る事ができたのではないでしょうか。
困難な環境に陥った時に、何ができるのか。苦しい時間帯に何ができるのか。チームのために、自分を殺す事ができるのか。こういったことを常に言及し続けていたのが印象的でした。
そして、相変わらず修正の必要性は語るのものの、何をどう修正すればよかったのか。どうしたら日本はカタールに勝てたのか。そのあたりの答えは最後まで教えてくれませんでした。
つまるところ、氏は我々サッカーファンにも「成長」を求めているのではないでしょうか。一人一人が諦めない気持ち、感情の高まりを持ちながらも、一方で現状を正確に捉え、修正をしていき、困難な状況に立ち向かっていくことで、成長していく。その結果が大成功だ。
私たちは、またしても山本昌邦氏に、人生にとって大切なことを教えられた気がします。私たちも日本代表に負けないよう、日々成長していきましょう。

最後に、山本昌邦氏の考えや取り組みについてより知識を深めたい方は、下記の講演会にご参加下さい。定員は400名。参加費は無料です。皆様のご応募をお待ちしています。
http://www.shigaku-tokyo.or.jp/training/?id=143

また、私はこのアカウントを通じて、日本サッカー界のレベルアップに少しでも寄与したいという目的があります。
今回のブログはその一端、しかけにすぎません。
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@last15minutes_



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