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泣くほどじゃないけど、哀しい気持ち|詩

じんわりと心に巣食う哀しみよ

追い出しても、追い出しても、いつのまにか戻っている

わたしのことが大好きな哀しみよ

ふとしたときに、心の中で

わたしをつかんではなさない あなたを

どうしたらよいのだろう


わたしをまた戸惑わせる哀しみよ

わたしはひとと違うのだと

うまくやれないのだと

だったら、距離を置くのが道理でしょうと

割り切り、そうして、またこころにひとつ

ぽたりとおちる哀しみよ



わたしは哀しみを愛せるだろうか

哀しみは私を愛してくれるのだろうか


身体の芯にしみわたる

確実にそこにいる哀しみよ

指先にじんわりと

腕をつたって

背中をつたって

そうして辿り着く先は

胸の奥深くのどこか

いつか、はらりとほどけて

ただ鳥肌がたつように

体を震わす

寒気に近い

哀しみは寒気なのだろうか

何度も何度も身体がふるえる


哀しみよ

そうして私を哀れんでくれるのでしょう?

なにも理想通りにいかないわたしを

哀れんでくれるのでしょう?

寄り添ってくれるのでしょう?

哀しみよ

話をきいてほしい

生きていくのがつらい

つらいのだ

哀しみよ

どうかわたしを救ってはくれないか

寒くて死にそうなんだ

いまにも死にそうなんだ


哀しみはまた、じんわりと身体にひろがって

わたしとともに、ただあるだけ

哀しみの声を聞く

よく耳をすます

なんと言っている?

なにか話している?

そうして集中しても

かえってくるのジンとした寒気だけ

哀しみはただ見つめている

わたしが泣き出すことも

わたしが怒り出すことも

ないと知っているから

ただただ見つめている




自省をしている時、たまに寒気を感じる。
風邪をひいてるわけでも、部屋が寒いわけもない。
これを「哀しみ」と呼んでいるが、正体はわからない。
どこか憐憫とした何かが、さめざめと、心や体に広がる。

今日は、久しぶりに「哀しみ」が現れた。
このまま雲散させるのも、もったいない気がする。

せっかくなので『詩』として遺そうと思います。

ただ「恥ずかしい」って気持ちが上回っちゃったら、
音もなくスッと消えてると思う。

たまにはこんなのも、いいカモね。

と、あとがきを書いている間に、すっかり雲散してしまった哀しみくん。
次は、いつ戻ってくるかな。





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