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【interview09】いざという時誰かが応えられるように。

今回のゲストは0歳から100歳まで、誰一人として孤立しない地域づくりを目指す、地域互助力向上ネットワーク『0-100地域の輪』代表の中島直子さんです。ベビーマッサージやリトミック講師として、直子さんのことをご存じのお母さんも多いはず。

直子さんがベビーマッサージやリトミック教室を開くまで、たくさんのお母さんと話してきた中での子育て支援の課題をインタビューさせて頂きました。

自宅教室が始まり

子育ての悩みは、理想と現実の開きが大きければ大きいほど悩む

唐津という誰も知り合いがいない土地での子育てだったが、直子さんは積極的な性格もあり、同じアパートの住人にスイカ食べようよ、お茶しようと自らコミュニケーションをとりながらお友達が増え、同じような境遇のお母さんたちとの出会いがあり、自分の子育てと出会うお母さんたちの子育ては常に並行にあった。

成長の過程にどうしたらいいかわからない。子育てについて学んでいるのにどう実践したらいいか分からない講師としての自分。お母さんの悩みを聞きつつも、自分の悩みの共有もしながらお母さんたちとコミュニティが出来ていった。これが「子育て支援」のスタートだと。


唐津でベビーマッサージを広める

独身時代の直子さんは、故郷である、大分別府にあるメジャーな温泉施設内で凝り固まった肩や腰などをマッサージしてしリラックスしてもらうリラクゼーションマッサージを仕事としていた。

そこから結婚し子どもが産まれてから知ったベビーマッサージ。赤ちゃんのマッサージって何?赤ちゃんだから力いらないよね?どんなマッサージなんだろう?と興味がわき体験に行った。

我が子と一緒にいながら働けるなんて素敵!そう思い、ベビーマッサージの資格をとって当時まだ唐津では流行っていなかったこともあり資格をお伝えできる資格も取り、ベビーマッサージを広めることができた。

その後は音楽が好きで歌うことも好きだったこともありリトミックの資格をとった。リトミックとベビーマッサージを両軸に自宅教室から公民館講座、保育施設へと活動場所を広げ約15年、現在も活動は続いている。

お母さんを何とかしてあげたい

自らの体験もあり、お母さんが笑顔になれるようなお手伝い、時間や場所の提供ができたらいいな「お母さんをなんとかしなきゃ」この一心で活動をしながら8年ほど経って、自分の子供たちが成長し自身の子育てが落ち着き出したころ、教室に来るお母さんたちの大変さは、自身が子育てをしていたころと変わっていないことに気付いた。「母親支援」以上の何かが必要なんじゃないか?と視野が広がり考えるようになった。

多世代交流

子どもの成長とともに、悩みも大変さも変わる。歳を重ね子育て以外にも家族の健康のこと親の介護のことなど関心や問題が出てくる。これからは年を重ねていくことを意識した暮らしが大事なのではないだろうか、その想いから生まれたのが「地域互助力向上ネットワーク0-100地域の輪」だ。

産前産後の役に立てればいいなという想いで、掃除代行などの依頼ができるある企業に勤めたことがあった。産前産後の掃除や料理を手伝いたい、少しでもお母さんを寝かせてあげたい、そう思ったが利用するお母さんはいなかったように思う。一人暮らしの高齢者や共働きのご家庭など「お母さん」以外のいろんな家庭、暮らしに触れ、知ることができたことは多世代交流を考え、0-100地域の輪を発足するのにいい経験になったという。


互助を育んでいきたい

地域包括ケアシステムが効果的に機能するために、次の「4つの助(自助・互助・共助・公助)」がある。

自助とは

自分で自分を助けること。自分の力で住み慣れた地域で暮らすために、市場サービスを自ら購入したり、自らの健康に注意を払い介護予防活動に取り組んだり、健康維持のために検診を受けたり、病気のおそれがある際には受診を行うといった、自発的に自身の生活課題を解決する力。

互助(近隣)とは

家族・友人・クラブ活動の仲間など、個人的な関係性を持つ人間同士が助け合い、それぞれが抱える生活課題をお互いが解決し合う力
相互に支え合うという意味では「共助」と共通するが、費用負担が制度的に裏付けられていない自発的な支え合いであり、親しいお茶飲み、仲間づくりや住民同士のちょっとした助け合い、自治会など地縁組織の活動、ボランティアグループによる生活支援、NPO等による有償ボランティアなど幅広い様々な形態が想定されます。

共助(保険)とは

制度化された相互扶助のこと。医療、年金、介護保険、社会保険制度など被保険者による相互の負担で成り立ちます。

公助(行政)とは

自助・互助・共助では対応出来ないこと(困窮等)に対して最終的に必要な生活保障を行う社会福祉制度のこと。公による負担(税による負担)で成り立ち、区が実施する高齢者福祉事業の外、生活困窮に対する生活保護、人権擁護、虐待対策などが該当します。

直子さんはあの人大丈夫かな、、と気にかける、顔なじみで親しくなればなるほど温かい気持ち、社会になるといいなぁと「互助」を大切にしている。

そぞれに関心事があって、自分の人生を歩んでいる。直線道路のようなイメージだったものを、孤立していることに誰かしら気づけるような輪の中で生きているイメージを直子さんは考えている。

スチューデント・サポート・フェイスとしての活動

イベントや音楽活動、子どもや若者から年齢問わず幅広く困難を抱える人たちをサポートするSSF(スチューデントサポートフェイス)の職員としての役割など、人や地域をつなぐための活動を広げる直子さん。

孤立する人に特別に何かできることをするのではなく、一人一人関わることで、何かのタイミングで思いがけず誰かの役に立つことがある。誰もがそうなれるようなゆるやかなつながりを広げていけたら、そのようなつながりなら自分もできるのではないか、と学び活動されています。

公式ページはこちら→スチューデント・サポート・フェイス

男女共同参画推進市民提案事業

お母さんたちの声を、市民の声を上げたい。現在唐津市在住の100名限定×100名目標でヒアリング調査をしている。唐津市の地域福祉計画書の元の1つになる大事なアンケートの回答で集まるの6割が60代以上の回答者。その年代の関心のある内容は高齢者福祉となる。年代層で関心事は違う。多世代を意識した直子さんの今までの活動で繋がった人たちの世代の声を集めて、見える化し市政にあげることで、自分の声が届いた!と関心をもてるものにしたい。


子育て支援の課題

子育てに限らず、悩みが個人での選択、決定、解答、自己完結型に収まってきている。

子育ての指針は人それぞれ、選ぶ情報も正しいと思うことも違う中で、答えのない支援を行い続ける中、100%の正解を贈ることはできない。

直接話して子育ての経験や体験を共有するまでに至らないお母さんたちが増えていることがここ数年の課題。それぞれが各々の導き出した答えで完結しているから、いろいろな考えをもった人と触れ合う機会が少ない。自助の育みが難しい状況、環境になっているのかもしれない。

子育てに成功ってない

描いた理想、かけた愛情に比例するだろう、そう思って正しいと思ってやってきたことも、子どもにとっては正しくない、あの時もっと一緒に居て欲しかった、話しを聞いてほしかったとなるかもしれない。

お母さんが子育てをしながら、何を目的に、どんなことに悩んでいるのか、お母さん自身が自分に関心をもち、辛いとき困った時、いざというときに助けを求めることが大事。いざというとき、誰かが応えられるように、だからこそ人同士が繋がり話す場作りに終わりはない。これからも直子さんは孤立を少しでも減らせるよう人々の接点となり、コミュニティの輪を広げていく。

インタビューを快諾くださりありがとうございます。


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心理セラピスト 野崎めぐみ @nzkamak2010
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