見える化しちゃダメだ

以前、破産者マップの話を書いた。破産者の住所・氏名を官報から取ってきて、グーグルマップ上で可視化したものだった。出現してすぐに大問題になり、4日くらいでサイトは閉鎖した。

今日、仕事で国会の会議録を調べていて、破産者情報と同じくらい「それは見える化しちゃダメだ!」と思うものを見える化しようとしている発言にぶちあった。

その議員は、裁判の様子をテレビで生中継すべきだ、と言っていた。国会の委員会の様子もテレビで生中継されるのだから、裁判を生中継できない理由はないはずだ、と。

(ちなみに、国会の会議は、本会議と委員会に分けられる。法案は、まず委員会で議論され、その結果が本会議で報告される。最終的な採決は本会議で行うが、ここで議論をすることはない(「登壇もの」と言われる重要法案を除く)。各々が一方的に自説を展開するだけの「討論」はやる。
常識かもしれないけど、私は仕事に就くまでほとんど分かっていなかったので、念のため)

確かに、裁判は公開されている。裁判所に行けば誰でも法廷に入って傍聴することができる。実際、傍聴マニアの人たちもいる。

でも、ほとんどの法廷には、関係者しか来ない。傍聴人が誰もいない法廷だって珍しくない。だから、公開されていてもあまり問題になっていない。

しかし、いくら公開されているからといって、テレビで生中継されてお茶の間に流されたり、録画されたりすれば、大問題だ。
訴訟をやりたい人なんてほとんどいない。たぶん、そんな状態になってしまったことを「恥」だと思っているだろう。それを生中継されて良いはずがない。

破産者情報も、裁判も、公開はされている。誰でも見ようと思えば見られる。でも、それが、自宅のパソコンやテレビで手軽に見られたら困るのだ。

この微妙な塩梅が、ネットの発達で急速に危うくなってきているように思う。さて、これからどうなるのかな……?

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10

新月

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