船の骨骼標本

先日、銀座にある銀座シックスに行ったら、船の骨骼標本が宙に浮かんでいた。

もちろん、これは船を模したオブジェだ。本物の船ではないし、船の残骸ですらない。

でも、まるで、船の骨骼標本のようだと思った。絶滅してしまった鳥の骨骼標本のような。

この船は塩田千春さんというアーティストの作品で、「時を運ぶ船」なのだそうだ。震災や空襲などの困難を乗り越えて復興を遂げてきた銀座の「記憶の海」を、6隻の船が出航し、進む様子を表現しているらしい。

私には、人間が滅びてしまった後の世界、もう船を使うものがいない世界に漂っている、「かつて船だったもの」に見えた。

商業施設だから人がたくさんいるはずなのに、糸のような雨に遮られて、何も聞こえない。人間が滅びた後の世界は、きっとこんなふうに静かだろう。

銀座シックスが創業2周年ということで、記念にパティスリーパブロフのパウンドケーキをもらった。それなりに銀座シックスを利用している「お得意さん」へのプレゼントらしい。

確かに、1週間か2週間に1回、銀座シックスに来ている。地下1階にあるジムに通っているからだ。

あとは、ジムの前後に、6階にある蔦屋書店に行くくらい。アーティスティックな本が多くて、本の並べ方もアーティスティックで、好きな本屋だ。配置がアーティスティック過ぎて、目的の本にたどり着けた試しがないけど。……のんびりと新しい本を探すには良い場所だ。

ジムと本屋にしか行かない人間がデパートの「お得意さん」でいいのか、と思ったが、もらえるものはありがたくもらった。パウンドケーキはおいしかった。

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新月

名前が「新月」なのは、新月の夜に生まれたから。 弁護士、ときどき写真を使った文筆家。その実体は、ただのオタク。いろんな職場を放浪しています。
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