「SaaS営業/マーケ戦略の前にプロダクトに向き合おう!」とよく言われるけど、どうやってプロダクトに向き合ったらいいのか。

SaaS事業を運営する上で重要なフレームワークで、マーケティング指標の「ユニットエコノミクス」、セールスプロセスの「The Model」など様々な考え方が情報流通しています。しかしながら、これらのフレームワークは考え方の手法の1つで、形から入ることはとても危険です。

というようなことをまさに「The Model」発祥者の福田氏が発言しています。SaaS事業を始めたから、カスタマーサクセスやインサイドセールスにいきなり着手する前にビジネスモデルやプロダクトの性質を考える必要があるのです。

「でも、どうやって考えたらいいのか?」の指針を少し書いてみたいと思います。つらつら書いてみたいと思います。

プロダクトは、Horizontalか?Verticalか?

まず大きな要素がプロダクトがHorizontal SaaS(業界を問わず、一定の部門/機能に特化したSaaS)か、Vertical SaaS(一定の業界に特化したSaaS)かの違いです。

業界に特化したVertical SaaSの場合には、営業先のリテラシーの問題でインサイドセールス(オンラインセールス)に馴染まない場合もあり、自ずから営業戦略は決定づけられている場合も少なくありません。業界構造を理解してコンサルティング営業に近くなる場合も多く、パートナーモデルよりも直販モデルに優れていることが一般的です。

Horizontal SaaSの中でも、プロダクトの持つ営業先は重要です。例えばSmartHRの場合には自ずと営業先は人事労務分野(と上位経営者)となります。マルケトの場合にはマーケティング部門(と上位経営者)です。しかしながら、業種のみならず、導入部門が複数に分かれるプロダクトもあります。私たちのクラウドサインも法務部門はむしろ少数で、営業部門、人事部門、情報セキュリティ部門、購買部門など、導入部門が多岐に渡り、自ずと営業戦略も変わってきます。

全社導入か?部門導入か?

プロダクトの性質に応じて全社部門導入が必須なサービスと、基本部門導入なサービスがあります。例えば、ワークフローシステムや勤怠管理サービスは、基本的には全社導入型のサービスです(この場合、プライシングもIDライセンス課金に馴染む)。Gsuiteなども典型的な全社導入型です。

一方で、基本的に一部門で導入するようなサービスもあります。カスタマーサクセス商材やマーケティング商材が典型です。これらのサービスはプライシングもIDライセンス以外の従量課金に馴染みがあり、導入後のオンボーディングこそが重要になっていきます。利用されないと意味がないですからね。

プライシングは、セルフサーブ型かコンサルティング型か

営業戦略は、一顧客当たりの生涯顧客価値(LTV)により、かけられる一顧客獲得当たりコスト(CAC)はおのずから決まってきます。月980円のサービスに訪問営業やコンサルティングサービスを無償で行うことはできません。だからこそ、freeeなどの低単価SaaSの場合、顧客獲得施策はマーケティング活動によるセルフサーブが中心になります(最近強化しているエンタープライズ型freeeは戦略が異なりますが)。

ここら辺は以前詳しく「bellFace Inside Sales Meetup 2019」にて発表したことがあります。詳しくは、こちら

プライシングは何に比例しているか

プロダクトの価値は、プライシング設計を見ればわかりやすいです。IDライセンス数に応じた課金体系か、機能差に応じた課金体系か、利用頻度に応じた課金体系かなどです。

最近のトレンドはIDライセンス数に応じた課金体系ではなく、利用頻度に応じた課金体系と言っても良いでしょう。なぜそれがいいかと言うと、顧客が利用することと収益が増加することがイコールになり、サービサーからするとカスタマーサクセスに投資することが収益に直結するインセンティブが生まれることです。サービサー側がモラルハザードを起こしにくくなり、会社のカルチャー構築の容易さ、人材獲得の観点から望ましいからです。

そうすれば、プライシング設計がカスタマーサクセスを内包しており、自ずからカスタマーサクセス型組織になるのです。

API型プロダクトか?スタンドアローン型プロダクトか?

最後に重要な観点。サービサー側も気づいていない企業が多いです。API型プロダクトかどうかの見極めです。

見極め方は複数あるのですが、業務フローの前後との接着性から判断します。例えばクラウドサインの場合には契約締結前に行う契約書審査フローや、契約締結後の契約管理といった業務フローと密接に関連します。典型的なAPI型プロダクトです(スタンドアローンでも機能するので評価が難しいのですが)。その他にも、SendGridやStripeなどAPIを前提としたプロダクト作りで伸びているユニコーンSaaSが増えています。

一方で、ベルフェイスなどは典型的なスタンドアローン型でしょう。インフラを電話に依拠し、ベルフェイス単体で画面を動かすプロダクトだからです。

これらのプロダクトの性質で重要なのはパートナーモデルです。スタンドアローン型はその性質上直販モデルになりやすいですし、API型はパートナーモデルになりやすいです。パートナー選定は他にも情報セキュリティに傾斜がかかっているかなど、いくつかの要素が絡み合うのでシンプルではありませんが、戦略と密接に関連します。

3行まとめ

・フレームワークを学ぶ前に、自社のプロダクトと向き合おう
・プロダクトの向き合い方にもフレームワークがある
・営業/マーケ/カスタマーサクセスの戦略はプライシングに現れる

以上です。

クラウドサインは、SDR、BDR、フィールドセールス、カスタマーサクセス、エンジニアなど全職種積極採用中ですのでご興味ある方お話だけでも、お願いいたします〜m(_ _)m


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橘大地

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