SaaSのプロダクトロードマップ作成手法。SaaS特有のプロダクトストラテジーとマーケティングプランニングの相互影響について。

ゴールデンウィークの時間を利用して、マーケティングに関する体系的学習と、クラウドサインにおけるマーケティングプランニングを設計していました。その中で見えてきたのは、マーケティングと製品開発の相互影響です。

国産SaaSは情報があまりにセールスよりの情報ばかりになってしまっています。肝心要のプロダクトに関する情報があまりありません。理由は明快で、SalesforceやMarketoなどセールスオペレーションに関するSaaSが隆起しているため、国内での情報発信もセールス寄りの情報が伝搬されています。

肝心のプロダクト関連の情報はというと、「顧客の声はそのまま聞かず、汎用的なニーズかどうかを探る」とか「プロダクトフィードバック手法」といった当然のような手法しか伝搬しておらず、より戦略立てて製品開発を行う必要があると感じていました。

マーケティングプランニングと製品開発

マーケティングプランニングでは、当然ながら業種/従業員数/地域などのセグメント毎のターゲット・マーケットの設計、同セグメントにリーチする媒体選定、リーチを効果的に行うクリエイティブ・ブランディングを行う必要があります。消費者向け商材よりも、BtoB SaaSの方がセグメント管理が比較的容易のため、割と早い段階からプランニング設計を行うことが可能です。

クラウドサインの場合にはそう単純でもなく、金融業界、不動産業界、人材業界、建築業界、IT業界、士業など幅広い業態にリーチできるプロダクトであり、業界の中でも人事向け、営業向け、総務向け、法務向けなど、営業先が非常に幅広く比較的ターゲット・マーケットの設計に時間を要します。ターゲット・マーケットは、●●と●●(以下の記事などから推理してください)としています。これは時流の外部環境が大いに影響していくため、日経新聞を日頃から読むなど外部環境に強いマーケターの存在が必ず必要です。

コモディティ製品の場合には、ここから媒体選定とクリエイティブ・ブランディングに移ることになります。タグライン設計を行い(例えば、「これまでにない名刺管理」から「名刺管理からビジネスが始まる」のようなタグライン)、そして媒体毎にクリエイティブを設計していきます。

しかしながら、特にSaaS製品(SaaS製品に限らないが、終わりなき製品開発を行う特質上、SaaSがとりわけ重要となる)の場合、この間にプロダクトストラテジーが介在いたします。あなたの会社はマーケティングの部署が、きちんとプロダクトの開発計画に関与してますでしょうか?

消費者向け製品ではコモディティ化した市場では、マーケティングプランニングで差別化を図る手法は一般的ですが、本来コモディティ化しないためのテクノロジーにおける差別化を図るのが優れたマーケティング手法です。競合製品に比べて何が秀でているのか、あるいは負けているのかを分析し、差別化するための製品開発を行う必要があります。これが次なるマーケティングプランニングにも直結いたします。

しかしながら、プロダクトストラテジーはそんな単純にもいきません。必ずしもターゲット・マーケットの潜在顧客向けだけに製品開発するわけにもいきません。既存顧客の声や、企業のミッションを叶えるディスラプティブな製品計画を発表する必要性もあるからです。

そこで重要なのが如何なる方法で、プロダクトストラテジーを行うかです。クラウドサインの今後の製品計画をご覧ください。

プロダクトストラテジーをマーケティングに反映する

国産SaaSの製品計画では、まだまだ創業者の情熱によって次なる製品計画が練られている企業が多いと認識しています。多くの場合、間違いではありません。しかしながら、顧客の数が膨大となると、創業者自らが営業活動や既存顧客に会うことが難しくなってくるため、創業当時の顧客の声と現在の顧客の声をの認識差分を適切に把握することが難しくなり、チームで製品計画を練る必要が生じます。これもまた進歩です。

クラウドサインでは一定の価値に基づいた製品計画を行なっております。競合も自分の記事を見ていますから、ここでは秘匿させてください。以下のように各ファンクションのリーダーたちで古民家を貸し切り、チームで次のロードマップを策定いたしました。実際の合宿時の画像です。

そうして決定した製品計画を、またマーケティング部門に戻してマーケティングプランニングを練り直します。クラウドサインの場合には自ら開発した製品とともに、パートナー企業と共に製品強化を行う手法も採っていることから年間のマーケティングプランが年初にはある程度わかっている状態になっています。

そこから逆算して、何の製品を如何なる手法でターゲット・マーケットに届けるかを判断することになります。

例えば年に1回のプライベートカンファレンス「Cloudsign Day」ではslackとのアライアンスを発表し、同日に製品リリースもいたしました。これは外部記者も誘致していましたので、早速外部メディアに記事化されました。

また、2019年6月以降に始まる、不動産賃貸借契約の電子化社会実験に従来から関与していたため、これに対する不動産業界への働きかけは不動産業界紙にインタビューを行なっていただき、ターゲット・マーケットにリーチすることができています。

下の記事はウェブ版ですが、新聞紙紙面にも掲載され、定期購読されている新聞に大々的に取り上げていただくこととなりました。Horizontal SaaSの宿命で、ウェブ記事だけでなく、業界紙に取り上げられるマーケティング戦略が必要になるのです。そしてここで重要なのが、不動産業界に適した製品計画を記者を通して価値観を伝えていくことです。

例えば不動産業界では顧客のメールアドレスは知らず、電話番号しか知らない場合も少なくないため、SMSでの締結手段を用意することを製品計画に入れ、インタビュー時にも訴求していくことになるのです。

まとめ

以上のように、プロダクトストラテジーを練る上では、マーケティング部門が策定したターゲット・マーケットを前提とした製品計画が必要となりますし、製品計画を策定した後は、同製品計画をどの媒体にどのような手法でリーチさせるかのマーケティングプランニングが必要になるのです。

だからこそ、マーケティング部門とプロダクトディレクター部門が日々密接にコミュニケーションを取る必要があるのです。よくある事例は、プロダクトディレクター部門がセールス部門とカスタマーサクセス部門とばかりコミュニケーションを取っている事例です。間違いではありませんが、製品計画は大きく外れてしまうでしょう。

クラウドサイン社員の宣伝

これらのマーケティングプランを練っているのが昨年入社いただいた夏目さんです。前職ではマスマーケティングの実施計画を策定し、実施までリーダーとして行っていただいてました。夏目さんをフォローいただければ、日々のクラウドサインのマーケティングプランニングが垣間見えるかと思います。


そしてクラウドサインでは、プロダクトストラテジーとマーケティングプランニングを高いレベルで策定できる人材を引き続き募集しています。ディレクターポジションもマーケティングポジションも、他にも多くの職種を常に採用枠として設けています。以下の採用資料を公開しておりますので是非ご覧くださいませ!




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橘大地

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