ウイニングイレブンの販売実績からみる、スポーツゲームに対するライセンス権問題。

ワールドカップ真っ只中ですが、今回もスポーツビジネスについて書いていきたいと思います。今回は少し変わり種で、サッカー関連のゲームビジネスについて解説していきたいと思います。

子供の頃は、「プライムゴール」や「ウイニングイレブン」などのサッカー操作ゲームと、「サカつく」などのサッカー経営ゲームの2つのジャンルが人気を博していました。

プレイステーション時代のウイニングイレブンは50万本を超えるのヒットを飛ばし、プレイステーション2時代を迎え、100万本を超えるメガヒットタイトルにまで成長いたしました。しかしながら、その後は「ウイニングイレブン2008」で100万本を超えたのを最後に、売上は右肩下がりに落ち込んでいます。

最近では「国内」におけるサッカーゲームの売上ですら、EA SPORTSが提供する「FIFA」シリーズに抜かれそうな勢いとなっています。以下は「FIFA 18  2018 FIFA ワールドカップ」の 公式トレーラーです。

全世界における販売本数の違いは、より顕著です。FIFAが1500万本を超える販売本数に対して、ウイニングイレブンは200万本弱となり、その差は明確になっています。

スポーツゲームに潜むライセンス獲得の難しさ

ウイニングイレブンの売上が伸び悩む理由の一つとして、もちろんEA SPORTSの出現が大きいのですが、その背景に権利関係の難しさも挙げられています。こちらの記事をご覧ください。

The 2018 UEFA Champions League final in Kyiv will mark the end of a very successful and fruitful 10-year partnership between Konami and the UEFA Champions League. 

(上記ウェブサイトより引用)

UEFA(欧州サッカー連盟)からの発表で、コナミとの間で10年間にも及ぶライセンス契約を締結していたが、2018年4月にライセンス契約の終了が発表されています。選手名、クラブ名、UEFAチャンピオンズリーグのロゴ、アンセムといった、実際のUEFA所属リーグのサッカーをゲーム上でも再現することができていましたが、今後は正式名称等の利用ができなくなりました。経緯としては、2015年にライセンス契約の延長がされていましたが、この度再延長がなされずに契約終了となったのです。

コナミからも、こんなTweetがなされ、話題となりました。

また、各国リーグのライセンス契約も苦戦しています。ウイニングイレブン2018では、欧州5大リーグの中で、フルライセンスはフランスのリーグ・アンのみとなっており、人気のプレミアリーグやリーガ・エスパニョーラに至っては大半のクラブチームが実名利用ができていません。チェルシーやレアル・マドリードといった超人気クラブも実名利用ができておらず、かなりの苦戦が強いられています。

一方、EA SPORTSのFIFA2018は、欧州5大リーグがほぼフルライセンスで収録されています。

スポーツゲームにおける実名利用の重要性

スポーツゲームにおいて、実名利用の重要性は語るまでもなく、重要です。サッカーゲームのみならず、昔は競走馬の馬名利用について紛争にまで発展したケースもあります。

弁護士であれば一度は学習済みの著名判例で、「ギャロップレーサー事件」という事案があります。これは競走馬にパブリシティ権が発生するのかという法的論点で著名なのですが、ゲームビジネスからみても、実名利用の可否に関わる重要な事案となりました(結果はゲーム会社側の勝訴)。

ここからは各スポーツゲームにおける実名利用の有無と、スポーツリーグ側目線で、どのようなライセンス配分を行うのが適正なのかの観点から分析していきたいと思います。

------------------------------------------------------
ここから先は、有料コンテンツになります。このノート単品を480円、あるいは、月額980円のマガジンをご購入ください。有料マガジンは、1ヶ月あたり4本程度の有料ノートが追加される予定です。

マガジンは初月無料です。月末までに解約すれば費用はかかりません。有料版をご購入いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。

・プロ野球ゲームから見る、ライセンス処理
  プロ野球におけるライセンス
  日本野球機構が認める承認ゲームメーカー
  選手の肖像権問題。肖像権保有者は各選手か、球団か、プロ野球機構か
・他の人気ゲームから見る、ライセンス処理
  ダービースタリオン等の競馬ゲーム
  みんなのGOLF等のゴルフゲーム
  ストリートファイター等の格闘技ゲーム
・ライセンスホルダーから見るライセンスビジネスの可能性
  MLBのギャランティーとroyalty rate
     マスコットキャラクターのフリー化戦略

この続きをみるには

この続き:3,976文字
記事を購入する

ウイニングイレブンの販売実績からみる、スポーツゲームに対するライセンス権問題。

橘大地

480円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

お読みいただきありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ

(´ー`)ノ⌒θ
11

橘大地

スポーツビジネスのビジネスモデル/KPIを理解するマガジン

スポーツを事業化/ビジネス化する上で必要となるフレームワーク/KPIを解説していきます。野球、サッカー、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケー、E-Sportsなどのプロスポーツを中心に題材にしていきます。また、マラソン、フットサルなどのアマチュアスポーツ...
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。