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懐古?回想?

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心臓が14億回動いてる

心臓が14億回動いてる

先月誕生日を迎えた。
また今年も慌ただしく過ごしている。
社会人として過ごした年数の方が長くなっていることに気づく。

計算すると生まれてから14億秒、
息をしてる。

なんだかすごいなぁ、私の心臓。
これからも頑張ってくれ、私の体。
いろいろ忘れないでくれ、私の記憶。

雨の夜に思うコト

雨の夜に思うコト

競え!ただ、争うな
戦え!ただし乱れるな

目を見て話せなくなった時
つきたくない嘘が始まる

顔を見て気持ちを汲めなくなった時
関係性は終わりを迎える

芝生に生える紫陽花のように
加工された思い出になるのだろうか

せめてあともう少し
もとの形を保ってほしい

となりとなりけり 

となりとなりけり 

少し 少し? 思い出してみる 思い出を
告白 告白? 君にしたっけな してないか

カーテンを閉めようとすると
聞こえて来る君の連弾
もう宿題を終えたんだなって
慌ててノートを広げる僕

壁を相手に球蹴りをすると
今度は君がカーテンを閉める

好きなものが違うのに僕らはなぜ
見つめあったんだろう
いちばん近いのが君だった
今やっと言うよ 運命にありがとうって

となり となり? 知らないよ 知って

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見ず言わず聞かず

見ず言わず聞かず

夢が手の届くところにあったから
何もかも捨てることができる
そう思ってたあの頃
なのに命も捨てられないままに

震えながら毛布に包まり
瞼を閉じても右へ左へ
走り回る光たち
どれを追いかけるか悩みながら朝を待った

何を見て、
何を伝えて
いったい何を聞いただろう?

僕の中に映し出した誰かに
囁くように尋ねるんだ

忘れるにはどうしたらいいと

懐古主義のクリスマス

懐古主義のクリスマス

悪い癖だ。
あの時は楽しかったなと特別な日が訪れるたびに、
思い出を蒸し返す。

忘れそうになっている場所や相手の名前や会話の断片を記憶の淵から摘み上げる。

それは幼少時代だったり、学生時代だったり、
社会人一年目だったり、一昨年だったりする。
ランダムに、そして瞬発的に湧き上がる記憶に対して埃を払うように印象を取り戻す。

その度になぜか悲しくなる。
記憶よ、これ以上薄れないでくれと願う自分に

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冬の嵐とノイズキャンセラー

昨日に比べて気温が下がらないのは、
土砂降りという言葉ですら足りないほど
激しく殴りつける冬の嵐のせいなのか。

厚着をして家を出たことを悔いながら、リュックを胸元に抱きかかえ、役に立ちそうにない傘を進行方向に大きく傾け、身を縮めて潜り込み、駅を目指す。

誕生日のプレゼントで貰ったAirPodsをポケットから取り出して耳につける。スマホに接続した途端にノイズキャンセラーが作動する仕組みだ。

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A live entertainment will changes our life while we live.

A live entertainment will changes our life while we live.

耳鳴りが酷い。

切れる前の蛍光灯のような音が右耳から聞こえ、
大きなクラクションを鳴らされた後に世界が包み込まれるような音が左耳を覆い続ける。

もう間も無く耳が聞こえなくなるのではという不安と、いっそ無音になってくれないかというストレスとが交互に脳裏でループする。

・・・。

気づくと自分は睡眠中だった。
瞼を開け、変わらぬ症状にうんざりして起き上がった。キッチンでコップ一杯の水を注ぎ一気に

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追懐ひとりたび

追懐ひとりたび

初めての一人旅を追懐しよう。

それは僅か1時間半の旅だったのだが、小学3年生の夏休み、初の一人フライト。母の故郷、別府にある従弟の家に滞在した時、私は母に駄々をこね、一人で帰ることを約束して母を先に帰らせた。毎日温泉に入り、真っ青な海で遠泳し、深い緑に覆われたダムに忍び込み魚釣りを楽しんだ。

大分空港には親戚が見送りに来てくれた。みんな笑顔だったが私だけが泣いていた。「泣かんと。乗ってしまえば

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みなもととみらい

みなもととみらい

なぜ手書きの手紙を大切にするのか。

それは、祖父が習字1枚を20分くらい悩んで書いていたから。

なぜ文章を恥じらいもなく書けるのか。

それは、大嫌いだった国語の先生に読書感想文を褒められたから。

なぜクリエイターを応援したいか。

それは、大好きだった音楽の先生にあなたは音痴だから歌わないでと言われたから。

『表現するコト・モノ』への動機や衝動は、「きっかけ」や「縁」でいくらでも変わって

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Teenage Fanclub - The Concept

いよいよ明日
何曲泣くかな
わたしの青春

路線図

路線図

上京していつの間にか20年が過ぎた。
人生の半分以上を東京で過ごしていることになる。
食い潰されていく記憶のほとんど全てが田舎での生活。
学び、遊び、人と繋がり、そしてたくさんの夢を描いた。

社会人になり20年以上経った今、立ち止まる機会に恵まれた。
いつの間にか、自分が何をやりたかったのか、忘れていることに気付いた。
いつの間にか、誰が大切なのかを考えなくなっていることに気付いた。
そう、い

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天井に向かって手を伸ばす。
手首を外側にひねる。
頬の輪郭を撫でるように。

鼓動に悩みを打ち明ける
明日も悔いるくらいならと。
耳鳴りに意識を傾けたら
どろっとした記憶の蓋が開く。

写真を見返し恥じるように
言葉を紡いでも同じなのか
ただ忘却への抗いなのに
薄れる感情を堰き止めたい