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僕の世界に虹なんて

1年前の今日、3月1日は、私がLaynメンバーとして発表された日、
それと同時に、大切にしてきた場所の終わりを告げる日でもあって。


私はただ嬉しいとも、清々しいなんて言葉も言えなくて、

その時は前向きな気持ちよりも、
現実になった、という事実をもう一度受け止めて、本当は見たくない批判や悲しむ人の顔を見る負担や、衝撃の方が大きかった。

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あの日に隣にいてくれた、私の中でのLaynって存在はまだ今よりなんでも話せる関係ではなくて、

ついに動きだした私達の世界を喜ぶ声ばかりの中、
私は1人だけ明るい顔をしていなかったから、
きっと気を遣わせてしまったと思う。

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それでも表に出す顔は、前に踏み出した私は誰よりも明るくいなきゃいけなくて、
無理して笑ったような前向きな言葉を呟いて。

新しい始まりが、大切にしてきたものを失う日になるのは悔しかった。


純粋に喜べない自分も嫌で、
でも遂に踏み出せたんだ、っていう期待やドキドキもあって。

今から始まるものと、これまで積み重ねてきた大切なもの、
これからだっていうことは分かっていても、
その時の私にとってはもちろん、これまでの思い出の方が大切だった。

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私は今まで支える側だったから、
弱い部分はずっと一緒にいる仲間にも見せられなくて、
明るい言葉を重ねて自分を奮い立たせて、
気を張ってないと倒れるからと必死に生きて、

大切だったから、永遠であってほしかったから。
それでも守れなくて、悔しかった。

幸せにしたいはずのみんなに、
結局寂しい思いばかりさせてしまったのがすごく悔しくて、
私はみんなのために何ができたんだろう、って無力感でいっぱいだった。

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だからこれからに期待したくて、Laynに入った新しい私に、もう一度賭けてみたいと思った。

それでも変わってしまったらもう戻れない、という迷いや不安も感じたし、
当たり前だけどこれから上手くいく保証はない、


自分から踏み出したくせに、
これまで大切にしてきた存在にまだ縋っていたい気持ちも大きくて、

1人で寂しさや申し訳なさとか、嬉しい日のはずなのに幸せだった思い出で溢れてしまって、

戻りたいなんて叶わない夢だし、居場所をもらった私が願ってはいけないことなのに、どうしようもなくて1人で泣くことも多かった。

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踏み出しても結局1人で立っている気がしたから、
自分でよく頑張ったね、間違ってないよって言い聞かせることに精一杯で、

幸せな人の前で悲しい顔をするのも、寂しい気持ちも、
1人で踏み出してしまった私は言っていい言葉なのかわからなくて、
無理しても明るい言葉しか出せなかった。

嬉しい気持ちも、誰かを悲しませているのに自分だけ明るい未来の話をするのが申し訳ないことかもしれない、と思って素直に言えなくて、

全部自分の中に溜めて、消化するので精一杯だった。

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それでも私はどうしようもなく弱いので、
強がって笑ってるくせに、
寂しい自分に気づいてほしい、なんて思ってしまうし期待してしまって、

私だって不安だよ、切り替えたわけじゃない、苦しいんだ気づいてってずっと思ってた。

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今思えば私が1人で立っている、1人で苦しいと思っていた時も、みんなはそばにいてくれたんだよね。

気づくのがいつも遅くてごめん、
アイドルの私は自分だけの存在じゃなくて、君が大切にしてくれてる私でもあるのに、
大事な決断を、自分一人でしてごめんね。


でもね、私が選んだ道や仲間達がこんなに素敵なんだよ、
沢山悩んで決めたからもう迷わないよって早く伝えたかった、だから頑張った。

これから絶対、幸せにしてあげられるって思ったの、
せめて私を信じて着いてきてくれる人だけでも、絶対責任取って幸せにするからって
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着いてきてくれたみんな、
私を新しく見つけてくれたみんな、

今の私はちゃんと君を幸せにできているかな、
今でも君にとって、憧れであったり、希望になれていたりするのかな。

あれから1年、今ではLaynの私しか知らない人だって沢山いるし、
今までじゃ考えられないくらい、
たくさんの人が私を見つけてくれた、

楽しい予定で忙しくなって、やっとアイドルになれた気がした。

マイナスをなんとか建て直して、ようやくスタートラインに立つことで精一杯だった私にとって、
頑張った分応えてくれる環境で、
どんどんプラスに進んでいける今は、本当に恵まれすぎているくらい幸せだと思う。

今ではみんなの笑った顔を見ることの方が多い、
だから私も嬉しくて笑顔が絶えない、平和ボケしてしまう。

人は慣れてしまうものだから、
あと何回、って数えられたり、
終わりが見えないと必死になれないし、
大切さに気がつけないことも多い。

幸せに慣れてしまうと、その前提にある幸せな状況に気がつけなくて、
些細な人との違いや不満を、不幸や自分に足りていないものだと感じてしまう。

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あの頃、あと何回ステージに立てるだろう、
私がアイドルでいられる期間はどれくらいだろうって感じていたから、
毎回ここで死ぬ、くらいの後悔のない気持ちで全部を出し切っていた、

煌びやかなものを持たされたわけではなくても、
絶対に自力で輝いてみせよう、って底力や内面から滲み出るものがきっとあった。

それが上手くいってたかどうかとか、結果なんて分からないけど、
そんな全身全霊の想いやパワーがあったと思う。

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でも今、素敵なものを身につけさせてもらって、
自分の力で輝いている気になっていないかな、って時々不安になる。

どんな環境にいても、きっとアイドルや頑張っている人は美しくって輝いて見えて、
逆にどんなに素敵な場所にいても、自分が無駄にしてしまっては霞んでしまう。


だから分からなくなったら、踏み出したあの日の気持ちを、何度だって思い出せばいいよね、


ステージに立てるだけで幸せだった、
お仕事の予定が入るだけで舞い上がってたあの頃の私は、まだ生きているかな、
忙しい日々の中で、こなさなきゃいけないことになっていないかな。

どんな日でも1回1回のステージの重みや、
確実に終わりが来る日に近づいているのは同じなんだ、

例えば部屋を片付けるとか、早起きするとか。
些細なことでも億劫になってしまう時は、
あの日頑張った私ならどうするかなって考えていたいし、

あの頃求めていた自分でいられるように、
胸を張れるように、
今日も自信を持てる自分を生きたい。

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あの日綺麗に見えた虹は、今どう見えていますか?
たくさん雨が降って霞んでしまっているのかな、

それとも、違う色になっても君を照らせていたり、輝いて見えるのかな、

私も君も全色持っていなくたって綺麗だから、
たった一色で自分の価値を計らないでね。


僕の世界の虹は何色になってもいい、
誰を照らしてもいい、
 でも輝かせることはやめないで、一番明るい光で照らしていよう。

君との二色で始まった世界に一つずつ色を増やして、
これからも世界をもっと鮮やかにしていこうね。

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