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【募集】うんこを食べられる可能性について十数年考えていたら、とうとう書籍化されることになりました


作家のエージェント遠山怜です。このたび、私の腹心の疑問を発端として、それがとうとう書籍の形になることに相成りましたので、その話をさせてください。

突然ですが、うんこを食べる可能性について考えたことはありますか?私はあります。それは、子どもの頃のこと。私の曖昧でボンヤリとした頭脳に、あるとき電撃が走ったのです。

“自分のうんこを食べることができれば、人類の食糧問題は解決されるのではないか?”


その問いが私の頭に思い浮かんだとき、私は思わぬ多幸感に包まれたものです。これは人類を救うことになるかもしれない。爆発的に増え続ける人口に対して、供給できる食べ物の量は限られている。食料を巡る問題は、今でも世界にはびこっています。紛争、栄養失調、飢餓、貧困ー。

人工食物の開発、農業支援、栄養剤、様々な分野の研究者や支援者が力を尽くしています。しかし、それ以外のアプローチもあるのではないか?私たちが日々排泄するものを、食料として再利用することができれば、永久機関として循環し続けることができる!世界の食糧問題は解決されるのです。このソリューションに思い当たったとき、私は思わず笑みをこぼしてしまったものです。大笑顔。love&peace.

それから私はずっとその問題について、ことあるごとに考えてきました。どうすれば自分の排泄物を食べることができるのかー?私はお手洗いに行くたびに、その難問と向き合ってきました。まさに難産でした。

疑問を抱いてから、十数年経ったそんなあるときのこと。私は子供であることを辞め、すっかり大人になっていました。そして偶然なのか必然なのか、出版エージェントという仕事を生業としているようになっていた。社会人としての要請をこなす一方、依然頭の中は子供のまま。ある時、ふと自分のこの長年の疑問を、学者の先生にぶつけてみたらどうなるのか、というアイデアがカチリと頭の中で軽率に光りました。もっと重要な感じで啓示してくれよ、という気もしますが実際はそうなのだから仕方ありません。私は自分の思いつきをひとまず書籍企画書に書き起こし、回答してくれそうな先生にアプローチしました。

お話を伺ったのは、明治大学情報コミュニケーション学部で教授として活躍されている、石川幹人先生。ご出身は東京工業大学理学部応用物理学科、同大学院物理情報工学専攻で、専門は認知情報論および科学基礎論。科学リテラシー、脳科学、認知科学、環境生物学、地球環境科学、不思議現象の心理学、情報行動の心理学、情報文化論、心理統計法、情報社会研究法など広範囲の分野を担当してきた、つまり、幅広い、分野の、正しい知見を、お持ちの、先生です。はい。

私は意気揚々とお茶の水にある先生の研究室に乗り込み、勧められたやや座高の低いソファに座って、緊張しつつ石川先生にお聞きしました。

「先生、うんこは・・・・、うんこは食べることができますか?

石川先生はご自身の研究室の、オフィスチェアにゆったりと腰かけておられる。スン、と息を吸って斜め45度からこうおっしゃられた。

「なかなか面白いことをいいますね。うん、はい、食べることはできると思いますよ」

私の瞳はぱあっと研究室の白熱灯のもと、輝きました。「本当ですか!」。
「はい。実際、これは治療ですが他人の排泄物を腸に移植することも行われていますよ」。

私の長年の疑問は解決された!良かった!私は思わず、ガッツポーズを決めました。「先生、もしよろしければ、これは本にしませんか?うんこを食べる方法以外にも、子どもの疑問を集めて回答する本にしましょう!答えなき世に一筋の光を、与えられるような本を作りたいのです。」私はありったけの思いを込めました。ロミオもかくや、というほどのほとぼしる熱意を石川先生にぶつけたのです。

すると、石川先生はひと言。

「いいですね。どうやって道筋をたてて考えるかも、質問集を通して提示して本質的に物事を考えられるような書籍にしたいです」。

こうしてこの世に、子どもの質問に答える本が生まれることになったのです。この本の企画には、すぐに朝日新聞出版の編集者の方も賛同してくださり、無事に書籍化されることになりました。「いいですね。私も似た様な子供の質問に答えてくれるような本を昔から作りたいと思っていたんです。」と、編集者の方。

企画会議の通過と質問募集に際して入念な調整が続き、2019年9月14日、こうして正式に皆さんに公開できる形になりました。本企画では、子供の疑問を幅広く読者のみなさまから公募することになりました。質問募集と同時に、すでにお寄せいただいた質問に対する回答を公開しています。回答はAERA.dot内で掲載し、質問と回答が集まり次第書籍化されます。テーマは「子供の素朴な疑問に学者が本気で答えます」。あなたの子供の頃の素朴な疑問をお寄せください。内容はどんなくだらないように見えることでも、奇妙なことでも、回答がつかなさそうなことでも構いません。

記念すべき第一回目の記事のテーマは、もちろん「うんこは食べられるのか」です。ぜひご覧ください。

質問は大人でも可能です。未成年者の場合は、代わりに保護者など大人に応募してもらってください。石川先生と一緒に、不思議をひも解く旅にでませんか。ぜひ下記の概要をご確認のうえ、ご応募ください。

▼応募フォーム

▼応募時の注意

・未成年者(20歳未満)の方は、保護者など大人に投稿してもらってください。
・ご投稿はハンドルネーム(仮名)で掲載します。他人の権利に触れる投稿や他との二重投稿はご遠慮ください。
・採用した投稿は、弊社が発行・配信する出版物や電子メディアに掲載するほか、映像化など翻案を含めた二次利用(他社の利用も含む)をする場合があります。
表現を変えたり、再構成、一部削除したりすることもあります。
・ご記入いただいた連絡先等は、投稿内容の利用および本連載の書籍化にあたってお問い合わせをする場合にのみ使用いたします。


本企画の実施に際して、「会社の恥」「信じられない」「どうかしてる」、そんな声も耳にしたような気もしますが、きっとすべて気のせいでしょう。

【募集概要】
・書籍タイトル:『子供の素朴な疑問に学者が本気で答える本』(仮)
・出版社:朝日新聞出版
・刊行時期:未定
・概要:子どもの疑問に、明治大学の石川先生が回答します。ジャンルは不問。どんな質問でもかまいません。素朴な疑問、ささいな質問、おバカな問題、なんでもどうぞ。

・質問例:
うんこは食べられますか?
どうして目はふたつなの?ひとつでもいいと思います。
石は何を考えていますか?
小さい頃、安全なエリアを作って遊ぶのが楽しかったのはなぜ?
カブトムシになれますか?
羽を付けたら、空を飛べますか?
人間はつぎになんに進化しますか?


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