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フォールアウト

シリーズに一区切りついてしまった。

トム・クルーズが撮影中に骨折したことでも話題になった映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』。前作で壊滅的な打撃を与えたはずの敵組織「シンジケート」がさらに強敵になって立ちはだかる、という筋書きだ。

今作は、とにかくアクションシーンが多い。冒頭に登場する高度7000フィートからの落下、パリの街で逆走する車の中を駆け抜けるバイクアクション、アスレチックのようなビルの屋上を全力疾走、ヘリコプターに飛び乗ってからの空中戦。もちろん、これらのアクションシーンの合間には敵と戦う銃撃戦や肉弾戦もふんだんに盛り込まれている。今回初めて「ミッション」シリーズを見る人には、ダイナミックなシーンの連続だけでも見ごたえを感じられるだろう。

一方、これまでのシリーズを見てきた人にとっても、過去作を思い出させるアクションシーンが数多く登場するのは魅力的だ。バイクチェイスは2作目『M:I-2』、スカイダイビングは3作目『M:i:III』、墜落したヘリが崖の狭間を落ちていくのは4作目『ゴースト・プロトコル』の駐車場でのラストシーン。息つく間もないアクションすべてがこれまでの名シーンを想起させつつ、負けず劣らず手に汗握るカットになっている。シリーズファンへのサービスとも思えるクリストファー・マッカリー監督の過去作へのオマージュにはぜひ注目してほしい。

個人的には、前作で一切登場することのなかったハントと妻・ジュリアとの関係が、今回しっかりと描かれていた点に注目したい。スパイと家族がテーマに描かれた3作目、その両立の難しさが描かれた4作目、その結論が一体どうなったのか。5作目ではまったく触れられなかったので、気になって仕方なかった。ちょうどDCコミック原作の大作や『トランスフォーマー』シリーズ、『007』シリーズなど、ハリウッド映画におけるヒーローの人間としての側面を描く作品が飽和していたからかもしれない。世界を救い続けてきた裏側でイーサン・ハントが犠牲にしてきたものは何だったのか。今作では一つの答えが出されたとともに、3作目から続いてきた物語に一定の区切りが示されている。

前作を見ていなくても楽しめる要素は盛りだくさんだが、ぜひ3・4・5作目を見てから劇場へ足をお運びいただきたい。

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