捨てる人

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ノート

菓子パンを捨てた

菓子パンを捨てた。
 ポケットにハンカチを入れ忘れたとか、予約していたのに散髪に行くのを忘れてた、みたいなことは皆の衆も日常茶飯事だと思う。

 今は昔、当時勤めていた職場の人から菓子パンをもらった。聞いたことのないマイナーなメーカーの、クロワッサンみたいなパンで、ありがとうございますとは言ったものの、全然美味しそうでなかった。その人のことをあまり好きではなかったから、余計にそうなったのかもしれな

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巨大なカレンダーを捨てた

巨大なカレンダーを捨てた。
 僕が小学生の頃の話。近所の酒屋のおっさんが、なぜかコカ・コーラ社のカレンダーをくれた。自分の身長よりも大きかったから、おそらくB0サイズぐらいはあったと思う。下の方にちっさく申し訳程度に3ヶ月分の暦が配置されていて、一応、カレンダーの体は成しているものの、ポスターのほぼ全面はコカ・コーラっぽい爽やかなイメージの写真が占めている、イメージ広告のための販促ポスターである。

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落ち葉を捨てた

落ち葉を捨てた。
 ピカソが朝食の焼き魚の骨からインスピレーションを得、粘土に押し当てて、骨の型を取って彫刻作品を作ったというエピソードが妙に印象深くて、ずっと記憶にこびりついたままで、今も時々思い出す。誰も見向きもしない、身近にある物でも、それをどう使うかでアートが生まれるとかうんぬんかんぬん偉い人は言うのだけれど、きっと誰もが、そんなんピカソだからですやん、僕らがやってもゴミが増えるだけですや

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インクジェットプリンターを捨てた

インクジェットプリンターを捨てた。
 インクジェットプリンター(音引きを付けたほうが素人ぽさが出て良い)に対する世間一般の不満といえば、およそ次のとおりである。

 いざ使おうとすると、たまにしか使わないせいで、起動のたびにヘッドクリーニングが始まり、大量のインクが消費される。実際の印刷に使ったインクより、ヘッドクリーニングで使ったインクのほうが多いぐらいだ。そしてヘッドクリーニングでインクを使い

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ワークマンの靴下を捨てた

ワークマンの靴下を捨てた。
 口コミなんてものを信じてはならない。クチコミなどというものは一人の誰かが言っただけの、n数=1の、まるで信用ならない情報である。「地元民御用達、知る人ぞ知る中華の名店です。あんかけチャーハン最高!」という口コミを信じた僕は、旅行先で塩っ辛いだけの焼き飯を食った。雪の飛騨高山。

 人間、それなりに年を積み生きてくると、大体の日用品は自分にぴったしくる一品が見つかり、そ

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自動車教習所の通学カバンを捨てた

自動車教習所の通学カバンを捨てた。
 高校3年の冬に通った自動車教習所。背が低く出っ歯の教官はネズミと呼ばれていた。タツノという教官は理不尽に怒るので皆が予約を避けていた。二階の教室の隣の休憩室でローソンのサンドイッチを食べた。友人も僕も原チャで通っていたが400ccのバイクで通っていたT君。駐輪場に整理整頓と書かれた張り紙があり、そこで頓の字を初めて知った。好きだった同級生の女子に偶然出会えて嬉

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スキー場のチケットを捨てた

スキー場のチケットを捨てた。
 リフト券というのは意外と高くて、1日券だと大体、4000円とか5000円ぐらいする。お金に余裕のなかった若い頃の僕は少しでも安くあげようと、シーズン前に発売される前売りチケットを購入した。3枚綴りで確か1万円弱だったと思う。普通に買うより1000円ぐらい安くて、しかもレストランの食事券とドリンク券まで付いているから、実質半額ぐらいになって、なかなかお得なのだ。一緒に

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鉄分サプリメントを捨てた

鉄分サプリメントを捨てた。
 国家資格の受験日が迫っていたあの夏の候、試験勉強は毎日我武者羅に取り組んでいたが、それだけでは不安は消えてくれない。漠とした不安感を乗り越えるべく、能力&脳力、即ち身体的ポテンシャルを最大限まで引き出すにはどうしたら良いだろうと、色々と苦心した。迫る試験日、理解できない公式、溜まるストレス、の複合的重圧。こういう差し迫っていて精神的余裕がないとき、僕はいっつも正常な判

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サボテンを捨てた

サボテンを捨てた。
 リビンクの40V型液晶テレビの傍らに、寝室の無印良品製デスクの片隅に、小さい観葉植物を置いている。心が休まるので、植物は好きだ。植物が成長していくその様に明日への活力を与えてもらう。生きる力に満ちたその姿に魅了される。中でも、サボテンはその見た目の愛らしさが良い。今までも何度かサボテンを購入して育ててきた。そして毎回枯らせてしまっている。申し訳ないと思う。理由は毎度同じだ。水

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LED電球を捨てた

LED電球を捨てた。
 自宅のリビングの照明はちょっと特殊で、丸型蛍光灯2個とその上部に白熱灯3個がついていて、この白熱灯がよく切れる。白熱灯も決して安くないから、ランニングコストが意外とかかる。ならば、この白熱灯をLED電球に交換したらいいのではと奮発、いきおい3個買った。よくわからないメーカーの製品はすぐ切れるような気がしたので、パナソニッ!のやつにした。放熱性を高めるためにフィンがついてるか

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