なぜ急成長しているスタートアップではUI/UXが優れたサービスを作れるのか?

本日は、LBSのEntrepreneurship Clubが主催するMONZO社のプレゼンがあったので、聞きに行ってきました。MONZOはRevolutと並ぶ、ロンドンを拠点とするFintechの雄で、オンライン銀行口座やコンタクトレスデビットカードといった一般ユーザー向けの金融サービスを提供する企業です。
(HPはこちら→https://monzo.com/

User Interface(UI:ユーザーがサービスを使用する際に触れるウェブサイトやアプリのデザイン)やUser Experience(UX:ユーザーが製品・サービスを使用する経験)に定評があり、LBSの学生にもユーザーが沢山いる有名な企業です。

さて、ユーザーにとって良いデザインのプロダクトを作ることを目指し、実際に非常に使いやすいアプリを作っているMonzoはどうやって優れたアプリを作っているのでしょうか。

答えは「徹底的なユーザーの理解」と「プロダクトへの落とし込み」でした。

特に、MONZOではユーザー理解に非常に力を入れており、以下の3点を突き止める為に様々なテストを実施しています。
①そのサービスを使って実現したいGoal(目的)
➁そのサービスを使う事へのNeed(必要性)
➂そのサービスを使うContext(前後の文脈、環境)

こんなに沢山の種類のテストを実施しているそうです。

テストの使い分けにはMONZOなりの哲学があり、何を調べたいのかという目的に応じて使用するテストの種類を変えているとのこと。
・DataリサーチではWHATを探る
・QuantitativeリサーチではWHOを探る
・QualitativeリサーチではWHYを探る

実際に使っているテストの中からいくつか例を共有してもらえました。

Usability Lab Studies:
・ユーザーがどういう順序でアプリを使うのかを実験室で実演してもらい、事前に予想していたユーザーの動き(仮説)と実際の動きを比較し、一致しなかった部分を修正していく
・被験者から、フィードバックをもらってプロダクトを改善する
・上記二つの作業を何度も繰り返し、UI/UXを向上していく
Diary Study :
・ 日々実施している活動を被験者に全て日記につけてもらい、どんな生活を送っているのかを観察する
・ヘビーユーザー層やアーリーアダプターのグループ(Focus group)への実施ではなく、敢えて全く対象顧客から外れた層(Unfocused group)に広げて調査を実施し、人間の行動を深く理解する
・この日記をデータとして組織の中で蓄積していき、UI/UXをどのように改善するべきか迷ったら、参照し、行動予測の裏付けにする

また、テストを実施する際に注意するべき点として以下の3点があげられていました。

テストを実施する際に注意するべき点:
①Bad research is worse than no research(誘導尋問の様な質問はしない)
例えば、グループインタビューをする際に「チャットの機能があったら使いますか?」という質問をしてしまうと、被験者は(まぁ、ないよりはましかなぁ)と思い「そうですね」と答えてしまう確率が高い。こういうリサーチは自分の仮説を証明する結果しか招かないので、やっても意味がない。
➁Be aware of your assumptions(自分が立てている仮説を認識する)
例えば「とりあえずユーザーにインタビューをしたら何かわかるはず」という思いでインタビューをすぐにしに行ってしまう事があるが、そもそもインタビューが一番良い方法だったのかを含めて自分が持つ仮説を疑うべき。
➂Be aware of your biases(自分が持っているバイアスを認識する)
人間はそもそも脳みそがバイアスを持つように出来ている為、それを認識して出来る限りバイアスを取り除くべき。

特にバイアスについては人間の認識誤りを4象限に分けて分析した図が紹介されました。4象限とは、記憶(memory)、意味(meaning)、情報過多(information overload)、速度の必要性(need for speed)という4つの分類で、全てのバイアスはこの図のカテゴリーにあてはめて理解する事が出来るらしいです。
http://ritholtz.com/wp-content/uploads/2016/09/1-71TzKnr7bzXU_l_pU6DCNA.jpeg
色々と分類されている内容をこまかーく見ていくと、LBSのリーダーシップの授業(Organizational Behavior)で習った様なバイアスが出てきています(例:ハロー効果)。
にしても、こんなにあると多すぎて対処できないわ…(ポカーン)。というのが正直な感想。
こんなのを日常的に覚えて使いこなすなんて、私の脳の処理能力をはるかに超えているので、この分類自体にバイアスがかかっていて、本当はもっとシンプルであることを希望します笑。

プレゼンの最後に紹介されたのは、人間のバイアスがどうやって良いアイディアをつぶしてしまうのか、というのを再現したコメディーです。

Killing good ideas can harm your future:
https://www.youtube.com/watch?v=OORnMYoWX9c
英語が分からない方の為に簡単に解説しますと、原始人が初めて車輪という概念に出会った際に、丸い形を受け入れられずに拒絶してしまうエピソードです。「上手く活かせれば生活楽になるのにね」というオチ。

結局、自分がどれだけ偏見を持っているのかというのをしっかり認識して、正しい判断をしようと頑張る事が新製品の開発でも重要なようです。

(テーマが似てるので、以前書いた「なぜ無意識に持つ偏見(Unconscious Bias)を取り払えないのか?」というブログポストを貼っておきますhttps://note.mu/lbslondon/n/n8deec04ad17c

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