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勝手に名言紹介 [3]

(バイオロギング研究会 会報 2019年6月号より)

ほんとうに大事なこととは...?

『自分自身の評価に比べれば他人からの評価というのはゴミのようなものですから、気にしなくて良いです。』(某教授, 2012年)

『自分の論文の評価は、自分でしましょう。それ以外の評価はほぼゴミといっても良いです。』(某教授, 2019年)

私のパソコンには、「これは脳に深く刻んでおきたい!」と思った言葉や記事が保存されている場所があります。刻んでおきたくてもすぐに忘れてしまうのが私の脳であるからです(残念)。本やウェブ記事に書いてあったことや誰かに言われたことやメールなど、とにかく胸にガツンと響いたらなんでも保存します。遡ると2012年に始めたらしく、今は1200個くらい貯まっていました。

誰に頼まれたわけでもなく勝手にやってるこの『名言紹介』シリーズも、そのストックから選んで書いています。冒頭1つ目のお言葉もそこに保存されているもので、折に触れて読み返しては唸ってしまう名言のひとつです。ただ、一体どのような話の流れでそんなことを言われたのかがずっと思い出せずにいました。

ところがです。その7年後、2019年に入ってからのメールのやりとりの中で、なんと冒頭2つ目のお言葉をいただいたのです。「あぁ...また同じことを言わせてしまった...!」と自分の成長してなさ加減に情けなく恥ずかしい気持ちになりましたが、改めてとても大事なことだと感じたので、ここにも書こうと思いました。

ほんとに情けない話ですが、私は、研究について人から何か言われてはうじうじ、論文にネガティブな評価を受けてはうじうじ、と弱音を吐いてばかりいます。自分でもイヤんなるくらい簡単にしょんぼりしてしまいます。上の2つのお言葉は、そんなうじうじしょんぼりをうっかり送りつけてしまった時のお返事なのでした。

そう、少なくとも私にとっての目指すべきは、なにより自分が納得できる研究、そしてできれば「この人からは認められたい」と思っている人にもおもしろがってもらえるような研究、であるはずなのです。もちろん、人からの意見を聞く耳を持たなくていいという意味ではありません(そりゃそうだ)。ただ、大切にするべき軸を簡単にぐらつかせているようでは、そのような研究ができるはずはないとも思うのです。

今度こそこの名言をきっちりと脳に刻みこむことによってですね...いや、もういっそのこと焼き付けるくらいの気持ちでですね、3回目を言わせるなんてことはないようにしたいものです。

勝手に名言分析

名言が名言たる理由は様々ですが、今回については「キレ味」、これに尽きるのではないでしょうか...。もし、オブラートにくるんだようなやわらかい言葉で同じことを言われていたら、これほどまで心に刺さることはなかったのかもしれません。


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