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猫も女も加齢臭!?/AND PET#29

猫を飼っていると家の中はにおうのか

猫は自分のにおいに敏感で、かなりの頻度でグルーミングをして体のにおいを落としています。これは敵や獲物に自分の存在を察知されないための防衛本能。猫に入浴は不要ですし、猫の体に顔をうずめても、ちょっと日向くさいだけで獣っぽいにおいはないと思っていました。

ただし、そう思っていたのは共に暮らす飼い主だけだったようで、金魚やメダカ以外の動物と居住空間を共にした経験がなく、少々潔癖なところもある母は、我が家に来るたびに「ちょっと猫くさい」と指摘してきます。
 
確かに外出から帰宅した際に、少しにおうかな?と感じる時はあり、その都度カーテンなどの布類を洗濯したり、空気清浄機を使ったりして対応してきました。ただ、そもそもあまり気にならないので、効果があったのかどうかはよく分かりません。
 
我が家では、春にシニア猫だったぼたんが旅立ち、秋に子猫のこはくがやってきましたが、なんとなくこはくの方がよりにおわないような気がします。サイズの問題?子猫だから?などと思っていたところ、面白いニュースを目にしました。

猫にも加齢臭があるなんて!

空間除菌脱臭機(空気清浄機よりすごそう!)やペットの毛も絡みにくい掃除機など、ペットと暮らす人の心をくすぐる家電を発売しているパナソニック株式会社が、7歳以上の犬・猫のペットオーナー計850名を対象に行った調査によると、高齢化したペットの気になることとして「におい」が上位にランクイン(犬:25.3%、猫:19.4%)。

(出典:パナソニック株式会社)


具体的にどのようなにおいの変化を感じるようになったかについては、犬・猫どちらも「においが強くなった・やや強くなった」が9割を超える結果となりました。これって、つまり加齢臭ですよね。

(出典:パナソニック株式会社)


シニア犬の場合、においの原因となるのが「歯石や齲歯(うし)による口臭」「外耳炎による耳のにおい」「肛門嚢の手入れができていないことによるにおい」「足の先などを頻繁に舐めることによるにおい」「排泄のミスによるにおい」が考えられるようですが、シニア猫もあまり変わらないように思います。歳をとるとグルーミングが上手にできなくなるということもありそうですし、何か病気を患っているのかもしれません。「もしかして加齢臭?」と思ったら、健康に異常がないかチェックしてあげた方がよさそうです。

オシッコにも加齢臭

そして、ペット用品売り場で見つけてしまいました。「オシッコ加齢臭」対応の猫砂を! ライオン「ニオイをとる砂」シリーズの猫砂は我が家の定番なのですが、いつも同じ物を使っているため、すぐ近くにあったにも関わらず視界に入っていませんでした。2016年の発売当時のプレスリリースによると、猫の尿は加齢に伴い7歳頃からイオウ系悪臭に加え、「汚れた公衆 トイレの様な」不快なニオイが強くなるのだとか。シニア猫の飼い主さんの約4割が 猫の加齢に伴い「尿のニオイがキツくなった」と感じているそうです。ぼたんが我が家で暮らしたのは4~12歳。全く気づかなかったなぁ。


私も、におってる?

ところで、加齢臭=男性と思っている人はいませんか? 大変失礼な話ですが、以前の私は自分に加齢臭は関係ないものと思っていました。

ところが30代の頃、家族から体臭が変化したとの指摘を受けたのです。ネガティブな内容ではありませんでしたが、自分が発するにおいはなかなか分かりにくいものなのだなと実感しました。さらに同時期に、近くに立っていた年上の女性に少し違和感のあるにおいを感じたこともあり、「もしかして女性にも加齢臭があるのか?」と疑念を抱いたのです。
 
実際あるんですよね、女性の加齢臭。年齢と共に変化するということで年齢臭といった方がよさそうです。

女性も年齢によってにおいが変わる

弊社で発行していた健康情報誌「self doctor」では、2020年夏号で「女性も実はニオってる!」という特集を組んでいました。

「self doctor」2020年夏号


それによると、加齢によって変わっていく女性のにおいを以下のようにまとめています。
 
 赤ちゃん=乳っぽい柔らかなにおい
 子ども=サラサラの汗のにおい
 思春期=汗がかわいたようなツンとするにおい
 20代=アプリコットのような甘く爽やかなにおい
 30~50代=酸化した皮脂のにおい
 高齢期=アンモニア臭・古本のようなひなびたにおい
 
私が体臭の変化を指摘されたのは、まさに「甘く爽やかなにおい」から「酸化した皮脂のにおい」へと移行した年代と合致します。
 
この加齢臭(年齢臭)の元となるのが、体幹部など全身の皮脂腺から分泌される皮脂(脂肪酸)の酸化によって発生する物質であり、皮脂の原料となるのが中性脂肪です。30代の頃は中性脂肪の値はまだまだ高くなかったのですが、歳を重ねるにつれ増加し、最近では基準値をオーバーすることも。いろいろな意味で注意が必要です。
 
30代では糖質や脂質の摂り過ぎなど、生活習慣が原因とされますが、更年期にさしかかり女性ホルモンの値が低下すると、相対的に男性ホルモンの「テストステロン」が優位になり、皮脂が増えるのも影響するのだとか。
 
さらに、「お父さんの枕のにおい」などと揶揄されることもある頭皮のにおいですが、40代を過ぎれば性別にかかわらずどんどん頭皮の皮脂分泌量は増えていきます。しかも頭皮の皮脂量は顔のTゾーン以上という事実。思わず洗ったばかりの枕カバーのにおいを確かめてしまいました。

皮脂の酸化を抑えるには

皮脂の酸化を抑えるために、気をつけるポイントは2つ。
 
まず、ビタミンEなど抗酸化作用のある栄養を含む食品を摂り、有酸素運動を続けること。そして、日々のストレスをしっかりと解消することです。
 
無臭でいることはできませんが、少なくとも周囲に不快感を与えないで生きていきたいなと思います。

大きくなってきたけれど、まだまだ加齢臭なんて関係ない


文・横山珠世
女一人と猫の暮らしから人と猫が
共に健康で幸せに生きていく術を考える、
株式会社ジャパンライフデザインシステムズの
編集兼ライター。
『セルフドクター』や書籍などの制作・発行に携わる。

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