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【世界への挑戦に大切な技】美点凝視で多様性の力を発揮する

人は自分の見たい物しか見ません。
自分にとって重要だと判断している事しか、人間の脳は認識していません。 そして、好き嫌いに関わらず、無意識に作り上げた自分らしい自分が見たいものを選択して見ています。同じ世界を、全ての人がそれぞれの偏った見方、様々な色のついたメガネを通じて見ています。

あるがままに多様な世界をより広い視野で捉えるには、自分自身の偏った一方的な見方だけでは限界があります。グローバル社会で求められる多様性に適用する能力とは、全く同じ世界を見ていても、それぞれ各種各様に偏った見方があると知る事です。そして、より広い視野であるがままに世界を捉えるには、自分自身の偏った一方的な見方だけでは限界があると知る事でもあります。

美点凝視で多様性の力を発揮する

自分自身の偏った視点の限界を知り、限界を超える為に、多様性が力になります。多様性の力とは、違いのある弱者を無理して守る事ではありません。多様性が持つ可能性を力として利用する事です。

様々な環境や文化背景として、一人ひとりが違った見方、違った能力を持っていますが、違いを制約・障害・誤りとして排除するのではなく、多様性を新たな視点や力を得れる強みとして活かすという事です。

制約や障害、劣っている点に注目するのでは無く、それぞれどんな存在にも美点があると可能性を信じる「美点凝視」を大事にする事。違いを制約・障害・誤りとして排除するのではなく、違いにこそ価値・力があると可能性を追求する事です。


残念ながら強力な同調圧力が支配する日本社会では、「美点凝視」は養い難い能力です。与えられた道を極める為に、加点ではなく減点、出来ている事より出来てない事に目を向ける厳しさを成長の原動力にしてきた歴史背景があるように感じます。

素晴らしい先達が長年に渡って極め続けた道には、極めた人だけが見える先のビジョンや、極めるに至った道・手段・過程があり、そのあるべき姿を無条件に素直に信じれる日本人の素質が背景にあると考えます。

しかし、守破離との教えがあるように、多様性が前提となる社会で今までには無い新しい道を切り開くには、違いを排除ではなく力に、減点ではなく加点、出来ない事より出来る事に目を向けていく「美点凝視」で多様性の力を発揮する事が大切です。


母親はマネジメントの専門家

グローバルに活躍する女性エグゼクティブ・コーチの友人が、「母親業で鍛えられたマネジメント能力は、グローバル・キャリアに役立つ」と教えてくれました。妻の普段の家庭内ガバナンス(統治)能力を知る私はすぐに納得できましたが、それまでは意識した事のない盲点でもありました。

日系大企業VPのインド人テニス仲間と話題にした際、彼もマネジメントの採用時には、選択肢があるなら母親経験者を選ぶと教えてくれました。母親が鍛えている家庭内マネジメント/ガバナンス能力を、企業が必要とするスキルと評価して判断しているのです。

私がアメリカで出会った素敵な女性マネジメントの多くは、母親としての経験が豊富で、母親として身につけたマネジメント能力を発揮していました。女性ならではの視点でも価値を発揮していました。アメリカ企業は「美点凝視」で多様性の力を活用していたのです。

一方で、私が以前所属したGlobal企業の日本法人では、女性エグゼクティブの多くは、男性に負けないように、男性より男性化していた人が少なくありませんでした。女性活用の先進企業でしたが、「美点凝視」による女性ならではの力の活用には課題があると気づきました。


日本に残された天然資源

日本の母親達が鍛え磨いている家庭内ガバナンス、家庭内マネジメント能力は、まだ活用されてなく眠る、潜在的に大きな可能性を持つ天然資源だと言えます。グローバル展開している日本企業のグローバル・ガバナンスの課題は顕著ですが、女性ならではのマネジメント能力の発揮が、課題解決のひとつの手段になるかもしれません。

母親の持つガバナンスやマネジメント能力の他にも、日本社会には同調圧力により埋もれていても、「美点凝視」により発掘できる天然資源が数多くあります。日々死と向き合って生きている難病の方々と接すると勇気が出たり、ハンデがあっても純真に可能性を信じて挑戦し続ける方々と一緒に仕事をすると、自分の可能性も信じれるなども天然資源の活用のよい例です。

現状は殆ど活用できて無い日本に眠る天然素材が、ダイアモンドの用に輝く社会に役立ちたいと思います。日本の素晴らしさは、世界を更に豊かにすると確信しています。コーチとはそんなアルケミスト(錬金術師)のような役割でもあると考えています。


タイトル(仮)「世界に挑戦するマインドの鍛え方/Global Challengerのすすめ」の 出版準備を進めてます。 こちらのリンクにまとめています。

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