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ミュージカル「狂炎ソナタ」韓国 観劇レポ

ミュージカル「狂炎ソナタ」@韓国YES24ステージ1

2024年4月27日(土)マチネ

私は、この作品が好きだとなんとなく、なんとなーく認めたくないのだけど(だってさ、音楽のために罪を重ねるなんてさ、いやいややめてくださいという感じではないですか…?)昨年2回見てどちらの公演もとっても面白かったのと、楽曲がすごく好きで。あと役者さんに楽器までやらせるなよと思ってはいるものの、演技に楽器演奏まで入ると、作品自体また違った味わいがあるので、そこも正直好きだったりします。

そして今年見に行ってもやっぱり面白いので元気に回転中です。認めざるを得ない。この作品がめっちゃ好きだと。

役者さんの精一杯を見せつけられる作品なのでどの回もそれぞれ見どころがあるのですが、4月27日(土)の昼公演がとってもよかったのでちょっとだけ(ちょっとだけ?)感想やらなにやらを残しておこうかと思います
ネタバレしかないので未見の方はご注意を!

27日マチネのキャスボ
  • J:キム・ジチョル

  • S:キム・ギョンス

  • K:イ・シアン

この回、ジチョルさんJとギョンスさんSのペアのチョッコンだった模様。公演自体3月からやってるけど、ジチョルさん後から合流のため。

私は昨年、テユさんジニョンさん、ハングンさんギョンスさんのJSペアでこの作品を見てるのですが、どちらもとても良かったのですが、ハングンさんのある意味普通の人っぽいJの役作りが、劣等感とか嫉妬心とか際立って感じられてすごく好きでした(テユさんは元から映像などで見て好きだったから、初めて生で見れた!っていう感動の方が大きかったのはある。作品自体初見だったし)

今季他の3人のJは狂気の部分の表現に重きを置いてそうだったけど、ジチョルさんは特にそこに重心なさそうなナチュラルな演技で好きでした(いい悪いでなく好みの問題)。Kに諭されて犯す殺人のところで確かナイフ指揮棒にしてた(あやふや)しおかしくはあるのだけど(のちに書いたけど楽譜にキスしていちいちそれぞれの死体に挟むところなども、狂ってるよね)。

またさ、この作品のギョンスさんって、ちょっと話し方とかラフ、というか投げやり?な感じ(私が見てるジュニョンさんSと比べるとね)でかっこいい。個人的にギョンスさんは見た目のかっこよさにまさって面白いことが多いのだけど、この作品はかっこいい。そんなギョンスさんS、ジュンフィさんJに対しては庇護欲を爆発させてたけど、ジチョルJさん相手には、よりくだけた、感じの対等な2人という感じで、2人には2人しかない特別な世界があるのだ!というハングンさん相手にも感じたそれと近いものを感じた。音楽を通した特別な絆。そういうのはKとJにもあるんだろうけど、これはやっぱりKがイシアンさんだと強く感じる。他の2人のKだと音楽そのものというより音楽使ってのし上がるって方が重視されてる感じがするけど、シアンさんは音楽に特別な歪んだ思いを感じる。この回はちょうどシアンさんだったので、JとKの関係は音楽を通して暗くつながってるんだけど、JとSにとって音楽はお互いで光なんだと、そんな感じの対比も分かりやすかった。

私の浅い感想はこのくらいにしておいて。とにかく、なんか、いいもん見た~~~っていう公演だったんです。狂炎ソナタってこういう作品なのか、と腑に落ちた感じもあったし。この公演を見ることができてよかったです。

あとは印象的なシーンをいくつか。

・この日のギョンスさんS、大切そうにJの日記を抱えてたのが印象的だった
・ジチョルさんJは死体に楽譜を1枚づつ挟むんだね。楽譜にキスして、折りたたんで死体と一緒に詰めてた
・ジチョルさん初見だったけど、頭が小さくて口あまり開かない歌い方なのにあの声は、一体どうなってるんだろうか?
・Sが部屋を訪ねてきたときの「くっさ!」のギョンスさんSの演技健在。
・その後、二人で机に座って酒飲むだなんだ話していた時、ギョンスさんS、ジチョルさんJの左ほおの涙の痕に気づいて指の背でぬぐってたの、あれ何?その前のシーンでジチョルさん涙流したなとは思ってたけど、見つめ合ってしばらくしてからその仕草するギョンスさんにオタク爆発
・この辺のやりとりも、久しぶりにあったぎこちなさというより、よく会っていた友達とのやりとりっぽくてよかった。お酒の力もあるのかもだけど、、
・最初にSがふざけてピアノ弾くシーン、ギョンスさん例のメロディをいつもと違う感じで弾くから、私もびっくりしていい加減にしろって感じになった
・ギョンスさん、連弾に誘うのに来いよ来いよと椅子をバンバン叩くのおかしい。バンバンってすごい音した
・連弾スタート時にギョンスさんが自分の可動スペースを広げるべく咳払いしてジチョルさんを右に追いやったので客席から笑い(笑い??ソナタで。この公演何回か笑いがあった)が起きた
・この連弾、とてもとても楽しそうで、なんか聞いてる方もとても幸せな気分になって、まぶしくて涙が出た。このシーンで泣いたの実は初かも
・ジチョルさんJは連弾のときちょっと頭をSの方にこてっと倒してて距離の近い連弾だった。あと、2人とも最後まで弾き切ったw(ほらだいたい途中でJが投げ出すから)
・ジチョルさんでかいけど細いからここで担いで持って帰れそうと私は思った。けどこのあと、わあわあと言い合いになり、最後にとどめを刺すことを言ってしまったSは、ナイフでひとつきされ、だいぶながい間立ってたけど、よろめいてついに後ろに倒れた。今日の席からは倒れたSの顔が見えたけど、少し微笑んでるようにも感じられた。右手はJの肩をつかもうと伸ばして、でも届かなかったと思う
・そのあと、暗転するけど、直前にジチョルJは自分のしたことにびっくりして、Sの胸に耳をあてて心音を確認しようとしてた。この後の展開(Sが生きている)からもしっくりくる表現
・過去の回想。Jが例の曲を披露して、Sがいい曲だね、というところ、Sが部屋を出ていくのを待って!と追いかけるJ。最後扉にへばりついて泣いていた。楽譜は返せなかった。
・一番きゅーーーんときたのが、現在のSが歌ってるところに回想のJが入ってくるところ。Jはドアからぴょこっと顔を出してから、そっと部屋に入ってくる。かつての日のように、机で熱心に楽譜を書くJ。その後Sと向き合うところで、後ろ手に楽譜を隠す。ギョンスSが何隠したのよ、という感じで覗き込もうと右に少し頭を倒したら、見せないよ、と言わんばかりに、Jも同じ方向にこてっと頭を倒す。この日下手側だったのでここでJの表情がよく見えたのだけど、笑顔がいたずらっ子みたいでめちゃくちゃかわいかった。この日ジチョルさんはよく泣いていたけど、このSの回想のJのシーンは、泣かずにずっと笑顔だった。そして最後に、やはり笑顔でSに楽譜を渡すの。この言葉が正しいか分からないけど言ってしまう。あまりにも尊い。
・あと最後の連弾も、個人的にはいつも俳優さんを頑張れ頑張れと応援していてwあまりそこに気づいていなかったのだけど、この日は2人がめちゃくちゃコール&レスポンス(この言葉で正しいのか??)をしていた。具体的には、Jがちょっとゆっくりちゃららららん♪と弾くと、Sもちゃんちゃんちゃららん♪と同じようにちょっとゆっくり返す、次のフレーズはJが強めに弾くとSも負けじと強めに、みたく、ピアノで2人でコミュニケーションしてる感じ、ピアノで遊んでいる感じがはっきり感じられて、すっごい良かった。正直私はここはいつも俳優を応援しすぎてて、ここまで2人のやりとりを感じられなかった。まあこの二人には演技にもピアノにも余裕があるのかもしれないけど、次からは応援はほどほどに、2人のやりとりに耳を澄ませてみよう。

狂炎ソナタ、やはり面白い作品です。

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