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ミュージカル「モンテ・クリスト伯」韓国 観劇レポ(12月の感想中心に、1月、2月分も追記)

ミュージカル「モンテ・クリスト伯」@韓国忠武アートセンター

2023年12月9日マチネ

  • エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯爵:キム・ソンチョル

  • メルセデス:ソンミン

2023年12月24日ソワレ

  • エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯爵:キム・ソンチョル

  • メルセデス:ホ・ヘジン

このほか見た公演

2024年1月6日マチネ、2月16日マチネ、2月18日
※見すぎのため画像は回転のきろくの以下でまとめw

いやー、大劇場でよく回転したなぁ、、、

はじめに

公表されてから本当に楽しみにしていた「モンテ・クリスト伯」、この夏ミュージカル「デスノート」を見て本格的に好きになってしまったキム・ソンチョル氏で見てきた。
この作品は本当に楽しみにしていたので、原作(少年文庫版だけどw)も読んで、それがとても面白く、対比も含めて書いているので、舞台はもちろん小説のネタバレを避けたい方は読まないでください。

劇場について

この忠武アートセンターはとても見やすい劇場で、繁華街や大学路にも近くとても好き。東〇インからは歩いて行けるしw 1階席センター以外に座ったことはないけど、段差が十分、わりに舞台は近くて、本当に見やすい。音響も悪くない。
今回、7列目センター上手通路側、8列目ドセン(本当にドセン)で見たけど、もう少し後ろでも、一度はドセンおすすめ。エドモンが来るのは下手側が多いけど、当然のことながら演出はドセンに向けて作られており、特にこの作品はドセンだと臨場感がはんぱない(後述します)。ドセンをもっているのは、メロンチケットです。
なお、1列目27番は、後光を浴びるエドモンをすぐ下から間近で眺めることができます(「大丈夫だよ、すぐ戻る」のシーン)。この舞台は後ろに下がった方がいいと思うけど、アンサンブルの迫力も音の迫力も凄いので、1列目1度は悪くない。

感想(シーンを追いながら)

駆け足なところはあるけど、エドモン・ダンテス~モンテ・クリスト伯の人生、彼の成長と深い愛が、3時間弱のなかにこれでもかと詰まっていて、とても素敵な作品。とくにエドモンの俳優ファンにはたまらないw 恐らく今回の版で話もかなり原作近めにアレンジされていて、また最後の終わり方も今までのものとは全く異なっていて、それがいい。

まず、嵐の中から物語はスタート。原作では、エドモンの口から語られるだけだけど、ミュージカルでは再現。LEDパネルやマッピングを使った演出近年では多くて食傷気味だけど、このミュージカルの海の演出はアンサンブルの迫力ある歌声とともにとても効果的だった。甲板の上で苦しむ船員たちのところに、彗星のように飛び込んでくる一等航海士のエドモン(註 これ原作だと一等航海士だけど台本だと二等って書いてある。ほかにも原作からマイナーチェンジあるっぽい。何故??)。
このあたり、実際に見て。衣装もあって、ほんと彗星だからw キム・ソンチョルの長髪姿もかわいくてこの時点で心拍数が上がりすぎて客席で瀕死状態。なお小説でも、エドモンのことは美しい黒い瞳に漆黒の髪の毛、って書いてあって、この表現はエドモンを語るときに最後まで出てきます。

ここで、後に陥れられる原因となってしまう事件も、ミュージカルではちゃんと見せるので分かりやすい(原作では語られるだけ)。

危機を乗り越えてなんとかマルセイユに帰還するエドモンら。ここのメルセデスとの再会シーン、船の上で愛を誓いあうシーンは本当にかわいい。キスシーンも、夜空をバックに美しい。ひざまずいてプロポーズするシーンも、とても素敵で沸く。チョルモンテが、指に指輪をひっかけてメルセデスに見せるシーンとても好き。ただし逆に言うと、メルセデスとラブラブしているシーンはこの冒頭の流れ以外にはないw
このシーンは、とくにヘジンさんがかわいい。手を取り合って、あまりにもブンブン振り回すので、24日はソンチョルが歌いながらフフッって笑ってしまってた。

結婚式のシーン、船主のモレル氏から、次の船長は君だよって帽子を授けられるところは、キム・ソンチョルの少年~青年感のある美しさが際立ってよい。帽子をかぶり、目がきらきらとしている。9日の昼は、喜びのあまりここで宿敵となるモンテゴを抱き上げてくるくるとまわってしまう(註 まわせるのはカン・テウルモンテゴだけかと思ったら、ミンチョルモンテゴもちゃんとくるくるしているのを後日確認w)。これもまた少年っぽくてかわいかった。しかしそのモンテゴらの策略によりそんな日々は一瞬にして終わりを告げ、シャトー・ディフに幽閉されてしまう。

このあたりで、悪役ズの悪役ソング「A Story Told」がくる。もしかしたらこの曲が一番カッコいいのではないかなw

幽閉されて、もう出られないならと死を覚悟するシーンは、一瞬にして話を進めなくてはならず、ミュージカルならではの演出が光る。一方で、悪役三人衆が悪事を働いていくさまも見せるが、このあたりも原作にはない展開(原作ではカドルスやノワルティエは伯爵の復讐シーンにも出てきて、そこがまた面白いのだが)。

牢屋で出会うファリア神父とのシーンは、このミュージカルでも随一のお笑いポイント。なお原作でもそう(面白いよ)。神父は二人とも素敵だけど、セクハラ度高め面白さではかるならボムソクさんかな。
エドモンがひげをきれいにしてもらって、スプーンの裏にうつる自分の顔をながめて、「ハンサムだぁ~」ってやるシーン本当にかわいい。
エドモンに、知恵を授けて、真実を教えて(陥れられたと知ったときのエドモンの顔といったら、、白目むいてたよ)、そして宝のありかを教えて亡くなってしまう神父。最後の神父の歌は、自由になって王になれ、復讐ではなく希望を得るのだ、、、これはいつ聞いても泣いてしまう。ソンチョルエドモンは、いつも、神父を胸に抱いて本当に涙を流していた。このあたりは彼の演技力が光るシーン。なお、見た中で一番感動的だったのが2月16日で、神父もエドモンも歌が途中かすれかすれになり、しかしソンチョルは高音の「ぼくたちを待っているー♪」のところなど、ばっちり決め、ボムソクさんも決めていたので、亡くなるシーンの急にこと切れる感がはんぱなかったw。この日はソンチョルのえぐえぐ泣きが見れて満足)
なお、原作の神父は、頭はめちゃくちゃいいけどもう少し気が狂ってしまった人のようにして描かれていて、別に復讐するなとか説教めいたことは言ってなくて、どちらかというと宝が…宝が…!って感じで亡くなってしまっている 笑。でもエドモンを本当の息子のように思っていたのはミュージカルも原作も変わりなく、短い時間だけど印象に残るシーンである(いや小説ではまあまあ長いけどw)。

このあとは脱出シーンとミュージカル完全オリジナルの海賊シーン。原作の海賊や盗賊のくだりはかなり面白いけど、3時間弱のミュージカルではかなり無理があるので、ミュージカルの海賊シーンは分かりやすいし華やかでいいと思う。私が見たときは12月は2回とも女海賊ルイザはウンミさんだったけどセクシーかつキュート、その場を支配する存在感で素敵だった。
そして、囚人服→海賊への早着替えシーンは見どころ。この海賊衣装がかわいいのなんのって!!これ4モンテともにとてもかわいいと思う。見てのお楽しみ。なお私はオペラグラスでこの衣装であらわになるソンチョルのタトゥーをガン見しました。すごいいろんなところにいろんなタトゥーがあるねw 今回は隠してないみたい。(註 なお1列目だと肉眼でタトゥーがよく見えます。海賊モンテが目の前にきたので、にくがんで!!ふおおお)

海賊のジャコポとの対決もすごく漫画的で楽しい。センターでみたときは、ジャコポを倒して、喉元を掻き切らんと覆いかぶさった時、ソンチョルエドモンの目は完全に吊り上がって怒りに満ちていて、、、、震えた。この海賊がらみのシーンは、センターで見ると楽しい演出のひとつ。

海賊の力を借りて神父に教えてもらったモンテ・クリスト島の宝にたどり着くエドモン(ちなみに原作だとなかなかたどり着かなくて大変なんだww)。そしてモンテ・クリスト伯爵と名乗るところを決意する。この「伯爵!」の韓国語の発音がいつ聞いてもかわいいなと思っている(ペクチャ?)

舞台はモンテゴと結婚したメルセデスが、息子アルベールとエドモンを陥れた検事ヴィルフォールの娘ヴァランチーヌとの結婚のことについて話しているシーンへ。藤棚の下で話しているのだが、このときの紫のドレスがとてもきれい。なおこの息子アルベールのキャラは、原作の息子と、恩人のモレル船主の息子マクシミリヤンとのハイブリッドである。原作の息子アルベールは色恋のところはあんま絡んでこない。正確にいうと、別の女性(エドモンを陥れた経理係ダングラールの娘)とお互い気がないのに結婚させられそうになっているけど、このダングラールの娘は女性と手に手をとってベルギーに逃げてしまうのだ!このあたり、非常におもしろく好きなんだけど、当然3時間には収まらない。原作の方が深みがあると思うけど、観客には分かりやすいいい改変なのかなと思う。なおミュージカルのアルベールは性格も原作アルベールのおとぼけ感(しかし、それが母を守る男として成長していく様子がなかなかによい)とマクシミリアンのまっすぐで融通のきかないイケメン感両方持つ感じになっていると思った。

モンテゴも登場し、幸せな家庭という感じではないことをにおわせる。この指輪は?お前がエドモンに贈られたこの指輪を首にしていることを知らないと思った?と指輪のネックレスをひったくってたたきつける(ここで捨ててはない?よね。このあたり、モンテゴには後ろ暗いところがあるからだよなぁと思う)

この後、メルセデスのナンバー、「When the world was mine」がきます。このあたりの悲しくはじまり途中に力強く変化する感じはソンミンさんがあっていたね。ヘジンさんも素敵だった。

そして、白い衣装に身を包み、オールバックにちょびひげのモンテ・クリスト伯爵ことエドモンが登場。黒いケープで神父のふりをし、ジャコポやモレル船主から自分を陥れた人たちやメルセデスの消息を聞くが、ここまで耐えていたものの父親が飢え死にしたと聞いて怒り爆発!!!!!
これは原作のセリフでミュージカルではここでは言ってない、後の方に出てくる台詞(多分)だと思うが、どんなにいやしい動物でも飢え死にするようなことはない、まして人間が、おなじ人間たちの中にあって飢え死にするなんて、、、そんなことはありえない、、と悲しむ。
ここ、ソンチョルモンテは(というか音楽も)メルセデスの結婚を聞いた時は、あくまでも悲しみ。モンテゴと、というところで顔を歪めても、悲しみ。でも父親が飢え死に、というところで明らかに顔色が変わるのだ。
なお、原作では、モレル船主が最後までエドモンの父親のことを気にかけていたことを知り、エドモンは恩返しをする。最初にするのは、復讐じゃなくて恩返しなんだよね。ドラマティックで本当に泣けるので、ぜひ原作を。
(12/30注 ミュージカルでもモレル船主に恩返しをするシーンはあるけど、小説の恩返しは回りくどくしかし感動的で、、泣けるのです。ぜひに。)

とにかく、黒いケープを脱ぎ捨て、怒りに震えて始まる地獄ソングこと「Hell to your doorstep」は圧巻。これは一度はドセンで見て。というのも、回転舞台(4段?)を最高に生かした演出なのだが、まずどまんなかで高笑いしたあとに、アンサンブルがやれ回転舞台の中やエドモンの後ろからフォーメーションを組んで出てくるのだが、それがドセンから見ると本当にきれい。照明も真っ赤に染まり、モンテの衣装も血のように真っ赤になる。そして、復讐相手として、悪役3人衆とメルセデスが出てくるのだけど、チョルモンテは(24日夜は)メルセデスの前で跪いてしまう。どうして私を裏切ったのかと。24日ではいつもの旋律をオクターブ違いで歌ったり、歌というよりもはや叫びだったり、とにかく9日の10倍くらいのエネルギー量で演じてたと思う。これはマッコンに近づいたらどうなるのだろう。
註 12月のわたしへ。マッコンに近づくと、大変なことになる。2月16日夜の感想をここに追加するが、この日、チョルモンテは「ファリア神父様」と膝をつくところで涙声だったのでぎょっとした。そのあと、嗚咽しながらあなたが間違っていることを願ったのに~のセリフを言って、前をすごい目で睨んだ後、私は悪魔に魂を売ります!と叫んで、この台詞の「にだ!」のところでだーーっと両の瞳から涙を流した。5列目センターだったから間違いない、見事に涙がたまっていって、この最後のひとことで一気にだーーっと溢れた。そんなタイミングいいことってあるかよ。さすがだよ。この日は、最後のサビもオクターブ上げ。すごく感情が入っていたように見えた。
地獄ソングは、チョルモンテとウンソンモンテと、ギュヒョンさんのモンテでキーが違うっぽい。イングクさんはわからない。個人的にはチョルモンテらの高いキーの地獄ソングを推す。ぐるんぐるんとまわる舞台の中心にモンテ、みんなはとぼとぼと周りを歩く(このあたりの演出面白い。言葉で表現するのが難しい)。最後はアーーーーメーーーンで自分の胸のロザリオをふんだくって暗転!で休憩。この地獄ソングが圧巻なので、いつも休憩はザワザワ…という感じになるw

1幕ですさまじい文字数になってしまったため、2幕は駆け足で。冒頭のローマのカーニバルシーンは華やかだが、ローマ感は皆無である。ここで、アルベールは盗賊に囚われて、同じく囚われてる(やらせ)伯爵と出会う。伯爵は鎖をほどき(やらせだから)盗賊らにも1人で打ち勝つ(やらせ)。ここのやらせ感が、24日に見た時にはパワーアップしてて笑った。あっ!これは大変だ!(棒)みたいなチョルモンテの仕草、かわいかった。(註 なお1月~2月にすすむと、このやらせっぷりはさらにすすんだw ファイティングポーズをとることもあった。また、2月18日は、ルイザに刺された!ってやった後、手でそこをぬぐってじっと(血を)みつめる、という動きもあった。細かいぜキムソンチョル…)

アルベールは前エリザのルドルフやってたユンソクさんと、スリルミーで私やってたジュスンさん両方見れた。歌はユンソクさんの方が好みで、演技はどんどん成長する感じのジュスンさんが印象的だったな。

パリの社交界デビューを果たす伯爵。このシーンも華やか。アルベールは恩人として父に伯爵を紹介するが、モンテゴは気づかない。母としてメルセデスを紹介され、2人の間に衝撃が走る(伯爵は分かっていたわけだけど)。
このへんのライトがピアノのドーンという音にあわせて落ちる演出もきれい。チョルモンテはというと、最初にじっと彼女を見つめた後、目を逸らしてからは、メルセデスとまともに目をあわせられない。ずっと、うるうるしている。彼女の胸に自分があげた婚約指輪のネックレスがあるのに気づいて、しっかりしろ、と歌っているのは自分に言い聞かせているんだよね。動揺して、最後彼女のネックレスをひったくってその場を去る。彼の心情を考えると、泣ける。
なお私が読んだ限りでは、原作の伯爵はメルセデスには復讐をしようとしていない(ミュージカルでも結果的にそうだけど、でも地獄ソングなどでは裏切りの対象として出てくる)。メルセデスは孤独でモンテゴのことは兄弟のように思っていて、一方エドモンも戻らずモンテゴも出征してしまい、寂しさに耐えかねてモンテゴの求愛に応じてしまうという感じだった。時が流れればそういうこともあるよね。そのへん、フランスなので現実主義的。

伯爵の復讐シーンは、原作ではサビだが、ミュージカルではかなり駆け足w。エドモンを陥れた3人はそれぞれ、違ったやり方で身を亡ぼす。でもどれも結局、自分の身から出た錆なんだよね。伯爵はきっかけを与えただけで。

伯爵のせいで自分の父親が身を滅ぼしたと思ったアルベールは、伯爵に決闘を申し込む。伯爵のもとに息子の命乞いにやってくるメルセデス。ここの流れは、小説が面白い。
小説の流れ。メルセデスが息子との決闘をやめてくれというので、伯爵はじゃあ私が死ねばいいってことですね!と半分逆切れ→メルセデス、では息子は生きられるということですね、昔とかわらない気高い立派なあなたありがとうと引き下がる→伯爵、ショックを受ける→あの気高い女のことだ、決闘の中に飛び出してくるつもりだろう、女が決闘に出てくるなんて笑いものになるのに…(云々と思いなおす)
デフォルメしてるけど、これめっちゃかわいくないですかw ミュージカルだと、愛する人が愛する息子を殺すのを見たくない、とはっきり言っているのだね。このあたり、原作だとそこまではっきり言ってない。昔と同様、エドモンを愛しているのは伝わってくるけど、2人とも昔には戻れないことを分かっているから、はっきりといえないのだよね。

つまりここで言ってしまうと、原作ではエドモンとメルセデスは結ばれない。マルセイユでエドモンと最後に会った後(このシーンがまた切ない)、彼女は、遠ざかっていく伯爵ではなく、兵士としてアフリカに出発するアルベールの船を探して、「エドモン…」とつぶやく。ここは「The man I used to be」の歌の中にも、反映されてる。結局メルセデスは、エドモンを愛しているのだよね。でも彼は今伯爵であり、時の流れは残酷であり、彼女がいま一番大切にしているのは、息子アルベールなのだと。息子の中に昔のエドモンの姿を見るのだなぁ。一方エドモンは、モンテゴが売った太守の娘エデ(奴隷になっていたところを伯爵が助けた。ミュージカルでも告発シーンのところだけ出てきた)の愛を受け入れて一緒に旅に出ておわり。エデは多分10代?で描写としては初期メルセデスなので、当初エデを選ぶんか?という流れになってきたとき、お前結局若い女かよ!と思わないでもなかった。そもそも自分が死んだらマクシミリアンにエデを託そうとしてたし、ほぼ娘でしょ、、と。でも最後の方を読み進めて、伯爵は幽閉された期間に失っていたものを全て手に入れたのだ、と思ったら、このラストはたまらなく希望に満ちた素敵なものに思えた。そして最後のセリフが、「待て、しかして希望せよ」だからね。

原作に話がそれたけど、結局メルセデスが事情を話し、伯爵の復讐を理解したアルベールは決闘の場で自分を撃ってくれと言う(泣ける…)。そして、自分の復讐の流れで、ヴァランチーヌの幼い義理の弟まで犠牲になった(原作だと完全に亡くなっているけど、ミュージカルだとまだ助かるかもしれない、と言っているね)ことを知り、顔色が変わる。
ここのキムソンチョルが見事で、伯爵の衣装を着てからは、ずっと目が吊り上がっていたのだけど、ここで不安そうなただのエドモンの顔に戻る。神父さま、私はどうすればいいですか、センターで見ていると、ここであの日の姿のファリア神父がちょうどエドモンの後ろから出てくる。希望を持って、世の中を許しなさい、ここでツーっと涙が流れて「The man I used to be/あの日の私」である。めっちゃ感動する。

この後、モンテゴが復讐にやってきて肉弾戦になり、結局自死してしまうが(このあたりまったく原作にはない)このあたりでもちゃんとアルベールが自分の父を気にしていてよい(前バージョンのやつって、アルベールがメルセデスと伯爵と抱き合ってなかった?そんなうまくいくかい!っていう、、)。今回のは、漫画的だけど、切ない終わり方。

最後も、メルセデスと明確に結ばれるというよりは、余韻を残しながらこれからの希望が見えるラスト。このあたりのキムソンチョルの顔は、柔らかく、しかししっかりしていて、エドモンでも伯爵でもない、これからの私に変わっているのもとっても素敵だった。

原作を読んだ時は、復讐ものとしての面白さもありながら、キャラクターひとりひとりの生き生きした感じと、伯爵の人間味(なんやかんやと優しいんじゃ―!)その愛に圧倒されました。また、親子の関係について考えさせられる(親の罪は子の罪なのか?とか。そこは別物だよねというメッセージを感じる)ところも。ミュージカルはそのあたりのエッセンスも生かしつつ、1人の青年の成長物語としてすごく魅力的な大作に仕上がってると思います。歌謡曲みたいな楽曲や派手な演出も楽しい。もし2月までに渡韓する機会があれば、おすすめできます!

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