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なぜ広報施策の成果が出ないのか?

求人広告のコピーライターを経て、IT系メガベンチャーと博報堂系広告会社の広報部立ち上げに携わり、今は小さな広報コンサルティング会社リープフロッグで広報部門の立ち上げ支援をしている松田純子です。広報時代も含めたライター歴はかれこれ18年ほどです。

こちらのnoteでは、企業広報&広報コンサル、ライターの経験を生かして、広報担当者の方に役に立つ情報や読みやすい文章を書くコツなどをシェアしています。※冒頭の絵は毎回かわいい動物さんです♪

今回のnoteでは、一生懸命取り組んでいる広報施策がなぜ成果に繋がらないのか…「成果を出せる人」と「成果を出せない人」の頭の中に注目して、「理解の解像度」をキーワードに分析してみたいと思います。


■そもそも広報施策って何よ? 


で、早速なんですが、

そもそも「広報施策」って何よ?

どうやって考えるのよ?


というご意見もあろうかと思いますので、まずはここから少しお話しします。

例えば、会社の広報担当者が未経験で、誰からも広報業務について教えてもらえない状態だったらどうするか? まずは、広報関連の本を読んだり広報セミナーに参加したり外部の力を借りるなどといろいろな方法が考えられますが…



一つの有効な手段は他社の「マネ」をする
ことです。



ここ5年ほどで大手企業以外の小さな会社でも広報活動を積極的に行う企業が増えています。小さい会社に共通する広報ノウハウもすでにある程度確立されていますので、他社の広報活動を勉強してマネることはとても有効です。



参考)マネする会社の見つけ方


ちなみに、note内でググるといろいろな会社の広報さんが自社の取り組みを紹介しているのでとても勉強になります。


(参考)自社の取り組みについて書いている広報さんのnote例



「B2B企業の広報施策ってどんなものがあるのか??」にご興味がある方は、最後のいわたちかさんの記事をクリックしてみてください。


で、ここからが本題です。(長かった。ごめん。)

(今回はマネの話じゃない)



■なぜ広報施策の成果が出ないのか?


松田は企業の広報担当者の育成支援を生業としていますので、さまざまな場面で新人広報の方にお会いします。その中で、以下のようなお話を聞くことがあります。


色々考えて施策にチャレンジしているけれど、まだ最終的な成果には繋がっていません」


例えば、

・プレスリリースは出しているけれど、掲載されたことはない。
・メディアに社長インタビューを提案しているけれど、取材されたことはない。
・社内の各部門長にヒアリングをしているけれど、何も新しい話が聞き出せていない。


などなど



一方で、例えば松田の過去のクライアントの新人広報さんなどで、広報業務について一度やり方をお伝えしただけで内容をキャッチアップして、自分なりのやり方で成果に繋げる方もいらっしゃいます。(もちろん、たった一回でキャッチアップする方は稀ですが…)




こうした違いはなぜ起きるのでしょうか? 

どのように解決することが出来るのでしょうか? (´-ω-`)



■アウトプットの差を生むのは「理解の解像度」


(趣味の人間観察も兼ねて)広報コンサルタントの松田が成果を出すのが上手い広報さんをじっくり観察した結果、最近気づいたのが


彼らの「理解の解像度」の高さです。



何かの施策が最終的に成果に繋がるかどうかは、さまざまな要因が絡み合います。やれば必ず成果が出ることはありえません。ただし、アウトプットの精度を上げることで、成功確率を上げることはできるはずです。

このアウトプットの精度を上げるために重要なのが、対象(施策のやり方など)に対する「理解度」です

アウトプットの精度を高めるためには、対象となることがらの理解度を上げること、それもその



(ポイントを押さえた上で、できる限り緻密に理解)することが有効だと言えます。



そして、松田が見る限り





※解像度のイメージ




この理論をもとに

ある業務のやり方を学んだ際、「なるほど、分かった! こうすればいいのか!!」と思った時の頭の中を、成果を出せないでいる人/よく成果を出せる人で分解して見てみます。

以下の例は、ある二人の広報担当者が、自社サービスAの大規模アップデートについて開発部長にヒアリングし、


※ここ重要


双方でどのような理解の差が生じているかを(多少おおげさに)表したものです。


[成果を出せない人1]


[成果を出せる人1]


そう思うと怖い。


■「理解の解像度」の差が「再現力」の差に繋がる


そしてこの「理解の解像度」の差



ことになります。


[成果を出せない人2]


[成果を出せる人2]


・理解の解像度が「高い」場合には、

「AがBだということは、CはDだな。」


という思考が可能で、再現力が高い状態です。


・理解の解像度が「低い」場合には、

「AがBだとは分かったけれど、Cをどうすればいいかは分からない」



という思考に留まってしまいます。そして、この再現力の差がそのままアウトプットの大きな差へと繋がっていくのではないでしょうか。



■例えば、プレスリリースの配信業務


例えば、プレスリリースを書いてメディア向けに配信するという業務で考えます。


・理解の解像度が低い場合

【理解】プレスリリースを書い後は、メディアに送る。
【実行内容】プレスリリース書いてメディアに送る。
→プレスリリースの内容とまったく合わないメディアに送ってしまって掲載されない。


・理解の解像度が高い場合

【理解】プレスリリースを書いた後は、プレスリリース内容に関する情報を求めているメディアに送る。
【実行内容】今回のプレスリリース内容は、「経営層やリーダー層が読者でITトレンドをよく扱うメディアが求める情報」なので、メディアAとメディアBにプレスリリースを送る。
→その結果、メディアBで掲載された。



また、このメディアに対する理解を応用すると別の企画も…


【応用】自社サービスの潜在顧客である、ITサービスを探している決裁者の経営層、リーダー層が読むメディアA・Bに自社サービスの情報を取材してもらうにはどうしたら良いか? メディアAの場合は、○○な情報がよく読まれている(人気ランキングに入っている)ので自社サービスのXXについての情報をユーザー事例として取り上げてもらえるように提案してみる… etc. 


など、”メディアの特性に対する理解を応用”して、別の広報施策を考えることも可能なのです。


■結論


つまり、改めて最初の疑問「なぜ広報施策の成果が出ないのか?」に戻ると以下のように言えそうです。



この気づきは、自分への戒めにもしたいと思います。


以上、今回は、なぜ広報施策の成果が出ないのか?について、「成果を出せる人」と「成果を出せない人」の頭の中に注目し、「理解の解像度」をキーワードに分析してみました。



最後までお読みいただきありがとうございました! ヾ(*´∀`*)ノ



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