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英単語 shareのスペルと発音の関係

 言語というものは、ルールがあるように見える一方で、ルールがないとも痛感させられる二面性を持っています。私の英語学習の中で、後者のルールがないと痛感させられたのは、言葉(=英単語)です。英語を学んでいくと、言葉がひとつひとつ異なるユニークな歴史を持ち、今私たちが目にしている綴り・意味や発音になっていることが、わかってきました。
最初は、それらのユニークさがあまりにも違い過ぎて、毛嫌いしていましたが、英語と付き合いが長くなるにつれて、そのユニークさが個性的で面白いものだと感じられるようになってきました。

そんな個性の塊でもある英単語の中から、今日はshareのスペルと発音の関係で気づいたことをお話ししたいと思います。

📌英語の母音 1字 発音ルール

英語の母音 1字の発音には、こんなルールがあります。

母音字a, e, i, o, u, y には「短音」と「長音」がある。

大名 力著『英語の文字・綴り・発音のしくみ』

例えば、母音「a」には、短音は、appleのa /æ/、長音は、aprilのa /ei/の2つがあります。aprilのa /ei/の音を聞くと、それはaをアルファベットで読んだ時の音と同じだとわかります。それに対して、appleのa/æ/は、ローマ字でaを読む時の音に近いことがわかります。

📌share のaは、短音?長音?

ところが、最近レッスンを準備している際に、ふとshareという英単語のaが、短音(ローマ字読み)でも長音(アルファベット読み)でもないと、発音していて改めて気がつきました。
確認のため、辞書を引いてみると、shareのaは、/e/という発音記号になっています。
短音でも長音でもないパターンがどうしてあるのだろう。
もしかすると、昔は綴りが違ったのかもしれないと思い、Oxford English Dictionaryで確認してみることにしました。

📌shareの綴りは昔は違った

Oxford English Dictionaryで、shareを引いてみると、古英語(Old English)の時代には、スペルが違うことがわかりました。古英語(Old English)の時代には、shareは、scære、sceareと綴られていたことが、Oxford English Dictionaryに書かれていました。

古英語のshareの綴りsceareを見ると、shareのaが、/e/になった理由がわかります。
sceareeaで、/e/という音になります。(head のeaを、/e/と発音するのと同じです。 )

Oxford English Dictionaryの例文によると、shareという綴りになっているのは、1372年の例文でした。

📌まとめてみると

 Oxford English Dictionaryを読んでいく中で、shareという単語は、古くはscæreまたはsceareと書いていたが、14世紀後半から現在みられるようなshareというスペルになったが、/e/という音は残り、スペルだけがaとなったと、私は考えました。
 どうしてaというスペルになったのかというのは、また調べていく必要がありますが、スペルが変わっても音は変化しないというユニークさをshareという単語に見たように感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんにとって今日の1日が言葉と文化でちょっと素敵になりますように。

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