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地図状舌を治す

最近ネットのニュースで「コロナ舌」と呼ばれる新型コロナウイルスの後遺症の記事を読みました。感染後に舌の表面がえぐれてガタガタになってしまう人が大勢いるものの、以前から「地図状舌」と呼ばれていたこの症状は原因不明で治療法がないそうです。多くの人が苦しんでいるのに。

遺伝や内分泌の問題、自律神経の以上やストレスや睡眠不足、ミネラルの不足などそれっぽい理由を挙げるお医者さんは大勢いるようですが、脳性麻痺の子供もこの舌になります。

症状の重さでえぐれ方は変わります。


地図状舌の度合いと特徴

重度:

穴が開いてブツブツとしたものが見えている


しっかりとえぐれて内側からブツブツとした点が見えている。まるでイチゴのよう。実際これはガラクトースがむき出しになっている状態で、痛くて食事もとれなくなります。ガラクトース結合型レクチンを摂取すると直撃です。このとき食べれるのは重湯くらい。固形物は難しいです。お肉などを加熱してからペースト状にしたものを食べた後に元気になることもありますが嫌がって食べないことも多いです。このような状態になるときは突発的に熱が出たり、てんかん様発作を起こしたりします。寝ているときに血糖値が極端に下がることが多いです。


中度:

まんべんなく広く脱落している



ところどころに穴が開いている状態。体調が悪いことが多く倦怠感が強く出ていることが多く、要注意。ほっておくとすぐに重度に進行しがち。独特の匂いのある唾液が出ていることが多く、歯磨きをしっかりすれば改善することもある。多めに水を飲ませてやると楽になることが多い。


軽度:

真ん中がちょっと剥げている程度


うっすら舌の表面が薄くなっている場所とそうでない場所がある。歯が当たる場所などではえぐれやすい。地図状と呼ばれるのはこの程度の状態のことが多いはずですが、症状が重くなれば真っ赤になるほど穴が開くのでできるだけ軽度で終わるように歯磨きをすべき。


地図状舌の原因と治療・予防

実は地図状舌の原因は「糖鎖の脱落」です。N-アセチルノイラミン酸(シアル酸)という糖鎖は舌の表面にうっすらと存在します。脳性麻痺の子供の脳はこのシアル酸がガッチガチに集まってきて脳神経のダメージを保護しようとするのですが、これが多くなりすぎるとシアリダーゼによって溶かされ調整されています。
脳性麻痺の子供はシアリダーゼが多い状態にあります。これは脳だけでなく体のあらゆる場所に存在するシアル酸を溶かしてしまうことになります。それで脳性麻痺の子供は舌はシアリダーゼによってシアル酸が溶かされて穴が開いてしまうんです。

この状態は軽度であればいわゆる「地図状舌」と言われるものです。漢方薬などで体質を変えると治ると言われますが、漢方薬の生薬は私の子供には合わない双子葉合弁花類が多く、特にこの症状に対して処方される薬の生薬は使えません。

そこで「糖鎖の病気なら糖鎖で治す」ということを考えました。

まず、重度の場合は「足りないシアル酸をサプリメントで補う」のが手っ取り早いです。ただしこのとき足す量が多すぎるとさらにシアリダーゼが出てさらに穴が拡大するという悪循環に。そうならないようにするには早めに見つけたら迷わずシアル酸サプリメントを飲ますことです。

https://note.com/lectin/n/n68a21020b47e

軽度・中度の場合はまずは歯磨きを頑張ることです。なぜならシアリダーゼは歯槽膿漏の原因菌であるジンジバリス菌によって生産されます。ですから口の中が汚いとシアリダーゼは増えやすい状態に。このとき舌が痛いなら歯磨き粉などは使わず水磨きだけでOK。もしも可能ならアセスなどの除菌薬を使うのも良いです。

うちの子供はまだうがいができません。少量だけ口の中に塗り拡げてすぐに拭いてやっています。これは刺激がとても強いので子供も嫌がりますが効果は絶大です。軽度の時に数的歯磨きの時に使ってやると予防的な効果もあります。


口の中だけでなく、外側の除菌も大事です。こういったアルコール消毒綿で口周りを時々拭いてやると違います。

治療が大事か、予防が大事かと言われたら私は予防の方を重要視します。なぜならこれは「シアル酸が脱落しやすい状態の体質」であるなら、ちょっとやそっとで治るようなものではなく長期間ずっとこの問題と付き合っていかなければならないからです。そうなると「シアル酸が脱落しにくい状態」に体質を持っていく以外ありません。


そこで使えるのが硫黄サプリメントです。いわゆるMSMパウダー。


我が家ではOptMSMという商品の添加物の入っていないピュアパウダータイプを使っています。以前別のメーカーの安価な商品を使っていたのですが飲ませた直後に具合が悪くなりました。錠剤タイプやカプセルのものもダメでした。硫黄の効果よりも添加物に含まれるケイ素の効果が先に出てしまい、具合が悪くなってしまったのです。だから絶対パウダータイプ。

この硫黄のサプリメントと精製塩を10:8~9くらいの割合で水に溶かします。ドクターズベストの商品なら内側に小さなスプーンが入っているので、水200ccに対してスプーン1杯の硫黄を基準に、少量減らした塩を加えて硫黄塩水を作ります。

これを1日に1~2回飲むと舌のえぐれていたものは3~4日でスッキリと治ります。これを2日に1回くらいのペースで飲ませているだけで重度になることはなく、なっても軽度の状態をキープできます。

悪くなってからは塩味が強いと飲みづらいので、普段から飲んで悪くしないようにすべき。

最初、私はこの舌の状態が「地図状舌」という名前だということも知りませんでした。ただひたすらかわいそうで、こんなにもえぐれていたら痛いに決まっているのにしゃべれない子供はそれを訴えもできずただ絶食に近い状態で何も食べれずにいたんです。

そこで私は某国立大学の大学院の薬科の教授にメールをして糖鎖と舌の関係について質問しました。シアル酸についてとても詳しく教えていただいたのですが、その時はメールの返信内容に何が書いてあるのか全く理解できていませんでした。その先生も研究者で医療のことは全くわからないけれど、「シアル酸が脱落すると舌や粘膜はこうなる」と教わったのでシアル酸の補給を試してみたのです。

それはてきめんに効果がありましたが、調整はとても難しかったのです。シアル酸を補給すると確かに大きな穴はいったんふさがるのですが全体の白い苔の部分がこんもりと厚くなります。これを溶かそうとして余計にシアリダーゼが分泌されるので、穴は余計に大きくなりました。

少なすぎると効果がなく、多すぎると被害は拡大する。偶然ちょうどいい与え方ができたからといってそれをキープするのは至難の業で、穴が大きくなればなるほど言葉がでなくなったり、教えたことを忘れたり認知機能の影響が大きかったのです。大人なら物忘れ、子供なら発達遅滞や後退と言われる状況です。

これは明らかに舌だけの問題ではないのは明らかです。

ですからシアル酸補給だけではだめだと思いました。足りないから足すというだけでは解決しない問題なのです。

白い苔が多すぎて穴が深く開いた状態、シアル酸の過剰


そして何となく思いついて「玉川温泉は硫黄と塩と鉄の温泉。鉄を混ぜるのは難しいけど塩と硫黄くらいならサプリでできるかも」と、水に溶かして飲んでみたところ倦怠感がスッと取れて体調が良くなりました。そのまま続けて飲んでいると、いつの間にか舌のえぐれていたものが一切なくなっていたんです。

あれ?!長年ずっとえぐれてたのにいつの間にかなくなってる?!

驚いて考え直してみたのですが、思い当たるのは硫黄塩水しかありません。偶然発見した硫黄塩水ですが、きれいにつるりと症状が改善したんです。それから続けて飲んでいます。

そのことで余計にこれは舌だけの問題ではなく、脳の脱髄に関する問題だったのだと思いました。脳の状態が舌に現れているだけだったんですよ。


地図状舌は脳から治す!

「発作」「麻痺」というキーワードは脳を勉強していると必ず「脱髄」というキーワードとひとくくりになります。

なぜ麻痺しているのか?
なぜ発作が起きるのか?

それは「脱髄をしたから」です。そして脱髄はなぜ起きるのか?というと、ものすごく雑にシンプルにざっくり言うなら、シアリダーゼによってシアル酸が脱落したからです。

ではなぜシアリダーゼが多くなるのか?というと生成菌のせいでもありますが、一番の原因は体内にあるシアル酸の量が多すぎるから。

そしてなぜシアル酸が多すぎるのかというとアロマターゼとエストラジオールが多すぎるから。どうしてこれらが多くなるのかというと脳にダメージがあったから。

このときに言う「脳のダメージ」とは大きいものも小さいものも含みます。明らかな脳出血の場合もあれば、ウイルス感染、薬物や医薬品、食べ物の影響などもその原因になります。ダメージがあるとアロマターゼとエストラジオールはそのダメージの被害を抑えようと集まってくるのです。

となると、抗エストロゲン薬であるタモキシフェンを飲み始めてから地図状舌の調子が良いのもうなづけます。地図状舌になるときは必ず強い倦怠感があります。とにかくだるい。これはコルチゾールが高い状態にある時だと思います。なぜなら子供の身体はとてもやわらかくなっているので。硫黄塩水で倦怠感が消え去るのはコルチゾールの調整ができているせいかも。

ただしタモキシフェンはCYP3A4とCYP2D6によって代謝されます。つまり摂取する量が多すぎた場合はCYPの量が減ってしまうことでコルチゾールが上がって低緊張は強く出るということ。この量が多すぎることは良くないので「ちょっと少なすぎるかな」と思う程度でいいはず。そして投薬期と休薬機を作ることで調整するのが良いです。

それと当然舌がこの状態になっているということはガレクチン高含有食品は食べないほうがいいです。粘膜のムチンとガレクチンが結合し、粘膜をより多く剥がしてしまうことになるので。人間の粘膜のムチンと植物のガレクチンが結合すると負けるのは必ず人間の方です。

ガレクチンが多い食べ物は、双子葉合弁花類を中心とした植物です。ウリ科、セリ科、キク科、マメ科、イネ科、アオイ科、トウダイグサ科に多く、ナッツ、キノコ、果物、芋といったいわゆる「種」を食べる場所に多く含まれます。

玄米やトマト、チョコレート、大豆、ゴマなど「栄養価が高い」「ポリフェノールを含む」といった文言でPRされるような食材に多く、「地図状舌は栄養不足から起こる」「なんでもバランスよく食べていないからこうなったのだ」という栄養学的な考え方で食事を取っていると逆効果になります。そういったものは元気な人が病気にならないようにするための食べ方であって、病気の人が養生をするときに食べる食べ物は「あえて偏りを作る食べ方」のほうが治療に結びつきます。

栄養とは何か?
それは誰にとっても、どんな時でも本当に栄養になるのか?
一般的に言われていることが当てはまらない人間は何を食べればよいのか?

そのことに対して向き合い続けてきた結果、その過程で地図状舌の治療方法を発見しました。


シアル酸が多く含まれる卵の食べ方の工夫

そしてもう一つ気になることが。それは卵に含まれるシアル酸です。

うちの子はオムレツが大好きで「3個入れてね?4個でもいいよ?」といって朝から大量のたまごを食べたがります。目玉焼きも卵かけごはんもよく食べるので1日通してみると8個くらい食べている日があります。
大抵の人はコレステロールを心配されるかと思いますが、生体異物除去食でCYPをコントロールしている我が家の場合はそれは全く問題がなく、どちらかというと鶏卵に含まれるシアル酸の量が多いことの方が問題に。

卵のカラザと呼ばれる白身と黄身をつないでいる紐のような形状をしたものがあるのですが、そこと卵黄の膜の部分にシアル酸がたくさん存在します。

卵の食べ方はちょっと工夫が必要で、「ちょっと穴が開いてきたな」と思うなら4個くらい食べると少し改善しますが、8個くらい食べると筋肉はしっかりして骨も関節も硬さを感じる体つきになってきてよいのですが、舌に関しては穴が開いてきてよくない状態に。

シアル酸を多く含む食べ物は魚卵やツバメの巣などですが普段大量に食べるような食材ではないので、鶏卵が日常的にシアル酸を摂取できる数少ない食材ということになります。

1日に1~4個までしかたべない場合:そのまま食べる
5個以上食べる場合:カラザを数個分取り除いて食べるか、硫黄水を多めに飲む

というような対応で何とか乗り切っています。

糖鎖って難しい?!

糖鎖の話をすると小難しくてわかりにくいと言われる方が多いのですが「舌の表面の組織は食べ物によってはえぐれて落ちて地図状になる。口の中が汚いとなりやすいし、女性ホルモンが過剰で疲れているときに出る抗炎症ホルモンが足りないと舌の傷を修復できない。傷は粘膜の組織そのもののサプリを飲めばすぐ治る。根本的に治療するには脳を癒す必要がある」ということ。ちょっと長いですね、これでもやっぱりわかりにくいかな。

「食べ物を食べて粘膜と結合をするために粘膜が剥がれる」という状態は言葉だけで言うとなかなかピンときにくいかと思います。
それは「ヤクルトやカルピス」を思い出してもらうとわかりやすいかも。

今のヤクルトやカルピスには特別な加工がしてあるのでそれほど気になることはないのですが、昔のカルピスは飲むと口の中にダマダマとしたものが溜まっていましたよね。今でも人によっては溜まりやすい人がいるはず。
あれはカルピスに含まれるレクチンが人間の粘膜のムチンと結合をして剥がれたムチンのなれの果てです。たまっていたものはカルピスの成分ではなく自分の身体の一部だったんです。カルピスの場合はわかりやすいですが、それに限らず多くの食品で同じことが少しずつ起こっています。

口の中だけではなく消化器系の粘膜全般でそれは起きているのですが、起きやすい人と起きにくい人がいます。

https://note.com/lectin/n/naf8e36465bfc

このページで説明しているABタイプは粘膜が結合しやすく、CDタイプは比較的結合しにくい体質です。自分がどちらの体質なのかを把握して、食べるものについて取捨選択をする必要があると思います。

ただ地図状舌の状態になっているということはABの偏りが見られるということ。ガレクチンに限らずセレクチンの摂取も控えたほうが無難だと思います。セレクチンは動物の内臓や皮や乳などに多く含まれています。

また、大きくえぐれているときは必ず24時間血糖値を測ってみると機械の測定が不能になるほど「LOW」の表示になります。えぐれていないときの血糖値は60前後、ひどく穴が開くときはLOWから40前後です。これは寝ている間にエネルギー不足になっていることを示しています。

https://note.com/lectin/n/ndd10da9a0f2d

脳で炎症が起きていて、それに対してエネルギー不足が起きて軽度の脱髄が起きていると自分では絶対に気が付かないと思います。ただ物忘れがあるなぁとか、だるいなぁとかそういう実感があるだけでしょう。起きたときに首が痛いと思うこともあるかも。

寝る前に太ることを気にせずしっかりと炭水化物を摂取してから寝るといいです。お餅とかコシヒカリのおかゆとかがおすすめ。寝るときは保冷剤で頭を冷やしながら寝ましょう。楽になるはずです。


舌に穴が開いたら、炎症が起きて潰瘍ができます。そこから小さく砕けたレクチンの一部は血流にのって赤血球と結合し血栓を作ります。その血栓が脳に届けば、レクチンは血液脳関門を超えて脳の内部に入ってしまいます。そして炎症を起こしてしまう。そして粘膜を上手に作るにはそれを担う脳の組織が機能していないとできません。脳下垂体や視床下部にダメージがあればそれは難しくなるのです。

舌を治す前にまず脳を治すことを無視していると、地図状舌は治らないということになります。



さて治し方自体についてまとめると、

・大穴が開いたら与え過ぎに注意しながらシアル酸サプリメントを補給する
・歯磨き、口腔内の除菌をしてジンジバリス菌を除菌することでシアリダーゼを減らす
・硫黄塩水でコルチゾールを下げることでエストラジオールの調整をする
・タモキシフェンを飲んでエストラジオールの量を減らすことでシアリダーゼを減らす
・セレクチン・ガレクチン含有食品を食べない
・糖鎖を多く含む食材を適度にとって舌の苔を増やしすぎない減らしすぎない
・夜間の低血糖が著しい場合は寝る前の炭水化物の摂取が大事
・寝るときは保冷剤で頭を冷やす

ということになりますが、我が家で普段からやっていることですね。



ウイルスも糖鎖、食品のレクチンも糖鎖

新型コロナウイルスの後遺症はまるで脳性麻痺の症状に似たものが多くあります。ウイルスの表面も糖鎖なので、同じ糖鎖の病気だと考えれば、症状が似ていても不思議はありません。

ウイルスと食べ物の糖鎖を置き換えて考えると簡単です。

ウイルスが粘膜と結合して炎症潰瘍を作り血流にのって赤血球と凝集して血栓を作る。そしてその血栓が肺に飛べば肺炎、脳に飛べば脳梗塞、下肢に飛べば下肢静脈瘤。新型コロナウイルスの症状が多岐にわたるのは体内に入ったウイルスの糖鎖がどの部分にたどり着いたかによって変化します。

食品に含まれる糖鎖も同じような経路をたどりますが脳に問題を抱えている脳性麻痺の場合は脳のダメージが食品によって与え続けられるというループに入ってしまいます。もしかしたら新型コロナウイルスのの感染をきっかけに同じようなループに入ってしまった人の舌は地図状舌になっているのかも。

治療薬が開発されても、後遺症を治療するには間違いなく糖鎖のバランスを整えるための食事は欠かせないでしょう。

なぜなら糖鎖の生産は食べ物によって左右されやすいものだからです。



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