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「おしっこ出た」を言わせるコツ

うちの子供は下半身に麻痺があるので下腹膀胱系の感覚があまりなく、おしっこが溜まったことも出たこともよくわかっていません。おむつが濡れたことを知らせてくれればいいのですが、別に気にしていないのか感覚がなくて言えないのかトイレトレーニングは長い間全く進む気配がありませんでした。

これ実は病気の子供については「おむつが汚れたことが本人にわからないと、周囲が気づくのが遅れてお尻が冷えるとコルチゾールが出て、低緊張が強くなってしまう。その結果眠れなくなったり、筋力が低下する」という悪影響があるので、決して甘く見れない問題なんです。

だから大人は一生懸命「汚れたらすぐに教えてね」とお願いをしてたんですが、子供にそれを理解させることが難しかったんです。


あぜ穴のケアで「膀胱の感覚」というのが少しずつ分かってくるようになったので「出た!」というのを以前に比べたら少しだけ言えるようになりました。以前は完全に0回だったので絶望的でしたが、それでも30回に1回くらいの割合です。

https://note.com/lectin/n/n67073ff5a37a


自分でトイレに行けるようになるのはかなり先かもしれませんが、せめて汚れたら教えて欲しい。そこでシッターさんは「おむつが汚れたら教えてね」といつも言っていたのにうちの子は言うことができませんでした。怒られても怒られても、怒られれば怒られるほど言うことをききません。


ある時、私は自分がおむつを替えるのがめんどくさかったので「シッターさんにおしっこでたって言っておいで?」と言って、丸投げしました。

すると「あのね、おしっこがね、でたの。おねがい、かえてくれる~?」と言いに行っていたんです。

私が言いに行けと言ったことを知らないシッターさんは「すごーい!自分から言いにこれたの偉いね!」と褒めまくりました。

しかも私に「ねえ!自分で言いに来たの!進歩してる!偉いね!」と3日くらいずっと言い続けていたんです。自分の指導の成果だと言わんばかりに。

うれしそうなシッターさんに「いや、あれは私が言いに行けって言ったから言いに行っただけで自発的に言いに行ったわけじゃないのよ」というのが申し訳なくて、そのまま「よかったね」と言うだけで黙っていました。

すると喜んでいるシッターさんを見てうちの子は何かを読み取ったらしく、「おむつかえて」と自分から言い始めたんです。


今までは絶対に、

「おしっこ出た」というのは恥ずかしい➡「おむつをかえて」と言わないと怒られる➡おむつを汚したら怒られると勘違いする➡でもおしっこは出ちゃうから悲しい気持ちになる➡おしっこする自分は悪い子と思い落ち込む➡自己肯定感が下がる➡余計言わない

という図式があったと思うんです。おしっこをすることは悪いことじゃないよ、出た時に言わないのが困るんだよと言っても全然伝わっていなかったんです。うちはほめて伸ばす教育方針でしたが、そうはいっても「コレどういえばいいの?」ということは沢山あります。ほかのことは何でもできるのに、排泄に関してだけ理解がすっぽ抜けているようなところがあります。普通の大人に言うようなやり方ではわかってもらえないのでしょう。

今回のことはそれをこのように変えてくれました。

「おしっこが出たことを伝えたら褒められたし、凄く誰かを喜ばせることができる」と言うことが分かった➡次から毎回言おうと思ってくれた


これは大人2人が最初から協力して、「出たらそれを言いに行くと褒められる」という状況を作ればよかっただけだったんですよね。必要だったのは言い聞かせることではなく、小芝居。

あの日私がめんどくさがって「シッターさんに言って」と、言ったことで子供は初めてどうすればよいのかを理解できたんだと思うんです。


この方法は意外な感じでしたが凄く使えるテクでした。

もし私が数年前に戻れるなら、自分で自分に教えてあげたいです。


まとめます。

「おしっこが出たのを教えてね」と言っても教えてくれない子供には、おむつが濡れたことを大人が気づいたら、家の中にいる別の大人に「〇〇さんにおしっこ出たからおむつかえてって言ってきてね」と言う。それから言いに行かせておむつを替えてもらい、「自分で言えたね~!凄いね~!」とほめてあげると次から誰にでも言うようになる。

ということです。

後から考えてみればたったそれだけのことなんだけど、それだけのことにずっと四苦八苦していました。


以前、私が寝ているときに頭突きをしてくる癖がありました。とても頭が痛くて「このままでは私は頭蓋骨を割られて殺される」と何度も思いました。

その時は小児科の先生が「お芝居をしましょう。寝ているお母さんを起こす芝居を皆でやりましょう」と言って、30分くらい私が寝たり起きたりしながらいろんな人に起こされるという小芝居をしました。

その日からうちの子は「トントン」と腕や背中を軽く叩いて起こすという方法を身に着けました。

「起きて」というよりも「おしっこ出たから起きて」というほうが私が飛び起きることを学んだころから、私を起こすテクニックが幅広くなり狡猾になっていました。ただ単にアマゾンプライムビデオを見たいだけの時も「おしっこ出た!起きて!」と言って私を起こします。

子供はいつの間にかいろんなことができるようになるんだけど、いかに子供に成功体験を積ませることができるかが勝負。

それには大人の小芝居が有効ですね。


排泄に障害のある子供の場合は普通の子供のトイレトレーニングの数倍の労力が必要ですが演技力で乗り切りたいと思います!


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