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世界の宗教と生体異物除去食

私は以前ドイツ南部の田舎の村に住んでいたことがあります。

その村は住人が300人くらいしかおらず、そのうちの3分の1は親戚で同じ一族の人間が昔ながらの風習を伝えながら暮らしていました。

村には教会が1つあり、1か月に1回は村人が集まってお菓子を食べる習慣がありました。クリスマスにクリスマスケーキを食べるように、毎月月末になるとその月のケーキをそれぞれの家やお店などで作って祝うのです。12種類のケーキを毎月1つずつ食べるなんてちょっと素敵じゃないですか。観光客もそれを目当てに来ていました。ケーキのサイズは直径60cm以上あるような大きなもので、皆ものすごい勢いで甘いものを食べるのです。

ただし甘いものを食べるのはその時だけで、それ以外の日に甘いものはあまり食べません。キリスト教徒なので肉を食べるときも皮や脂肪は完全に除去して食べます。スーパーで売っている時点で完璧に処理されているので食べることはありませんでした。もも肉を買っても皮なんてついてきません。彼らは動物の血や内臓も食べません。これは聖書に「神さまに捧げる犠牲にはこれらを含まないように」と指定してあるせいです。彼らはこれを守っていました。

彼らは野菜を食べません。「野菜は体に悪いもの」と平気でいい、食べたとしても玉ねぎとジャガイモとグリーンピースとキャベツくらい。それらを油で揚げたり炒めたりして食べるのです。日本の水菜や白菜が流行していて市場でもよく販売していました。サラダはマーシュという野菜を冬に食べるくらいで生野菜はほとんど誰も食べていませんでした。

その村には豚肉を加工する会社がいくつかあり、ソーセージやサラミなどの加工肉を食べる人が多かったです。地産地消が主となる田舎なので当然食べられる食材が少ないです。「今日は4歳のメスの豚のもも肉を食べた」「昨日は3歳のオス豚の肩の肉を食べた」「今日のソーセージは羊とヤギだった」と言っても「それ全部ソーセージだよね」ということが頻繁に起こります。毎日ソーセージかハンバーグを食べていました。私は「もうこれ以上同じものを食べたくない!」と言ったことがありましたが、その時出てきたのは「悪魔のソーセージ」と言う名の血と脂肪でできたソーセージでした。村人は「これは禁忌、しかし高級。酒と共に食う旨いもの」と言いながら食べさせてくれましたが味は塩の塊と言う感じでした。私が言いたいのは「ソーセージ以外の形状のものが食べたい」ということです。でも彼らにその願いは通じませんでした。彼らに「献立」という概念はなく食事とはほとんどソーセージとハンバーグでした。つまりひき肉料理。

バターの使用量は多いですがヨーグルトは無脂肪のものが流行っていました。パンは「体に悪いよ?」と思うほどに塩気が強いものが多かったです。

・普段はほとんど肉しか食べない
・野菜は単子葉植物とアブラナ科の植物が好まれている
・ジャガイモや豆は油で調理する
・砂糖を使ったものを普段食べず、1か月に1回大量のケーキを食べて糖質を補給する
・卵と豚肉を沢山食べる習慣があった
・毎日ほとんど同じメニュー
・塩分過多の味付け

そんな食生活をしていたことをボディビルダーの友達に言うと「マッチョじゃん!」と言うのです。

「肉で沢山のたんぱく質を取って、時々発生するチートデイで糖をガッツリとる」という部分は確かに筋力をつけるのに必要な仕組みですよね。「筋力が付きづらい体質」の人はこういう食べ方をすることで筋力をつけることができます。それはホルモンと成長因子の仕組みを利用したものなので多くのアスリートがその理論に行きつきます。確かにマッチョたちの生活と同じです。

このヨーロッパの田舎の古い食習慣というものは、「糖鎖のリングのABタイプの体質」の人のためのものと言えます。この食習慣を続けていたらCDタイプの人はすぐ病気になって死んでしまい、自然と淘汰されてABタイプの人だけが生き残るでしょう。逆にCDご飯を食べればストレートに病気にになってしまいます。

現地の人達はその独特な食事の方法を「キリスト教に基づいたもの」と考えていましたが、その地域の人達は昔から聖書を読まない人が多く、敬虔な信者であってもご飯以外のことにこだわっていなかったように思います。

あれをしてはいけないこれはしてはいけないということは現代社会では法律と道徳がまかなっていて、社会の秩序というものは宗教には段々と頼らなくてもよくなっています。

そうなると宗教は「何を食べるべきか」という部分を強く伝えていてなぜかそれは徹底されていて時代を経ても廃れていないのです。宗教ごとに「食べてはならないもの」が指定されていて、それを生体異物除去食的に考えるといくつかの法則が見えてきます。

たとえばわかりやすいのはヒンズー教です。ベジタリアンですよね。
これは生体異物除去食的にはCDタイプの食べ方です。五葷はアリシンを除去しているんですね。牛肉は食べないけれど牛乳をめちゃくちゃ消費する文化だというのも面白いですよね。

・肉:禁止
・魚介:禁止、鰹節などもダメ
・卵:禁止
・乳製品:可能
・飲酒:可能
・断食:宗派によってさまざまな断食の習慣がある
・ナマモノを食べない
・野菜と果物:五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)は禁止

インド人は糖尿病が多く乳がんが世界で一番少ないと言われています。この食生活をしたら乳がんになりにくくなるということではなく、この食生活を長年続けて生き残ってきた人女性たちの体質はDタイプなので元々糖尿病になりやすく乳がんにはなりにくいというだけです。日本の乳がんの患者さんがマネをして菜食主義になっても癌は治らないと思います。

重要なのは「特定の食べ方をするとその体質が合わない人間は病気になって死にやすく繁殖につながらないので後の世代に残らない」ということ。そして後の世代の人はその食べ方を守ることが健康につながると信じられるようになるわけです。宗教の指定する食習慣はこのような仕組みを作ってきました。

次はイスラム教を見てみましょう。
・肉:豚肉禁止、ラードやブイヨン、ゼラチン等も×。犬やかぎづめのある動物
・魚介:ほとんど可
・卵:可
・乳製品:ほとんど可
・飲酒:禁止
・断食:ラマダン(イスラム暦の9月)の間は日の出から日没まで断食)
・血液を絶対に食べない
・野菜と果物:可

豚肉がダメという時点でこれもCDタイプの体質だと言えます。ゼラチンを拒絶していることからもコラーゲンを増やさない工夫が見られます。エジプト人もトルコ人も糖尿病の人多いですもんね。世界の人口の1/4がイスラム教徒です。成人病がこれほど世界中で増えた理由もこの体質にあるなら納得です。


一番面白いなと思うのがユダヤ教です。ユダヤ教はとても古いですよね。これはABタイプとCDタイプが入り乱れていますが比較的CD向けが多いです。当時この食習慣でいこうと決めた時はまだ体質の分離が明らかではなかったのだと思います。

・肉:二つに割れているひづめのある反すう動物のみ可
   (牛、鹿、羊等はOK、馬、豚、ウサギ等はダメ)
   猛禽類など一部を除く鳥
   野外で獣に殺された動物の肉と自然に死んだ動物の肉は禁止
・魚介:ヒレとうろこ、両方ある種のみ可
    (鮭、マグロ等はOK、かに、ナマズ等はダメ)
・卵:コーシャの動物の乳製品のみ可、肉類と同時に食べることは禁止
・乳製品:コーシャ認定のお酒のみ可
・飲酒:可能
・断食:特別な日に断食をする習慣もある
・昆虫:禁止(イナゴやバッタなどの一部の昆虫は可)
・血液を絶対に食べない
・野菜と果物:可

ユダヤ教で禁止されている食べ物の面白いところは悪い病気を持っている可能性のある生物を除去しているところです。いろんな種類の鳥を拒絶していますが、現代の私たちの感覚からすると「それ食うと死ぬよ。悪い病気持ってるよ」みたいなものもあって本当に昔の人は苦労して何が食べられるのかを探っていたのだなと思います。

実際に分けてみるとこんな感じです。半々という感じですよね。

・肉:ABタイプ
・魚介:ABタイプ
・卵:ABタイプ、CDタイプ
・乳製品:CDタイプ
・飲酒:CDタイプ
・断食:CDタイプ
・昆虫:CDタイプ
・野菜と果物:CDタイプ

キリスト教はユダヤ教に近いですが、ほぼほぼなんでもOKですよね。だから地域や宗派によって割と自由に変化しています。

ユダヤ教の食習慣の最大の特徴である「肉と乳製品の食べ合わせはNG」というのがとても興味深いです。このルールだとチーズバーガーを食べられないんですよね。肉入りシチューも食べられない。

そしてシチューはうちの子供の大好物です!何より最初に書いたドイツの田舎の村の人達も大好きですよ。牡蠣のミルク煮とか白菜と豚肉のクリーム煮とか。村にあるレストランでカタツムリのクリーム煮を食べた時は美味しいと思いました。ただしジャガイモや豆が入ると私は食べられません。胃が痛くなります。

これは「CDタイプの人は乳と肉の組み合わせがだめだけどABタイプの人は乳と双子葉合弁花類の組み合わせが悪い」ということでしょうか?しかもABタイプは魚介と乳を組み合わせると食べにくいものでもうまく食べられるのでは?そしてCDタイプの人が乳と魚介の組み合わせが悪いとしたら?なんだかしっくりきますよ。

最近ずっと乳製品の取り扱いについて考えていたのですがここに良いヒントがありました。


以前こちらの記事では「発病前と後で食べれる食べれないが変わる可能性がある」と言いました。それに加えて「乳製品とそれ以外の食材との組み合わせ」に法則があるなら食べられないものを食べれるようにすることができるかもしれないです。乳製品の取り扱いの複雑さはこの法則によるものだったのかも。

今現在私はAタイプなのにBに移行した状態です。こうなるとアイスクリームを食べると膝が痛くなってBの症状が出ます。体質が移行したときに食べられなくなるのが乳製品だとしたら糖鎖のリングのタテ軸の移動に乳製品が関わっていると予測できます。CタイプとDタイプの違いも乳製品の違いは大きいですし。

CDタイプが多いインドの人達はベジタリアンですが乳が好きで滅茶苦茶食べます。ということはCDタイプの人は乳と野菜の組み合わせがOKということ。

でもこれだけじゃないですよね?
肝心なのは味付けだと思います。

お肉や魚介をミルクと合わせた時には塩を沢山入れないと美味しくないですから。果物とミルクを合わせた時は砂糖を沢山使いますよね。野菜とミルクを合わせた時の味付けは???多分インドの人達はスパイスとかを多く使うと思います。この味付けのプラスアルファが重要なのかなとも思います。これはもうしばらく考えてみたいと思います。

宗教の食習慣とは大きなふるいです。人類の遺伝子を調整している。こうやって残している遺伝子とは一体何なのでしょうか。しかもCDタイプに偏るようにしてしまえば人間は病気になりやすくなる。それでもDタイプ女性は胎盤を作るのが上手いので子供は沢山生まれるでしょう。人口は増えるけれど病気だらけ。ABタイプは彼らのご飯を食べると病気になります。ABタイプとCDタイプの人は同じ宗教を信じ同じ食事を食べることができません。だからこそABタイプの体質の遺伝子を持つ人は世界の2%しかいないのだと思います。

長い歴史の中で淘汰されてきた結果、ここまで減ってしまった。


私は子供の頃に祖父が小麦粉のことをメリケン粉を呼んでいたのを不思議に思って理由を尋ねたことがあります。すると祖父はこういいました。「小麦の粉というものは日本人は食べることができない。アメリカが戦後日本に食べるように言ってきたから仕方なく食べているけどこれを食べると日本人は病気になる。うどんのように茹でてあるものは多少は違うけれど元々小麦は日本人は食べられない。あれはアメリカ人の食い物だ。だからメリケン粉っていうんだよ」と。

私は「何言ってるんだろう?同じ人間なのに」とその頃は思っていましたが、祖父はそれ以外にも「生の野菜は食べてはならない。加熱するか漬物のようにしないと食べられない」と言っていました。昔の日本は宗教に頼らずとも「日本食」という概念で自分たちが何を食べれて何を食べられないのかを「常識」として伝えていたのだと思います。それ以外にも塩辛のような珍味を食べていたら「これは子供の食べるものじゃない」と言われたりレアステーキを食べていたら「女はそんなものを食べたらだめだ」と言われたこともあります。これらは決して年齢や性別に対する差別などではなく食生活に関する必要な知恵だったのかも。

昔の日本人にある程度「食べてはならないもの」というものへの認識があったのなら、アメリカ人もそれを知っていた可能性があります。そしていつの間にか日本は国際的になり世界中の食べ物をなんでも食べられるようになりました。昔の人が大事にしてきたものをみんな忘れてなんでも食べてしまっています。

それが2人に1人が癌になり発達障害児が8人に1人いる社会を作ってしまったのだと思います。

食べられない食べ物を忘れて病気になってしまったABタイプ
病気になりやすい体質の人間ばかり残ってしまったCDタイプ

多くの宗教では「病気になったのはその人が悪い人だからだ、前世で悪いことをしたのだ。その人の親が悪い人だったからだ」という考え方があります。CDタイプの人が宗教で禁止されている食べ物を食べれば病気になりやすいのは糖鎖のリングの構造上間違いはありません。でもその考え方は差別につながりますし、事実ではありません。

ただ単に「体質に合わないものを食べたから」というだけです。

ドイツの田舎の村ではこの差別的な考え方が徹底していて、病気の子供が生まれたらその家族は遠い山奥に土地を買って暮らさなければなりませんでした。村八分にされるわけです。子供も親も差別されます。

私の子供が病気だったのがわかると子供の父親は「健康な子供は自分の子供、病気の子供はお前が勝手に浮気して作った子供」だと言いました。なんて徳のない人だろうかと思いましたがそういうのだから仕方がありません。それで私たち親子は日本に帰ってくることになり、私はシングルマザーになりました。

私は生体異物除去食の概念が世の中に広まれば、宗教が病気の人間を差別するような誤解は消えると信じています。




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