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地図状舌と駆瘀血剤

私の子供は酷い地図状舌でした。

地図状舌は治し方がないと言われていて、病院に行っても「舌がえぐれているだけ、痛くないらしいし様子見」と言われて何もしてもらえないことが多く、苦しんでいる人が多い病気です。

痛みのあるなしは人によって違っていて、私は今回軽めのものでしたが恐ろしく舌が痛かったです。地図状舌は痛い病気です。ぜひこれを自己治療で克服して辛さを取り除いていきたいです。

今回は前回までの流れを理解したうえで読んでいただきたいのでこちらの記事を最初に見ていただいたほうがわかりやすいと思います。


私の子供は地図状舌の痛みが酷くなると長期間にわたって絶食になり、やせ細っていました。漢方薬局で見てもらったときにいくつかの処方を試したのですがなかなか上手くいかず、ある時私が歯の治療で立効散という漢方薬を飲んでいた時に子供が「私も飲みたい!」と言ってきたので飲ませたところ舌の症状が改善しました。あとで聞くと「立効散は地図状舌の薬として使われている」とのこと。確かによく効きました。

でも脳性麻痺の発作を繰り返しているうちに地図状舌は復活しました。脳性麻痺のてんかん様発作と地図状舌はリンクしていて、発作が起きるときは地図状舌も酷くなっていました。この時は鼻くそも大量に溜まっていたのでとても特徴的でした。

・てんかん様発作
・地図状舌
・酷い鼻くそ
・酷い低緊張
・低血糖

この5つはいつもセットで症状が現れていて、それぞれの治療が他の症状の改善にもつながっていました。不思議ですね。

立効散だけではなく抗菌剤と一緒に使うほうが地図状舌の状態は良くなるという実感がありました。そこでアジスロマイシンなどの抗菌剤も使いました。リファンピシンも効果がありました。どちらか一方では全体的には良くなるけれどいつもえぐれが深い部分はうっすらと残る感じがありました。

全体的には私の子供の舌の状態は良くなってきていましたが、以前から1つ気になっていたことがあります。


それは玉川温泉で知り合った地図状舌の中国人女性の話です。

「私は立効散が効かなかった。」
「鍼灸で瘀血を抜いてもらっている。」
「それなのに全然よくならなくて声も上手く出せないくらい口が痛い」

彼女は中国人なので当然漢方薬にはなじみがあり、詳しい先生を知っているのです。その先生たちが「地図状舌は瘀血が原因」と言っている。

中国でも有名な先生たちがそういうのであれば無関係ではないはずなので、私はこれを無視すべきではないと思っていました。

瘀血の正体とは一体何なんだろうか?
具体的に何の成分のことについていっているのだろうか?

彼女は中国人なので当然食養生も頑張っていました。体に良いと言われている野菜を沢山食べていました。でも舌の表面の糖鎖が剥がれてえぐれるのが地図状舌ですからどんなに薬を飲んでいても双子葉合弁花類をはじめとしたガレクチンを多く含む食生活をしていれば治りにくいはずです。

瘀血に良いと昔から言われている食材はガレクチンをかなり多く含んでいる食材ばかりです。良かれと思って合わない食材を無理に食べていたはずです。

中国人には日本人のようにガレクチンを食べられない人がいる割合がとても少ないのです。ですから中医学の中にはガレクチンに弱い体質というもの自体の概念がうっすらとしかないという印象を受けます。全然視野に入っていないとは言えないです。中には適したものがありますが、あくまでもうっすらです。

彼女は中国人でしたが体質自体は日本人に近いのだと思いました。立効散が効かないのは食事の影響が強いからなのか?それとも別の要因があるのか?私はじっくりとそのことについて考えていました。


それに答えが出たのが最近です。

実は私はお腹の調子がずっと悪く、もう子宮全摘しているのに生理痛のようなもやもやとした痛みをお腹の奥底で感じていました。そして万年便秘の私が下痢に。

下血、腹痛、下痢。

嫌な予感を感じながら数か月でトイレに行くとお尻から血が大量に出るようになりました。最初は「痔なのかな?」と思いましたが、痛くもなんともないしおしっこをするだけでもブシャーと飛び散るようにお尻の穴から血が出るのです。急いで大腸肛門科というクリニックを受診して大腸検査をしました。

すると先生は「大腸は綺麗です。問題ないです」と自信満々で検査の画像を見せてくれるんです。確かに自慢できるほどきれいな腸でした。ただし検査の最中私は激痛で苦しみ全身麻酔で眠らされていました。途中まで何となくうっすらと記憶があるのですがすさまじい痛みで発狂寸前なほど叫んでいたと思います。そして手術の前に「子宮腺筋症になったことがある人は腸が癒着しているから検査の機械が通りにくくて痛いと思う」と言われていたんです。

家に帰ってからもずっとお腹が痛いので、恐る恐る私はネットを検索しました。

「子宮腺筋症 子宮全摘後 再発」

今まで考えたくもなかったことを検索しすると、2割くらいの人が再発すると一番上に表示されました。

その瞬間全て納得できました。

なぜなら私は下血が酷くなってから大腸検査を受けるまでの間に「血を止めたい、腹痛を和らげたい」と思って漢方薬局で桃核承気湯という漢方薬を出してもらって飲んでいたんです。

これを飲むと腹痛や下血はピタリと収まっていました。

「驚くほどよく聞いた」と先生に伝えると「血が止まったらやめてね。瘀血を出す薬だから続けて飲んでいいものじゃないの」と言われていたのですが、血が止まったからと言ってやめてしまうと腹痛はどんどん酷くなりました。それで先生は「続けて飲むならこっちにしてみよう」と桂枝茯苓丸というお薬を出してくださったのですが、あんまり効いているような感じもなくモヤモヤとしたものが下腹でくすぶっているような感じでした。それで桃核承気湯を飲むとおなかはスッキリしました。

子宮腺筋症というのは子宮内膜症に似た病気で子宮の筋肉の中に石が溜まる病気です。これはどちらも瘀血が溜まる病気。

地図状舌も瘀血が溜まる病気。
てんかんも瘀血が溜まる病気と言われています。
全部これでつながりました。

そして下血が始まりだしたころから私の舌の表面も薄くなっていて「なぜ私まで地図状舌に…」と悩んでいたんです。とても舌が痛くてじっとしていられない状態でした。そして桃核承気湯を飲むと舌は綺麗に治っていました。

それで子供に桃核承気湯を少し飲ませてみたんです。

すると多少良くなりました。それでアジスロマイシンを粉にして飲ませてみました。さらに良くなりました。

アジスロマイシンやアモキシシリン、クラリスロマイシン、ファロムなどを使い分けてみたところ、毎回効果のある薬は違うので菌はいろいろな種類が影響しているのだとわかります。

一番効果があるのは、桃核承気湯+アジスロマイシン+アモキシシリンの組み合わせでした。てんかん様発作が出るときは立効散+アジスロマイシンのほうがいいかもしれないです。吃音障害が強く出ているときはキラン草が良かったです。

これは症状を細かく観察しながら使い分ける必要があると思います。それに私は桃核承気湯を続けて飲んでも低緊張が出る程度でしたが、私の子供は1回飲んだ時はよく効いたという実感があったけれど続けて飲むとやはり全身が柔らかくなりすぎていて苦しみました。1回飲んだら2週間以上は間を開けるべき。これはキラン草も同じです。良く効いたからと頻繁に飲む様にしたら同じことが起きました。子供の場合は「良く効いた」と実感した時点で「効きすぎている」と言うことを心配するくらいでちょうどいいです。

地図状舌になるときは、

・瘀血の影響がある
・口や鼻の中にいる複数の菌が繁殖している

この2つの要素が絡み合っているのだと思います。

立効散は抗菌剤に近い働きがあります。そして駆瘀血剤には「血栓を排出する効果」と同時に「抗菌」という効果もありました。なるほどという感じですね。キラン草が以前効果があったのも抗菌作用が強い生薬だからだと思います。

ですが私に地図状舌の症状が出た時は膝の痛みや視力低下といった他の症状も出ていてそれはかなりひどい症状でしたが改善しませんでした。もっとピッタリと合う駆瘀血剤を手に入れる必要があると思いました。

そして瘀血はガレクチンが大きく関係しているはず。だってガレクチンは消化器系の粘膜を壊して血流にのって血管の中で血栓を作るから。それがたまったものことを瘀血というならば、ガレクチンを除去するだけではなく、たまったものを排出する薬も必要だったんですね。

そこで主な駆瘀血剤についてガレクチンの量を調べてみました。ピンクが私や子供が飲めたものです。黄色が長期で飲めないもの。水色が飲むと苦しんだものかそれと同種の生薬です。


生薬が名前に入っているのは昔からあるもので、働きが名前に入っているものは現代に近いお薬です。昔からあるものは使用されている生薬の数も少なく最近のお薬は沢山の生薬を組み合わせてあります。

そうやって見ると上から2つのピンクのお薬は昔からあるものですね。昔の中国人にも私たちと同じような体質の人が沢山いたのに徐々に遺伝子が淘汰されて行ってこのように使われる薬の種類も変わっていったのでしょうか。

糖鎖のリングで考えると、

糖鎖のリングがAもしくはBタイプの人はピンクか黄色
糖鎖のリングがCもしくはDタイプの人は水色

という分け方になると思います。AとB、CとDでもっと細かく分けることもできると思います。芎帰調血飲第一加減はDかな??

桃核承気湯を飲み続けて具合が悪くなることを先生が心配していたのは甘草が入っていたせいなんですね。でも下痢をしていたから大黄牡丹皮湯ではなく桂枝茯苓丸にしたんですね。でも黄色いブースのお薬なのでそれほど効果を感じられませんでした。膝の痛みがあるなら疎経活血湯も考えられたと思いますが当帰や川芎を含んでいたのでやめたんですね。納得です。

駆瘀血剤はとても興味深いですね。ガレクチンを除去する食生活をするだけでは足りないということが面白いです。外に出す薬があるというのが素晴らしい。

地図状舌の自己治療方法は

・ガレクチン高含有食材を食べない
・抗菌剤で除菌する
・自分に合った瘀血を排出する薬を使う

この3つを同時に行うことです。

もしかしたら今後もまた悪くなって他の薬を使わないといけなくなることもあるかもしれませんが、とりあえず今のところはこれが地図状舌改善の自己治療の最新版です。

ガレクチンを食べられないタイプAは瘀血(血栓)が溜まりやすい体質であるというのはとても分かりやすいことです。タイプCやDの人は元々はコラーゲンが溜まりやすい体質なのでガレクチンを多く食べてそれらを排出する必要がありますが、取りすぎると偏りはAやBと同じように右寄りになって血栓ができます。だけどCDタイプに対する駆瘀血剤はガレクチンの多いものです。瘀血による症状はABCDすべての部位で症状が出ます。

この不思議を解明できたら、もう一歩レクチンの面白さに近づけると思います。

タイプAって何よ?!と思った人はこちら↓

持って生まれた糖鎖のリングの偏りは細胞膜の表面の形に影響されると思いますが、後天的な糖鎖のリングの偏りの位置は食べたものに含まれるガレクチンの量によって変化するのですが、後天的な偏りそのものがまさに血栓が溜まった部位に当たると思います。そしてその血栓の排出方法もタイプ別に異なるというのがとても面白い。

いま現在咳が止まらない私は大黄牡丹皮湯に薬を変えて、おなかの痛みと下血の様子を見ることにします。膝の痛みに関してはかなり時間がかかるものと考え、疎経活血湯などは使わずピンク色の2つの薬を交互に使い分けながらやっていくことに決まりました。漢方の先生は「エキス製剤で販売されていて使いやすいものは桃核承気湯と大黄牡丹皮湯の2つ。個別に作ればほかにもできるけどこれで何とかなると思う」とのこと。肩こりが酷くなったりお腹の炎症が強い時は桂枝茯苓丸でいいはずです。

どんな体質の人であっても年を取ったら糖鎖のリングの偏りは右に偏ります。それこそが老化。

視力が低下し膝が痛い。
咳が出る。
尿が漏れる。
筋肉が痩せる。

自分が体験してこそわかることがありますね。

漢方の先生も鍼灸の先生も「良い先生は皆自分が病気、痛みがわかるし人体実験ができるから」と言います。

お尻から血が出て驚いたけど、また1つ賢くなって良かった。


このことが体験でわかって本当に良かった。


キムチは…
大好物だけどもう
辞めます。

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