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低緊張の子供向け立てる脚の作り方

脚が育つまで待って、自然と立てるようになってから訓練を始めればよかったのだろうけど、病院に行くと「何歳ごろまでにはこれがっできてないと正常ではない」という言われ方をして、早い段階から立ったり歩いたりする訓練を受けさせられました。

結果、外反母趾と内反小趾と二重くるぶしになって骨がぐちゃぐちゃになった我が子の足がこちらです。

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足の指が向いてはならない方向を向いています。子供はとても痛がって立つのを拒否していました。

理学療法士は「装具があれば立てる」と言うので高価な装具をオーダーメイドで作らされましたが、装具は何の助けにもなりませんでした。そんなものでなんとかなるような柔らかさではなかったんです。

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立った時はこのように足首からハの字型に開いています。たとえ時間がかかっても正常に足が育っていれば自然と立てたのに、立てない脚を早期療育という名のもとにわざわざ製造されたようなものでした。


複雑な足先の状態

このような複雑な状態に陥った原因についてわかりやすく3Dモデルで説明してみましょう。

私の子供の足首から先は「立位で外反、座位で内反」していました。一見、足首が曲がっているように見えました。

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腹筋がないので立ち上がろうとすると膝を後ろに下げて突っ張るようにしています。立った時に踵は床につけるのですが足先のほとんどが浮いてしまっています。この形になるととにかく痛がっていました。立たなければ痛くはないのですが療育で立つ訓練や歩く訓練をされるのでそのたびに酷くなっていきました。

・外反扁平足
・外反母趾、内反小趾
・尖足
・X脚

これらが同時に起こるんです。痛みを想像してみてください。それは無間地獄です。

立てない脚で立たせ、無理をして歩かせたせいで脚はボロボロになりました。さらに病院はこの足首を正しい方向に向けようと矯正しようとしました。サポーターや装具などを使って足首だけ正しい方向に向けようとしたのです。ですがそれは間違っていました。痛みは強くなり子供は苦しみ、足のゆがみは強くなりました。


これ実際は股関節に問題があっただけで足首の問題ではなかったんです。太ももが外に開いていただけだったのに足首の角度を無理に補正しようとしたので足先にその不具合が出てしまいました。


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座っているときに太ももが外に開いていると左右の足の裏同士をくっつけるようにして座ってしまいます。その時に体重が足先にかかるので小指側の小さな骨がズレてぐずぐずになってしまうんです。そのズレた部分が痛いので、つかまり立ちをしたときに庇って脚の外側を浮かせてこのような態勢になります。

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それによって足先に負荷がかかり、外反母趾などのいろいろな症状が出るのです。

床に座っているときは特にひどくこのような姿勢でした。

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頭が重いので上体を倒しています。股関節は開いて足先の外側を床につけて体重がかかっている状態です。手を床にまっすぐつけると肘の関節が抜けてしまうほど柔らかいので手は後ろに持って行ってこのようにつけていることが多かったです。こうしないと体重が足先に余計にかかるのでもっと足が痛くなります。背中はいつも曲がっていました。座れる状況ではないのに座らせていたから、ちゃんと立てていなかったんです。


これを試しに片側の足の太ももの向きだけ正しく戻してみます。

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足首曲がっていないですよね。角度を変えたのは股関節だけでそれ以外は何もいじっていません。

全く足首は問題がなかったんです。


一番の原因は股関節

こうなってしまった一番の原因は座り方です。

「ちゃんと座れないからちゃんと立てない」とはよく言ったものでまさにその通り。

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低緊張の子供は股関節が柔らかいので座るとこのように開いてしまうんです。柔らかいからこそ可能な荒業です。ここまで開いてしまうと股関節は正しい状態ではありません。

椅子に座った時は特に足の裏を床につけて座ることを徹底するようにしました。踵が浮いていたりすると足先をコネコネといじくりまわすようにして床にこすりつけて遊びます。麻痺があるのでしびれを取りたくてやるのでしょうがその時に小さな骨が脱臼するんです。

「低緊張の子供は簡単に脱臼する。そしてそれを親に言えないのでそのままになってしまうんだよ」と整体の先生から聞いたときは涙が出そうでした。

脚の麻痺は漢方薬を使ったり大人が代わりに適度な強さでさすってやるなどして取っていくしかありません。子供が自分の思い通りにやるとケガをします。かといって大人がゴシゴシとこすってしまうと骨がズレます。まだこの頃の子供の骨はしっかりと固まっておらず小石のようなたくさんの骨が浮いているような状態なので簡単に動いてしまうんです。


「脱臼させない、したら治す」

基本的には「手で太ももを内側に向けってまっすぐ向ける」ようにして胴体に近い部分から治していきます。めちゃくちゃシンプル。だけどこれが案外素人には難しい。

幸いにもうちのベビーシッターさんは小学校のころから長年柔道をやっていて柔道整体もできる人でした。関節を外したり入れたりはお手のもの。シッターさんはおむつ替えのたびに脚の調整をしてくれていたので、とても丁寧なケアができていたと思います。脚の角度をこまめに調整してくれていたので徐々に足自体は正しく育ってきていました。

基本的にこれらの足先の不具合に対して行ったことは「太ももの向きを整える」だけです。

足先が大きく育つと自然と立てるようになっていったんです。それには時間がかかりましたがそれがこの子のペースで病院でせかされるように1日でも早く立たせる必要などどこにもなかったんです。


手作りのズボンで開きすぎないようにする

最初のころは開きすぎてしまう脚をどうしていいかわからず、私はちょっと無謀なことをしていました。市販のズボンの股の部分を縫ってくっつけていました。ベビーカーに乗せた時にそれでは困るのでそれは改良され、バックル式になりました。

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家中のズボンをみんなこうやって縫っていました。これなら子供の足は必要以上に開きません。

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整体の先生は「これはいいね!僕は考えつかなかった!装具がなくてもこれでいいじゃない!簡単でいい!昔は紐で縛ったりしてたんだよ!板をくっつけて子供にひどいことをしてた!な~んだ!これでよかったんだ!」と思った以上に大喜び。

このズボンもある程度は効果があったと思いますが、どうしても自然とズレていってしまうので、手で太ももの向きを治す作業は必須です。できるだけ伸びすぎない生地のズボンを選ぶと良いです。


小さめのテーブルの中に足を入れるようにする

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このようなテーブルの中に足を入れてしまって開かないようにさせると良いです。脚は外に開くものではなく前に伸ばすものという意識が子供の中に生まれるようになると、「足!きちんとしてビシッ!」と声をかけると正しくまっすぐ向けてくれるようになりました。

ですが問題は痛めてしまった足先です。

次回、それぞれに治す方法をご紹介しましょう。

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