新しい命

命を授かった。
結婚して3年とちょっと。予定日は10月。
病院にも通い、妻は持病の手術も受けた。
親からのプレッシャーに耐えながら、
ようやく第一子を授かることができた。
まだ油断はできないんだけど。

僕らはもともと子どもをつくることを考えていて、
埼玉に小さなマンションも買った。
それは僕らよりも子どもを中心に考えた立地で、
幼稚園や小学校、公園からとても近い。
公園なんて目の前にあり、
毎日子どもたちのはしゃぐ声が響いている。

子どもができて思ったのが、
ただ無事に生まれてきてほしいということ。
本当にそれだけなんだなと思い知った。
周りの友人たちは一足先に父や母になったが、
彼らがこんな日常をおくっていたとは知らなかった。
こんなに大変なことを、彼らはしていたのか。
「安定期すぎた?」なんて気軽に聞いていたけれど、
安定期までがこんなにも遠いとは。。。

それにしても、一番嬉しかったのは、
妻の両親にようやく孫を見せられることだ。
僕の方には姉の子どもがすでに生まれているが、
妻の両親にとってはこれが初孫となる。
そのぶん期待も大きく、ありがちな「子どもはどうなの」攻撃が
最近は深刻に妻を追い込んでしまっていた。
気持ちはわかるんだけどね。

妻の両親には僕もとてもお世話になっていて、
お義父さんには釣りにもよく連れて行ってもらっている。
不器用で自分中心なんだけど、僕に対する敬意はきちんと
払ってくれる素晴らしい人だ。お義母さんは料理上手で、
初めて手作りのお雑煮を食べたときは感動した。
たまにおっちょこちょいなミスもするが、
そういうところが本当に妻とよく似ている。
妻を現在の素敵な性格にしてくれたのは、
お母さんによるところが大きいだろう。

そんな二人が孫にデレデレしている姿を、僕も早く見たい。

気のせいかもしれないが、今年は何か人生が動きそうな予感がしていた。
それは仕事なのか子どもなのかわからなかったが、
まずは子ども誕生、ということみたいだ。
子どもが生まれて僕は一体何が変わるのだろうか。

ひとつ言えるのは、厳しい父になりそうだ、ということ。
だって、性別は女の子らしいのだ。

「絶対に厳しくなりそうで、今からこわい」と妻がぼやいている。
僕も、そんな気がしている。


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