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休日に響く謎の朝

むにゃ。

日曜日。
カーテンを開け、窓を開ける。
良い天気だ。

朝日を浴びながらも、黒猫が布団に潜り込んできた為、
心地よい風を浴びながら休日の朝をまだ微睡んでいた。

先日は会議で土曜日も出勤だった為、疲れもたまっていたのだろうか。
黒猫が「まだ起きちゃダメだ」と言わんばかりに喉を鳴らしながら私の脇の下で暖を取る。

せっかくの休日なのにこのままじゃあっという間に終わってしまいそうだ。

そう思いながらも私はこの時間をとても心地よく感じていた。

今日が土曜日だったらなぁ。
1日くらいダラダラとただただゆったり時間を流してあげるのも良いなぁ。


そんな事を考えながら、
黒猫と共にうとうとしていた。



と、


開けた窓から子供の声が聞こえてきた。
休日を楽しんでいるのかな。



「じゃんけん、ぽんっ」

おや、いつの時代も子供の遊びは同じなんだな。
微笑ましい日曜日だ。

こんなBGMで微睡むのも良いものだな。


と、思っていたその瞬間。
じゃんけんの掛け声をしていた子の声で、





「じゃかぁしぃぃィィィいっいっいっいっ!!!」


だんっだん!


ばん!ばん!!ばん!!ばん!!!


…ぇえ?


叫び散らしながら走るような音。

な、なんだ?すごい足音だなぁ。
セリフが飛び飛びになる程の衝撃で走っているのだから、当然か。


そう思っていたら同じ子の声が更に響き出した。

ぅわぁぁあああ、
お母さんが良いぃぃいい…

たったったっ…



…なんの遊び?


さっきまで微睡んでいた私はつい気になってしまい、
黒猫を布団に残し、ベランダから外を見た。




えっ、一人…?




一体なんの遊びをしていたのだろうか。
たった、一人で。

なんかこう、ジャガーノートとかが叫び散らしながら相手に向かって突進するような必殺技なんて、あったかしら。

いや、だとしてもじゃかあしいとは言わないか。
あいつ、日本人じゃぁないもんな。
そもそも真似っこ遊びするならジャガーノートを選ぶわけないか。

女の子が、一人で。


それにしてもうちのマンションって、うぇすにせよ
空に太陽がある限らないおじさんにせよ、

キワモノばっかりやないかい。

あ、私もその一人か。


きっとあの子、大物になるな。
今のうちにサインもらっとこうか。


そんな、日曜日の朝でした。
今夜は穏やかに眠れますように。

おやすみなさい。

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