物語は変わる🦌 | 写真展感想
トナカイさんこと松本慎一さんの写真展・「物語は変わる」に行ってきました。
会場は銀座のCO-CO PHOTO SALONさん。三連休最終日の午後ということもあり、大盛況でした。ビルから出てくる人がみなトナカイ柄の紙袋を持っていて、なんだか嬉しくなります。
トナカイさんは、私が大学生のころからひっそりと好きだった写真家の方です(私がフィルムカメラをはじめたきっかけの方でもあります)。
去年、私たちの結婚式を撮影いただきました。ハードスケジュールにも関わらずご快諾頂き、素敵な写真をたくさん残してくださいました。宝物。
トナカイさんが撮る写真はいつも静かで、暗いトーンも多いけれど決して絶望的ではない、そんな不思議な空気を感じます。
前回の写真展は谷中のトタンという古民家で開催されており、渋い二階建木造の和の雰囲気とのマッチングが面白かったです。
今回は銀座の洗練された白の空間で鑑賞するスタイル。同じ写真家なのに見え方がまったく違うのも楽しいですね。
写真によく現れる『角』はトナカイの角で、北欧では幸せと勇気をもたらしてくれるお守りとされているそう。
見覚えがあり、「以前展示会にあった角ですか?」とお聞きしたら本当にそうでした。今も持っていますよ、とポケットからするりと実物が現れました。
今回の写真でもあるように、さまざまな人の手に載ってきたトナカイの角。軽くてつるつるしているそれに私が触れたのは今回で3回目で、その間に自分自身も、一緒に写真を見る人との関係性も大きく変化してきました。
いいことと悪いこと、同じくらいあった上でようやく自分の足で歩いている自信が少しだけ持てる今。角に触れながら、なんだかしみじみとしてしまいました。
今回、トナカイさんの写真や詩に触れて、変わっていくことに伴う痛みや苦しみもまるごと受け止めてもらえたような、そんな気がしました。常に変わり続ける私たちをふんわりと肯定してくれるような。そうだったらいいな、という自分の願望も含みつつ。
今回の展示に際して作成された写真集では、展示されていなかった写真も多く見ることができます。手元に残るのが嬉しいなあという気持ちでいっぱいです。
スマホで撮っても空気感がまったく伝わらないのが難しいところ。ぜひ現地で実物を、あの空間で見てほしいです。
東京での展示はもうすぐ終わりますが、京都でも開催されるとのこと。お近くの方はぜひ行ってみてください〜!
トナカイさんのX(Twitter)アカウント
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