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傷と心

19世紀に見つかったスペインのアルタミラ洞窟の壁に描かれた動物壁画は
旧石器時代の人間(クロマニヨン人)による最古の芸術作品と紹介されているが
「心」が自然から分離した瞬間、もっといえば「心」がはじめて生まれた瞬間を留めていると考えれば感慨深い。
母なる自然と一体であり未分化な状態から
大ジャンプ。
いつどのように亀裂や分かれ目が生じたのだろうか。
彼らは外に、外部に、出た旧石器時代の英雄達であり同時に楽園、エデンからの追放でもある。
偉大なビッグバンのように生じた「心」や「意識」というものはもしかすると
それはまるで母体から切れたあとのような傷と共に生じたのかもしれない。
その決裂から生じる苦しみや病もそこから産み出されることになったのではと想像するとその溝を埋めるべく発生したのがいわゆるシャーマン達であり、今日の精神、心身的なセラピーの中にもその知は受け継がれているように思われる。


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