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茯苓

気虚から四君子湯についてあれこれと考えを巡らせている。

少し松の木について。

近くの神社の鳥居をくぐると空気が街なかと

かわるのを感じる。

脇に並んだ松の木が、多少色褪せたにせよ私

の子供のころからずっと緑色のままの葉をみ

てやはり感心する。

能楽堂に行く機会があった時も真っ先に目に

入ったのはお堂の背景の松の絵だ。

松の緑は不老長寿やいつまでも若々しいと願

う人間にとって特別な存在になるのはよくわ

かる。何か特別なパワーが秘められいるので

はないかと。

その松の根本から採れる生薬として茯苓がある。

松の木の下に「伏せている霊」というふうに

読むとその秘めている力が弱った気虚の体へ

と導かれるのも納得できる。

現代は漢方薬や鍼灸をメインにしていた時代

よりも自然との距離が離れてしまっているの

で、自然と体とのナラティブ、物語に欠け、

つながりが希薄となっている事をとても感じ

る。

医療のエビデンスの前では自然とからだの物

語というものは単なるプラシーボとして一蹴

されてしまったりする。

けれど

病院へ受診しても原因のはっきりしない心身

の不調に対しては不安や不満がつのると言う

事が多いのも事実だ。

自律神経症や心身症というラベルを貼っても

よいが、ここから、体という自然との付き合

い方を見直す良いチャンスになってくれたら

とも思う。

たとえば最近テレビやインターネットを通じ

てか「この頭痛は気象病かもしれない」とお

っしゃる患者さんなどが結構増えてきてい

どこか

アスピリンだけでは安心できない

現代人に自然とのつながり、ナラティブが新

しいかたちで復活してきている予感もする。



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