Arkhē apothecary & kitchen

新木場駅に来たのはおそらく初めてだ。
今日のお目当ては夢の島公園にある第五福竜丸展示館。
それにしても、夢の島はゴミの埋立地っていうイメージしかなかったけど、立派な大木が茂っている。地球の回復力ってすごいんだ。

この桜は自然の回復力を教えてくれる

1960年代半ばまで、ハエとネズミがウヨウヨするゴミ捨て場だったなんて、全く感じさせない。

https://www.yumenoshima.jp/park/historyより

公園には、お花見やサッカーを楽しむ人たちの姿があって、私の「夢の島」のイメージは大幅に変更させられた。

さてさて。
第五福竜丸展示館には、1954年に太平洋のビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験に遭遇してしまったマグロ漁船が展示されている。

第五福竜丸

そして、被爆してしまった乗組員の方々のことや、その後の日本政府やアメリカ政府の対応、そして水爆と原爆実験の日本以外の場所での被害者の方々についての展示がある。

マグロ漁の精悍な男たち
肝臓は被爆によって影響を受けやすい臓器らしい
「Hibakusha」は国際的な用語になっているらしい

乗組員の方々の死亡年齢を見ると、被爆の翌年に亡くなった久保山愛吉さんを除いては、すぐに亡くなったわけではないようだ。90代まで生きられた方々もいらっしゃるのを見ると、被曝による影響の個人差というのは大きいんだろう。

だけど、被害っていうのは、死ぬことだけじゃない。生きてはいるけど体調が悪かったり、社会的な影響もある。
展示されていた新聞記事で、船乗りたちが被爆の検査入院をしながらラジオ放送を聴いていたら、若い女性が「第五福竜丸の乗組員の方と結婚してもいいと思うか」と聞かれて、「あんな人たちと結婚するのはとんでもない」と答えたという。
被爆は遺伝子にも影響が出るので、家庭を作るのを躊躇するのも理解できる。
ただ、そんな質問をする記者や、ラジオとわかっていながらそう答える女性は、他者の悲しみを想像できない馬鹿者たちだ。
被爆した人々は、そんな社会の残酷さにも直面して生きていかないといけなかったのだろう。

被爆したのは静岡から出港した第五福竜丸だけでなく、他県の遠洋漁業の船もであった。
健康被害や廃棄したマグロに対する補償を日本政府は米政府に要求した。
支払われた額は十分ではなく、全く補償を得られなかった人々すら多くいた。
それでも、戦後9年経った時点で、日本政府はアメリカに対してきちんとした外交をしていたと評価していいと思う。
日本は、太平洋の放射能汚染を調査する船も出し、広範囲での汚染を確認している。今の日本より、1954年当時の方が、国民の健康を守るという国家としての役割をまっとうに果たしているように見受けられた。

今日の遅めのランチは、新木場駅から公園の反対方面に五分ほど歩いたところにあるArkhē apothecary & kitchen。

本日の定食A 菜の花とひよこ豆のコロッケ 1,320円

汁物は、たまねぎと小松菜のかきたま。
我が家では、食材があまりない時の味噌汁の具がこんな感じだけど、こんなお椀に入れるといいのかもしれない。


次回は薬膳カレーの単品がいいかな

ファラフェルは、ポテトコロッケ風。私は、ひよこ豆がきちんと入って、歯応えのあるファラフェルの方が好きだから、ちょっと拍子抜け。

色合いは綺麗。

副菜は両方とも美味しかったけど、こういう自然派カフェのお決まりではある。
マスタードシード、白あえ、麹、酒粕。
全体の量は、やや軽め。
育ち盛りの青年は、インスタ写真を撮るおしゃれ彼女を眺めながら、内心ため息をつくような量。

食材の種類、質、量、それぞれに原価削減をちょっぴり感じてしまったのが残念。
皿とメニュー説明文、それに店のおしゃれな雰囲気が付加価値という、ありがちなパターンの店。

気を取り直し、漢方の入ったチャイ、にひかれて注文。
漢方大好き。

食事をした人には200円引き

それから、ひとくちヌガーも。

暑い日だったら豆花もいいな


ヌガーは落ち着く味。美味しい。
チャイは普通の味でずっこけた。もっと面白い漢方の香りを期待してしまったけど、やや甘めの普通のチャイでした。漢方ハーブが入っているなら、その香りを楽しみたかった。

また行くか?
新木場に来たら、また行きたい。
今度は、カレー単品と、スパイスラテか紅茶を試してみたい。

値段はどうか?
この量と内容だとやや高め。でも、自分でこんなカフェを経営すると考えると、これくらいの値段はつけたいよなあ、とも思うから、まあ妥当な値段なんでしょう。

私がオーナーだったら
700円くらいで、今より2割少ないくらいのワンプレート定食を作る。
それとは別に、今と同じ1,320円で、今より2割多い量にする。

それか。。。

定食は1,500円にして、食材の質を向上させる。
素材は無農薬だけにして、産地も黒板でお知らせする。
味は、万人受けするようなダランとした味ではなく、何か工夫する。

店内ではアート作品やアンティークなど、ショッピングも楽しめる

以上、独断と偏見に満ちたレビューでした!


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