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ノルウェー日記

2018年の終わりから2019年初めにかけて8日間、北欧ノウルェーへ。
厳かで美しい自然に包まれたノルウェーは静かで心地よい国だった。

トロムソ

ノルウェー北部、北極圏に位置する、ラップランドで二番目に大きな街。さ、寒い!分かっていたけど寒い。ちょうど一年前、フィンランドのサーリセルカに行った経験を踏まえ、完全装備しているけれど、身体がこの環境に慣れるまでしばらく寒さを厳しく感じそう。バスに乗ってホテルへ向い、暖かい部屋でホッと一息。ここのホテルの素晴らしいところの1つは、シャワーから熱いお湯がすぐ出るところ、水圧が強いところ。水からなかなかお湯に変わらない日本のシャワーよ、トロムソのシャワーを見習っておくれ。

この時期のラップランドは一日中、日が昇らない、ポーラナイト。暗く、白く、静寂な空間。薄暗い中、雪に包まれた街の白さが浮き立ち、雪や冷気が音を吸収するように、しんと静か。ここでは日頃、忙しく動き回る体や心が、自然と静かになる。それが心地いい。海と森、ノルウェーの豊かな自然がいつも目の前にあって、厳しい冬にもその壮大な美しさを見せてくれる。

トロムソ島の対岸、本土側にそびえる山をケーブルカーで登り、山の上から見下ろすトロムソ島の眺望は絶景。おすすめは、暗くなり始める14時頃から夜景に変わるひと時。まるで、水墨画の名画に光を散りばめたよう。穏やかで、輝かしくて、神秘的。北極圏のパリと呼ばれるその美しさは、想像以上だった。都会の夜景に焦りや不安を感じる私だが、トロムソ島の夜景には暖かさを感じた。

オーロラチェイス

オーロラを求め、その道のプロがその時の天候をみて、バスを走らせるツアー。21時に集合し、あっちへこっちへ北へ北へ、どこまで向かうのか、予定時間を超えて約5時間。スタッフの皆さんが、私たちにオーロラを見せるべく、力を尽くしてくれたおかげで、いくつかのスポットでオーロラに出会うことができた。

が、しかし。。昨年サーリセルカでオーロラを見ることができなかったリベンジをしに来ているにも関わらず、オーロラを見る準備を全くしていないことに、その時気づいた。オーロラは肉眼では綺麗に見れず、カメラのレンズを通して見ることができる。撮影するには、ちゃんとしたカメラと三脚、スマホなら専用のアプリとスマホを支える道具が必要。なんてこった!慌ててバスの中でアプリをインストール。手ブレを防ぐ三脚がなかったので、極寒の中、手袋を外し頑張って手を固定してシャッターを押し続けた。ポストカードのような綺麗なオーロラは撮れなかったけど、手作りのおもちゃのようなふんわりしたオーロラ写真が撮れた。これも旅の良き思い出。

その日は強いオーロラが出ていて、肉眼でも空のどこにオーロラがでているか分かるほどだった。オーロラ鑑賞は、睡魔と寒さとの戦いでもあったが、自然の神秘に触れることができた素晴らしい体験だった。

犬ぞり

サーリセルカで初体験した犬ぞりが忘れられず、ここでも犬ぞり体験。思っていたより商業化されたツアーだったのと、犬とのふれあいが少なかったのと、初体験の犬ぞりが楽しすぎたこともあり、期待値を上回りはしなかった。でもやっぱり犬ぞりは楽しい。純粋に、前へ前へ進む犬の本能、パワーに感動する。

フィヨルドクルーズ

トロムソからボードーへ、世界最北の定期運行船フッティルーテンに乗船。華美すぎず、快適で、落ち着いた雰囲気がすっかり気に入った。海面から1000m級の山々がそそり立つフィヨルドの景観の中を進む船旅は、一生忘れられないだろう。

デッキから眺める景色は、外の寒さが自然の美しさを一層際立たせ、刻一刻と変わる自然の表情をいつまでも見ていたかった。デッキの右と左で天気が違うくらい変わりやすい天候を目の当たりにした。また、キャビンでソファに身を沈め、ぼんやり景色を眺めていると、どこまでも力が抜けて、心も体も自然へ還っていくように感じた。心からみんなにおすすめしたい船旅だ。

オスロ

ムンク美術館に行ってきた。道中、公園の傾斜のある道が凍っていて、近くの木や石に捕まりつつ、滑りながら慎重に慎重に歩いた。危ないけど、動きがおかしくて大爆笑。

北欧の人は自然と共に生きていて、アウトドアを楽しむ。アウトドアメーカーが豊富で街にお店もたくさんある。一方、フッァッションはファストファッションが主で、あまりお金をかけないようだ。確かに街でブランドショップを見ることがなく、散々歩いてやっとブランドショップが少し並ぶ一角があったくらいだった。この街の様子に比べると、日本は何てブランドショップが多いのだろうと改めて思った。

食べ物

口に合わないものは特になく、寒い地域だから味が濃いということもなく、どこのお店でも割と何でも食べれた。サーモンはグリルか、スモークしてあって、レモンやハーブと一緒に食べることが多かった。

あと印象に残っているのは、酸味のある白いスープに色々な海の幸が入っているシーフードスープ。どこの朝食でも出てきたビーツのピクルス。そして、イェトストと呼ばれる山羊のブラウンチーズ。イェトストは、キャラメルのようにねっとりしていて、きなこのねりきりのような味。私は山羊チーズは苦手だが、このチーズは大丈夫で毎朝パンと一緒に食べた。

日照時間が少ないので、ウツ対策のため、朝食時やドリンクコーナーに、オメガ3を摂取できるタブレットや魚のオイルが常備されていた。フリスクのような小さな白い粒をコーヒーに入れて飲んでいる人をよく見かけた。

トロムソにある世界最北のビール"マック・ビール醸造所"で飲んだ白くまのビール、美味しかった。ノルウェーはアルコールを提供できる時間、販売できる場所・時間が厳しく決まっている。なので、夕食時に飲むくらいであまりアルコールは飲まなかったな。

ちょこっとデンマークのお話

ノルウェーへ行く途中、乗り継ぎ地のデンマークのコペンハーゲンで一泊。電車に自転車を置くスペースがたくさんあるのが新鮮。チボリ公園のライトアップを横目に見ながら、ホテルに向かった。雨が降る寒い夜だったけど、部屋に荷物を置いたら休憩もそこそこに外を散策。ロングフライトの疲れもあるはずなのに、やっぱり私たちの好奇心はなかなかのものだ。

翌朝早くに朝食を取り、本格的に街を散策しに出かけた。薄暗い中、チボリ公園を見つめるアンデルセンと記念撮影。北欧の冬は太陽があまり登らないはずだけど、ずっとこの薄暗さなのかな、、、寒さと曇り空にちょっと不安な気持ちになった。まだ眠っている静かな街を歩き続け、少しずつ辺りが明るくなってきた頃、お目当のCafeにたどり着いた。

デニッシュパンの国、デンマーク。私の下調べによるとデンマークはHyggeな国、そしてデニッシュパンが美味しい国らしい。”ANDERSEN&MAILLARD Coffee”シンプルで柔らかい雰囲気のお店。シナモンのクロワッサン、チョコが練り込まれたデニッシュパン、カプチーノとコーヒーを注文。パン生地の層のなんと美しいこと!何層にも織り込まれたデニッシュ生地はサクサクで甘くて本当に美味しい。空港や他のお店でもデニッシュパンを食べたけど、やはりその辺のお店と人気店はレベルが違う。ここに来るまで、デニッシュの本場でもこんなものか、と思っていたのでここで感動のパンに出会えて満足。もしまたデンマークに来ることがあれば、美味しいパン屋を巡ってみたいな。ちなみに、コーヒーもとっても美味しかった。

Cafeを出ると、空には太陽が顔を出していた。お腹も満たされ、優しい光と青空に出会えて、何とも満たされた気持ちで再び歩きだした。そして、最近人気というフードマーケットに行ってみた。果物・野菜・花・魚介類・チーズ・スイーツetc冬なのにというのも変かもしれないけど、温室栽培なのか、輸入品なのか、色々なものがカラフルだった。このマーケットのお目当は、デンマークのガイドブックに必ず載っているオープンサンド、スモーブロー。食べたいけど、デニッシュパンでお腹いっぱいなので、見た目が華やかなスモーブローをたくさん見て、写真を撮って、満足することにした。

さらに歩き続け、カラフルな港町ニューハウンを散策。高級店が並ぶショッピング街も一応散策。そしてフライト時間が迫り、散策も終わりに差し掛かった頃、見れた!毎日正午に行われる伝統的な衛兵の交代式。正装って国によって本当に様々。絵本に出てきそうな姿の衛兵さんがピシッと綺麗に整列して行進している。しばし追っかけをして異国の文化を楽しんだ。

お土産にIrmaのトートバックをGetして、デンマーク観光は半日だったけど、大満足。この国に根付くHyggeは、つかの間の観光でなく、住んでみないと実感できないものだろうなぁ。それはまた、いつかのお楽しみにw

おまけ話

旅の始まりに想像もしない幸運が訪れた。予約していたスカンジナビア航空プレミアムエコノミーの席がオーバーブッキングしていたらしく、私たちの席をビジネスクラスに変更してくれるという。初めてのビジネスクラス!内心、心踊らせながら至って平常を装う自分がおかしかった。ビジネスクラスのシートやサービスが素晴らしいことは言うまでもない。おかげで年末の激務、一年の疲れを溜め込んだ身体が少し復活して旅を始めることができた。

終わりに

厳かで美しい自然に包まれたノルウェーは静かで心地いい国。厳しい自然環境だからこそ、感動するほど美しい。偉大な自然に包まれているから、心地いい。冬の北欧は素晴らしい。そしてきっと、夏の北欧も素晴らしいだろう。いつか訪れてみたい。

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