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手紙 | 隕石の操縦士

空から隕石が降ってきた
マンションの私の自室に
私の集めた大切なひとつひとつが
破片になった 台無しなった
「くそ、何で私が」と思ったら
隕石の操縦士は私だった

手に湿疹がでた時、症状が出たのは
お父さん指とお兄さん指以外
子宮が被害に遭うということは
私の奥底に「被害に遭うのはいつも女性だ」という
怒りが流れているから
子宮が被害者なら加害者はどこ
私が知らなくていいことばかりだ

私は何度もからだに言い聞かせる
自分で創り出したがんなのだから自分で治せる

私はがんに手紙を出す

がんちゃんへ
いったい何故今、私のところにやってきたの
人生に試練を与えるため?
私は、何に気がつくべき?
私の想いに誤りがあったのなら
どうかゆるしてください

原因不明の病続きで
からだはボロボロになっている
それでも絶望せずに、毎日掃除して
ローズマリーの精油とテルミーの煙をモクモクたいて
言葉のお守りを集め直す

今までほんとうごめんなさい
無理ばかりさせて
自分を守ってあげられなくて
考えひとつで私はさんざん私を傷つけてきた
ごめんなさい
ゆるしてください
私はやっと言う有り様で

がんちゃん
私は生きたい
痛みは変化を遂げているしるしだと
がんちゃんがもう暴れまわったりせずに
悲しみを表現することができますように
どうかあなたに愛が届きますように

天よ、目に見えないすべての光よ
どうか、私の中にいる神よ
神の神殿であるからだに
完全な治癒をもたらしてください
そこに、きれいな水が流れますように
私が私の神であるならそうするべきです

私は祈りの手をほどきお腹に円を描く

からだの内から声がする
一体どうして分からない
からだは治し方をちゃんと知っている
だから信頼していればいい
指の傷が教えてくれていた
病が治るのは自然なことだと

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