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低糖質・栄養豊富な"米ぬか"の魅力で日本の田園風景と食文化を守りたい。 『おこめぶらん』で再発見するお米の力とは?

日本の美しい田園風景と食文化を守るため、お米を活用したスキンケアや食品を開発・販売するブランド『おこめぶらん』。
『おこめぶらん 南青山本店』の店長であり管理栄養士の川野穂ノ花さんに、実はダイエットや栄養補給にピッタリな米ぬかの魅力について伺いました。

おこめぶらん南青山本店 店長(管理栄養士)川野穂ノ花さん

寺島「Lemon Squareの寺島です。本日はよろしくお願いします。まず、川野さんが神明きっちんで働き始めたときのことを教えてください」

川野さん「管理栄養士の資格があるので、食品に携わる仕事がしたいと思っていました。中でもお米が大好きで、米卸事業を営む神明(しんめい)きっちんを見つけたとき、ここで商品開発をしたいと思い入社しました」

寺島「川野さんは『おこめぶらん』南青山本店の店長を務めていらっしゃいますが、入社したときからこちらの店舗で商品販売をされていたわけではないのですね」

川野さん「はい。米油を作っている工場で衛生管理や品質管理を見学したり、キッチンカーの立ち上げを経験したりしました。

製造の現場では、たとえば0.5度単位の温度管理など、徹底された環境の中で商品が作られています。製造の仕事を学んだからこそ、商品がどれだけ良いものか理解できましたし、その良さをお客さまに伝えやすくなりました。

製造の現場では、現在もなお、よりお客さまのニーズに応えられるよう改善を重ねています。一例を挙げると、美容成分セラミドは製造工程で失われてしまうため、どの段階で失われているのかを突き止め、壊さないためにはどうすればいいかなど、長年の課題として日々研究を続けています。こういった、表には見えない裏の方々の努力や日々の進歩も、工場に勤務することで知ることができました」

食品、スキンケアなど多様な活用法で米ぬかの魅力を発信。『おこめぶらん』が守りたいのは日本の田園風景と食文化

寺島「川野さんは新卒のときから神明きっちん一筋で、製造から販売まで学ばれているのですね。

神明きっちんのブランド『おこめぶらん』では、米ぬか由来の『圧搾米油 0.6 RICE BRAN OIL』、『飲める米糠(ぬか)』などを販売されていて、店舗では数量限定の『米ぬか発酵ランチ』を楽しむこともできますよね。

スキンケア、食品などさまざまなジャンルで米ぬかの魅力を発信する『おこめぶらん』とはどのようなブランドなのか、誕生ストーリーを教えていただけますか?」

川野さん「『おこめぶらん』では米ぬかをたくさん活用しているのですが、もともと米ぬかは捨てられたり、飼料になったり、人間の食事には登場しにくい商品です。

ですが、米ぬかは日本のスーパーフードと呼ばれるくらい魅力の多い商品。米卸業である私たちが、その魅力を発信していけたらということで『おこめぶらん』の事業が始まりました。

まずは、米ぬかから油を圧搾し、『圧搾米油』を作りました。圧搾米油を作るときに用いているのが、『神明きっちん』が開発した『ナチュラル・プレス製法』です。

『ナチュラル・プレス製法』では、精米直後の鮮度が高い米ぬかを、劣化が進む前にすぐに圧搾します。

一般的に、米油を作るときは薬剤で抽出を行いますが、圧搾で使うのは物理的な圧力のみ。薬剤を使用しないため、米本来の風味や栄養成分が損なわれません。原料の新鮮さにもこだわっています」

ブランド名の『0.6RICE BRAN OIL』は、1kgの玄米から6g(0.6%)しかとれない非常に希少なオイルであることに由来
おこめぶらん 南青山本店に掲載されている圧搾米油へのこだわりと、圧搾米油タンク

川野さん「米油を絞った後には、脱脂米ぬかが残ります。その脱脂米ぬかに含まれる雑菌や大腸菌などを高熱処理で殺菌したり、微粉砕加工や加水分解加工で水に溶けやすく、飲めるように加工したのが「飲める米糠(ぬか)」です。

初めは有効活用されていなかった脱脂米ぬかですが、粉末にして飲めるように加工し『飲める米糠(ぬか)』として商品化されました。豆乳や牛乳で割る飲み方が人気です。お水割りでもさっぱり飲めますし、スープに溶かしたり、炒め物のタレに溶かしたり、パンケーキの粉に混ぜたり、何にでもお使いいただけます。不溶性植物繊維・水溶性食物繊維のどちらも含まれているため、腹持ちが良くお腹を綺麗にしてくれます」

『飲める米糠』はきな粉のような風味で、みそ汁やスムージーなど普段の食事に取り入れやすい。
味噌汁などに入れるのもオススメ!


川野さん「日本は農業離れ・米離れが進んでいて、田んぼの数も減ってきています。同時に、綺麗な田園風景や棚田も無くなってきているのが現状で、それを守りたいと思っています。米ぬかの活用という角度から、お米の可能性・素晴らしさを再発見し、ひいてはその活動から日本の美しい田園風景を守りたいという思いが、事業を始めた目的です」


寺島「日本の農業や田んぼを守りたいという目的から、廃棄される米ぬかなどを活用して世の中に広めていったのですね」

店舗が広げる米ぬかの魅力。米ぬか発酵ランチで"米ぬかは美味しく食べられる"をその場で実感

寺島「『おこめぶらん』のお客さまはどういった方が多いのですか?」

川野さん「一番多いのは、30代から40代の女性です。移転後、南青山本店では男性女性問わず、サラリーマンの方や、50代60代の方に来店いただく機会が増えました」

寺島「このお店があることで、出会いの幅が広がっているのですね。次に、商品の強みを教えてください」

川野さん「商品が全てお米由来で、南青山本店では全ての商品で化学合成された添加物を使用していません。自然由来のものにこだわって商品開発をしています」

寺島「『おこめぶらん』ではコスメも展開されていますが、売れ筋商品や魅力を知りたいです」

川野さん「スキンケアシリーズが非常に人気です。セットで購入してライン使いしてくださる方が多いですね。その中でも化粧水は特に人気です。化粧水単品で購入される方も多くいらっしゃいます。

お店での売れ筋でいうと、トップが飲める米糠と圧搾米油の2つで、次がスキンケア用品です。ランチも人気ですよ」


寺島「ランチも食べられるなんて素敵ですね!どのようなメニューがあるのですか?」

川野さん「ランチは期間によってメニューが変わるのですが、現在は『米ぬか発酵ランチ』のセットや、米ぬかを練り込んだベーグルにぬか漬けを挟んだサンドイッチ。一番人気は玄米を使用したメニューになります。体に優しいものを求める方が非常に多いので、よく注文していただいています。

ランチメニュー 玄米出汁茶漬け

ぜひ玄米の状態で食べていただきたい思いが強いので、メニューも全て白米ではなく玄米を使用しています。

お店の前を通りかかって、ふらっとランチを食べてくださる方が多いです。ランチがきっかけだと、米ぬかが食べられることや、米ぬかが美味しいことをよく知ってもらえます」

白米を避ける人にも「米ぬかなら糖質が少なく栄養豊富」と知ってほしい

川野さん「『おこめぶらん』は、実は2021年2月にリブランディングして出来たブランド名です。

もともとは『0.6 RICE BRAN OIL』がブランド名で、そのときは米油の商品しか販売していませんでした。0.6は、米油が1kgの玄米から6g(0.6%)しかとれないことに由来します。お店の名前も『0.6 RICE BRAN OIL』でした。

その後、商品のバリエーションも増えてきたので、米油だけのブランド名から『おこめぶらん』にリブランディングしました」

寺島「リブランディングは、とても勇気の要る決断ですね。動機を教えてください」

川野さん「『0.6 RICE BRAN OIL』は英語を使っていて、洋風なイメージです。ですが、もともと私たちは米卸の事業を運営している会社で、お米屋さんであることをわかりやすくお客さまに伝えたいという思いがありました。

また、商品もオイル中心なのではなく、米ぬかが中心であることも伝えたかったです」

寺島「リブランディングによって、よりブランドの本来のイメージに近づいたのですね。『おこめぶらん』が取り組んでいるブランドミッションを教えてください」

川野さん「もっと米ぬかの商品をお客さまに届けたいという思いがあります。そのために『おこめぶらん』は店舗にフードメニューがあり、米離れが進んでいる若い方達の目に留まるようにしています」

寺島「今、ダイエットで糖質制限をしている方をよく見かけます。米ぬかは糖質制限に向いていて、本当に美味しくて健康的だということを知ってほしいですね」

川野さん「そうですね。ダイエット中の方には、白米は、糖質が多いことや、精米で栄養成分が失われることを理由に避けられがちです。そういった方も、玄米なら食べてくださるのですが、玄米は玄米で、栄養の8割は米ぬかの方に含まれますし、食べにくいと感じる方もいます。

米ぬかなら、糖質が非常に少なく、手軽にビタミン、ミネラル、食物繊維が補えます。なので、米ぬかの商品をもっと薦めていきたいです」

インフルエンサー、芸能人がプライベートで来店。時代が求めているものは、一番身近な食品"お米"に詰まってる

寺島「テレビやSNSでの評判はどうですか?」

川野さん「2021年9月に現在の『おこめぶらん 南青山店』に移転してから、一気にさまざまなメディアに取り上げてもらえました。雑誌などに掲載されるようになり、同時にインフルエンサーの方や有名な芸能人の方がプライベートで来店してくださりました。

2022年7月に放送されたフジテレビの『なりゆき街道旅』で取り上げていただいた反響はすごく大きかったです」

寺島「移転が大きな契機だったのですね」

川野さん「はい。場所としては、同じ南青山の中での移転ですが、内装や商品パッケージ、ラインナップを変更しました。

以前は白を基調とした洋風な店内でしたが、現在の店舗は和を基調とし、米蔵をリノベーションしたようなデザインになっています。

商品パッケージも洗練された和のデザインに変更し、“和漢膳グラノーラ”や“焙煎米ぬか茶”など『おこめぶらん』ならではの商品を取り揃えています」

寺島「インスタグラムなどのSNSはどのように活用されているのでしょうか?」

川野さん「現在、2のアカウントがあります。

ブランドアカウントである、おこめぶらん(@okomebran)では、インフルエンサーの方を交えて商品を紹介したりしています。
店舗のアカウントは、お客さまに身近なアカウントとして更新しています。0.6 RICE BRAN OILのアカウントは、ドラッグストアなどで接客なしで購入する方のために、商品の使い方やレシピを投稿しています」

寺島「ドラッグストアでも購入できるのですね!使い方がSNSでわかるのは嬉しいですね。SNSに限らず、今後発信したいことを教えてください」

川野さん「米ぬかと言うと、ぬか漬けなどによって、いわゆる「ぬか臭さ」のイメージが強いかもしれません。ですが、その米ぬかで手軽に栄養を補える。日本人の一番身近な食材であるお米の栄養は、米ぬかに詰まっていることをもっともっと発信して、お客さまに知っていただきたいです。

そういった意味では、米ぬかのイメージを変えることも大きなブランドミッションと言えるかもしれません。ぬかごと食べられるぬか漬けの販売などでアピールしています」

寺島「今、ぬか漬けのブームが来ていますよね。ぬか漬けを作った後、ぬかを捨てるときいつも罪悪感がありましたが、ぬかごと食べられてゴミが出ないのは素敵です!」

川野さん「捨てるところを食べられるようにしているという意味で、サスティナブルな商品になっています」

寺島「SDGsの観点からも魅力的ですね。さまざまな活用方法を伺って、米ぬかのイメージが大きく変わりました。本日はありがとうございました!」

川野さん「こちらこそ、ありがとうございました!」

『おこめぶらん』の商品紹介

おこめぶらん 南青山本店 では、本インタビューで紹介した飲める米糠(ぬか)、圧搾米油、フードメニューの他、米ぬかを使用したさまざまな商品を販売しています。

圧搾米油
こめぬかべいくど10個入り
米ぬかドレッシング


取材協力

株式会社神明きっちん
米卸の老舗、神明グループが手掛ける、米糠・米油の販売事業。

おこめぶらん南青山本店 店長(管理栄養士)
川野穂ノ花さん

公式サイト
https://06ricebranoil.com/
神明きっちん「おこめぶらん」は米糠の持つ心/からだを整える力を最大限に生かし、健康的な毎日をサポートします。



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