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『良いマスク』(布マスク再考)

世の中たくさんの種類のマスクが売られるようになりました。

マスク選びの際『世間的には不織布マスクが良いという風潮』なので、多くの方がそのようなものを選んでいるかと思います。

ですが、個人的には『そうでもないんでは?』と思っています。

今回の記事では感染対策としての妥当なマスクについて書いてみようと思います。


◆不織布マスクの問題点

世間的に不織布マスクが推奨されているのは、『理論上の濾過性能』が根拠になっている為かと思います。

たしかに、多くの不織布マスクはフィルター性能や理論値で考えればそれなりに効果が高いです。

しかし、問題点があります。

それは『隙間が生じる』ということ。
そして『隙間を塞ぐと苦しい(ものが多い)』ということです。

◇◇◇

今年の夏も『多くの人が屋外で不織布マスクをしながら歩いている』という姿が見られました。

しかし、それが可能なのは『マスクと顔面の隙間からほとんどの空気が流れている』からです。

試しにマスクのフチを指で顔面に押し当てて隙間を無くし息をしてみてください。それをしないよりも遥かに息苦しいはずです。

◇◇◇

極端に言うなら大部分の人は『マスクを着けていながらマスクフィルターを介して息をしていない』という感じです。それは見れば大体わかります。

多数の方がノーズフィッターを鼻の輪郭に沿って曲げていませんし、耳紐調節などで着圧を強める工夫もしていません。

正しく不織布マスクを着用出来ている場合マスクが息に伴い収縮しますが、そのような方は私が見る限り全体の1割もいません。

そもそも、ほとんどのマスクは『普通に着用して隙間無く快適に使用出来る』ようには設計されていません。


◆不織布マスク着用の実際

つまり、現状の多くの人を考えるなら『不織布マスクを着けていても、不織布マスクとしての性能を出せていない』ということです。

そのような着用方法の利点、欠点は以下のようになるかと思います。

<利点>
・それほど苦しくない。
・息苦しさに伴うリスクが低い。
・大きな飛沫の対策(吸引、排出)は出来ている。

<欠点>
・エアロゾル対策(吸引、排出)がほとんど出来ていない。
・無駄に高コストのマスクを買っている。

◇◇◇

よく、マスクの効果として『富岳のシミュレーション』等が示されることがあります。

それは私が見た限り『ほぼ完全に隙間を塞げている人』を想定したものではないものの、多くの人の中央値を採用したものでもありません。実際はもっと期待値が低いと思います。

『不織布マスクで感染対策』というのは結構難しい。
私はそう思っています。


◆布マスク再考

テキトーに不織布マスクを着けるくらいでも飛沫対策にはなります。

ですが、感染経路として『エアロゾル感染の割合が高い』と海外の情報では見ることが出来ます。さすがに日本での実績を踏まえても『大部分が飛沫や接触感染』とは考えられないでしょう。

マスクでのエアロゾル対策を考えた場合『そもそも濾過出来なければ意味がない』と言えます。現状の『隙間だらけの不織布マスク』ではエアロゾル感染にかなり無防備です。

◇◇◇

そこで、布マスクです。

テキトーに不織布マスクを着用するよりも、出来るだけ隙間無く布マスクを着用するほうが効果が高いのではないかと私は推測しています。

もっとも、圧力損失の低い(息がしやすい)布マスクが前提になります。
そのようなマスクであれば、テキトーに着けても多くの空気はマスクで濾過されるでしょう。

もちろん、布マスクだと小さな飛沫は普通に貫通すると思いますが、それが低リスクであるとする論拠(妄想)を前回の記事でまとめました。

◇◇◇

布マスクと言っても種類は色々ですし、確信をもって『布マスクのほうが効果が高い』とは言えません。

ですが、無理して息苦しいマスクを着けて口呼吸などのリスクが発生するのであれば、それにこだわる意味は無いように思えます。

実際の不織布マスクの低い濾過率を考えたら、既存のシミュレーションでも案外布マスクのほうが優位性があると判断されるかもしれません。

ちなみに、ワクチン絡みの有名人である岡田正彦氏(新潟大学名誉教授)はガーゼを多く重ねたマスクを信頼しているようですね。


◆おわりに

コロナ騒動の初期、私は無印良品の布マスクを愛用していました。
(ノーズフィッターはアルミで強く耳紐も幅広でしたし、とても良いものだと思います。今のやつはわかりませんが。)

当時、割高の粗悪な不織布マスクを着用し『コレどう考えても隙間が出来るし、全然息を濾過してないし、意味ないな。』と実感したことによります。

当時の判断としては、おそらく間違っていなかったでしょう。
今の感覚で振り返ると全然コロナ流行ってなかったですけどね。

◇◇◇

今現在の私は、しっかり隙間を塞いでも息がしやすい不織布マスク(SAVEWO 3D MASK Ultra)を使用しています。

それは『表情がわからないことを除いて健康上のリスクはかなり低いだろう』と思えるくらい素晴らしいマスクですが、快適さというのは個々人で異なります。

『なんであれ口を塞ぐものが耐えられない』と感じる人もいると思いますし。そのような方はノーマスクでいるべきでしょう。

マスクに限らず、全体として負荷の少ない方向性を模索していくべきだと思うところです。

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