無題 5月18日 2019年 13:29

私の抱えている問題の根源は、たぶん、私自身が誰よりも私という存在に価値を感じていないこと、だ。
たぶん…。
幼い頃から、誰も私自身だとか、私の何かに価値があるのだとは、教えてくれなかった。
教わらなくてもみんなそんなこと知るんだろうか。
誰にも教わらずに、どう知るんだろうか。
自分に、どんな価値があるのかを?
一番最初に、私には価値がある、と教えたのは、もしかしたら私の身体を最初に異性として触ったあの痴漢男かも知れなくて、あの男にはチューガクセーの私が間違いなく何かの価値をもって(それがロクでもないものでも)存在していたし、それだから私を呼び止め、触り、あわよくば連れて行こうとした。
でもそのことはずっと私の中で傷としてしか残らなかったし、その行為があったことを明確に覚えているのに、私はその前後のこと、端的に言うとその日のことを、その日、その男に会い、触られたこと、それ以外のことを覚えていない。
家に帰った後、どうしたのかを覚えていない。
傷だから、隠した。
親にとって、とりわけ母親にとっての私は常に、不出来でワガママで扱いづらい「悪い」子供だった。
対外的な体裁でそう言い続けたのか、本気でそう思っていたから言い続けたのかわからないけど、とにかく、誰かいるところでも、2人の時にも、いつも言われた。
どうしてあなたはそうなの、って。
何をしてもダメだった。
私は一部の大人には常に嫌われ、疎まれる子供だったし、当時から理不尽が許せない子供で、本当に、それを、子供特有の馬鹿さという意味でいうなら、可愛げのない子供、子供らしさのない子供だったんだと思う。
たぶん私のことを嫌いな大人は、大人しく従順な子供が好きだった。
私の親もそうだった。
大人しく従順で、言うことをよく聞く子供が好きだった。
だから私は必死で親の言うことを聞いたつもり、だったのだけど、兄に比べると私は本当にダメで、常に、知能とかそう言う意味でなく、道徳的に、みたいな意味で常に兄は上にいて、私は下にいて、ダメな子供だった。
道徳的に、っていうと変なのか。とにかく、兄は学校でも一番の品行方正なる生徒、それは常に変わらず、学校中の先生からそれを認識されるくらい、品行方正だった。
たぶん、両親は私にもそれを望んでいた。
勉強は出来て当たり前、習い事をしてるんだからそういうことは出来て当たり前、だった。
私は小学校でも中学校でも高校でも、親が学校に呼ばれない月はない、くらいの問題児で、どうしてかそうで、不良行為をするわけではないけど反抗的とか、なんかそういうので、どうしても上手に馴染めなかった。
母親はそのたびに私を何時間も詰ったし、家族は、一家の恥だと言った。
一方で親は、ピアノのレッスンを受けていた先生に、もったいないから音楽方面の学校に進ませたほうが、とか言われても、うちの子にそんな才能があるわけない、と言い、学校で専門的なところできちんと知能テストを受けさせたほうが、と言われれば、うちの子には必要ないですから、っていう。
本を読んでいることだけが好きだった、それだけはたぶん自分で選んだ、自分で選んだ本を読んだ。
映画より漫画よりアニメより小説が好きだった。世界は私の自由になった。その中でだけ、息が楽だった。
そういう生き方をして、自分で世界を作るようになって、逃げ場を作ることも覚えて…。
かろうじてそれで命を繋いできたのに、今の今になって、その才能を生きるために使えと言う、高い能力があるのだからやろうと思えばなんでも出来るでしょうと言う、何もできない才能はない能力はないって言い続けたその口で、そういう、生きるためにそうしろって。
わけがわからない。
そんなこと、一度も言わなかったくせに。
何もない、出来の悪い子、そう言い続けたくせに、取り柄もない、本ばっかり読んで何も身についてない頭でっかち、そう言い続けた、その口が、今になって、なんでも出来るでしょうとか言う…周りもそう言う…。
もう、脚も腕もいらないし知能もいらない…。
責めないでほしい、何も、誰も、私を責めないでほしい。
これ以上、どう生きればいいかわからない、ここから生きた先に何があるのかわからない、いいことなんて一つもないと言い切れる、どうせ今までと同じ生活が続くだけ、早く何もかもを捨てて、早く終わらせないと、取り返しがつかなくなる。

自分が世界で一番くだらない人間だと、私が一番よく知っている。

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