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ひねもす

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つれづれなるままに。日々の思うこと。
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映画『嘘喰い』感想

映画『嘘喰い』感想

この映画は、おそらく全編通して「見る」「眼差し」が通底したテーマになり得ると思う。

「見る側」は強者で、「見られる側」は弱者。

冒頭の屋形越えの場面では、主人公の宿敵切間創一は制空権まで支配しており自分を見下ろすものを許さなかった。その切間に貘は敗れる。そこから物語は始まる。

次に、鞍馬蘭子は全ての客を監視する闇カジノの元締めでありながら、見られる側になり、佐田国に負けを許す。絶対に有り得な

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ひつじさんのライフはもうゼロよ

ひつじさんのライフはもうゼロよ

宅トレを当たり前の世の中に
 何が起こっているかよくわからないが、いま東京は未曾有の大災害の渦中である。
 デルタ種というウイルス量もCOVID-19を引き起こす力も、それまでの従来種と比べて格段に高い型が日本で猛威を奮っているのだ。
 運が悪いとしか言いようがないのか。日本は春からコロナワクチンの接種が始まり、そして7月半ばから東京オリンピックを控えていた。その5月に、インドでデルタ種のウイルス

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フェミニズムはどうすれば

自分が大きな壁にぶち当たったときに、自分の欠点は自分だからなのか女だからなのかわからなくなった。
例えば「女の方が男より協調性が高い、社交技術に長けている」という人がいる。なんとなく「そうなのかな」と私は思い、「なのにきみは女なのに協調性もないし、社交術もないね」と言われると、自分は人としてダメなのか女としてダメなのかたいへん迷った。「女としてダメなのかな」はおそらく物心ついて自分があまり女っぽく

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読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(4)

読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(4)

『ジェーン・エア』シャーロット・ブロンテ(光文社古典新訳文庫)小尾芙佐訳 日記投稿は久々ですが、多分毎月料金負けせずにKindle Unlimited読めてると思う……。
 今回は名作古典『ジェーン・エア』読みました。Kindle Unlimitedは上巻のみなので、下巻は課金してKindle版を購入したのですけどね。
 『ジェーン・エア』の話は他のSNSで色々投稿したので、割愛します。古典的名作

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読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(3)

読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(3)

『俺か、俺以外か。 ローランドという生き方』ROLAND KADOKAWA 「現代ホスト界の帝王」の異名を取る青年実業家。でもコロナ禍でホスト店は閉店し、現在は美容室、脱毛サロン、アパレル店、雑貨店などお洒落メンズ向けの事業を中心にビジネスを広げている。花屋さんもやっている。ほぼ「ローランド様」というキャラクターのイメージありきのブランド戦略と思われる。ただ、今まで男性向けの化粧品やお洒落グッズ、

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そうだ、勉強しよう

そうだ、勉強しよう

要は自宅にいながら山ごもりしてる 今年の3月以降、緊急事態宣言が開けるまで、私はコロナ恐怖でストレスに押しつぶされていて、集中する、ということが全然出来なかった。
 6月過ぎて不眠に悩まされる事もなくなった頃から、やっと無理めな事に挑戦出来る心身を取り戻した。9月になった今も通勤と運動と生活用品の買い物以外の外出はほぼしない。宣言中も宣言後も、もしかしたらそのずっと前から、私の生活はほぼ変わらなか

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コロナ記:もう全部オンラインで

コロナ記:もう全部オンラインで

社交って要はオフ会になるの? 自分の娯楽は読書会や市民講座なのだけど、コロナ禍のために私の身の回りのこれらの集いは全部オンライ化した。家で受講できるので、参照したい本が手元にあるのは助かる。また、以前Twitterで、大学関係と思われる方が「大学院はオンラインでもいいのでは」と発言されており「それなら社会人になってからも通える。そして授業料も安いのでは」と嬉しく思った。

 オンラインでいいね。

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『凪のお暇』と空気を読まない方法

『凪のお暇』と空気を読まない方法

どうして空気を読むの? この話をしたいがために、『凪のお暇』(私は漫画を2巻までしか読んでいないKindle Unlimited民)を題材にして申し訳ない気もするが、前に読書日記で少し感想に触れたのでその流れで。

 現代日本において「空気を読む」は持っていて当然の日本人スキルであり、持っていないと「非常識な人」とさえ言われる日常に関係の深い能力である。──とされている。
 『凪のお暇』の1巻から

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読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(2)

読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(2)

『犬にきいてみろ 花咲舞シリーズ』池井戸潤(Kindle Unlimited) TBS日曜劇場『半沢直樹』シリーズでおなじみの池井戸潤の小説を初めて読みました。『半沢』以外にこの「花咲舞」も映像化しているのかな? 『下町ロケット』シリーズのいくつかもKindle Unlimitedにあるようでした。
 まさに「水戸黄門」! 現代の勧善懲悪時代劇なのは『半沢』以外も同じだったのかな。真面目で実直な人

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読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(1)

読書日記:Kindle Unlimitedへの課金を動力に(1)

『シャンデリア』 川上未映子 (Kindle Unlimited) 舞台のデパートのモデルは新宿伊勢丹だろうか。結婚指輪を選んでいたときに、作中の人がさまよったフロアを私もさまよったような気がする。
 アラフォーの子供時代、デパートは遊園地のようなものでした。父の世代の子供の頃は「日曜日に家族でデパートに行く」はリッチなお出かけだったそうだ。そしてデパートのレストランで食べるカレーライスは贅沢のシ

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世界文学と『源氏物語』両方好きな人

世界文学と『源氏物語』両方好きな人

 いつも授業が面白くて機会があると受講しに行っている市民講座の文学の先生が、「世界の文学の中の『源氏物語』」という視点で『源氏』を解説してくれる。
 たいへん面白いのだけど、2年位通い続けて今更気付いたのは、「世界の文学と『源氏物語』を両方好きな人があまりいなそう」という。西洋文学と限定せず、南米文学やアジアの文学も含めて、いわゆる「翻訳文学」を愛好している人で、『源氏物語』に強い関心を示している

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とあるコロナ記:石鹸は余ってうがい薬が足りない

とあるコロナ記:石鹸は余ってうがい薬が足りない

東京はまた感染拡大だってさ 7月に入ってから、瞬く間に東京都内の感染者数が連日100人超え。50人台でそわそわしていたのが懐かしい。
 実は内心、東京の感染は夏の間くらいはそんなに広がらないのでは、と、根拠もなく楽観していたのだ。しかしそんな休息はゆるされなかった。結局また臨戦態勢で毎日を送らなければならないらしい。
 そういうわけで、また外出機会を減らすべく、買い置きする方がいいのか。迷う。

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ひねもすペーパーレス化チャレンジ

 ずっとWindows派だったけど、10年使い倒すつもりだったデスクトップPCが5年で逝ってしまったのをきっかけにMacBookに変更。デスクトップ型からノートへ、そしてMacへと大変身を遂げたのだった。
 その後、粗大ごみの出し方を調べるのが面倒で(人として……)、ずっと部屋に置きっぱなしだったWindows…、ハードディスクが完全に故障しているので、PC本体は廃棄一直線なのだが、モニターとスピ

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ひねもす日記

ひねもす日記

欲望が尽きない… ブラック企業に勤めていた頃は、「定時に帰宅したい」「残業代ほしい」「潰れない会社」あたりが夢だった。
 「潰れない」はわからないが、非正規ながら大体定時に帰れて残業代の支払われる職場に転職して、私は夢の生活を手に入れたはずだった。
 色々満ち足りたはずなのである。私は7年前の悲惨な状態からは考えられないような恵まれし日々を送っているのだ。
 しかし人間とは愚かなものよ。「これで楽

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