おはようございます、 紅崎玲央です。

趣味で数検1級の学習や、統計学の学習に取り組んでいます。

今受けている授業では、いよいよ推測統計の分野に入りました。一方で今年に入ってからは統計分野でよく使われるプログラミング言語「R」についての学習も進めていて、こちらの学習も楽しくなってきたところです。

ここ1週間の学習記録はこちら。

ヘッダー画像はDream by Womboで制作しています。
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R言語を使ってみよう！

先週の記事で、R言語／RStudioでのプログラミング環境の構築を行いました。

これから、RStudioを使ったR言語でのプログラミングのやり方を、基礎からじっくりと学んでいきたいと思います。

目標は「R言語の基礎を理解して、基本的な統計処理や推定・検定、回帰分析ができるようになる」というところです。

今回の記事では、変数の基本的な使い方と数値の算術演算のやり方を学び、四則演算などの簡単な計算のやり方を見ていきます。

R言語／RStudioの学習には、下記の書籍を使っていきます。

R言語における「値」とは？

プログラミングでは、「値」と呼ばれるデータを操作して処理を組み立てていきます。値にはいくつか種類があり、R言語においては大きく分けると、ざっくり次の3つの種類があります。

• 数値型（さらに整数・実数・複素数に分かれる）

• 文字列型

• 真偽値型

これら値の種類のことを「型」と呼びますが、詳しいことは今後の記事で触れますね。まず最初は型の違いを気にせずに、R言語でできる数値の算術演算について見ていきたいと思います。

変数と代入

「変数」とは、値を保管する箱のようなものです。プログラミングでは変数に何らかの名前をつけて、そこに値を保管（代入）して扱うことが多いです。

「代入」とは、変数に値を保管する操作のことです。代入には「代入演算子」というものを使って行います。

実際に、変数へ値を代入する方法を見てみましょう。RStudioの左上領域のスクリプトエディタに以下のように入力してから、プログラムを実行してみてください。

a <- 2
num1 <- 3
num2 <- -5

プログラムの実行は、「Ctrl/Cmd + a」で全範囲を選択してから「Ctrl/Cmd + Enter」を押せばよいのでした。

すると、左下領域のコンソールに、以下のように実行結果が出力されます。

右上領域の「Environment」を見てみましょう。以下のように、変数名とそこに格納されている値の一覧を確認することができます。

代入演算子

「演算子」とは、値の演算のために使う記号の総称です。変数への値の代入には「代入演算子」というものを使います。

基本的には、先ほど用いた「<-」という記号を使います。変数と値の順序を入れ替えて、「->」を使っても、同じ結果になります。

# どちらでも同じ 「変数aに2という値を代入する」操作
a <- 2
2 -> a

他のプログラミング言語では、代入演算子として「=」がよく使われますね。R言語でも一応使えますが、あまり推奨されていない書き方のようです。

変数名はどんなのをつければよいの？

さきほど、変数名として「a」「num1」「num2」というものを使いました。では、これらはどのように決めればよいでしょうか。

変数名には文字、数字、ドット（.）、アンダースコア（_）を組み合わせて、好きな名前をつけることができます。ただし、以下のような仕様上のルールがあります。

• 変数名の最初は文字かドットから始める（数字やアンダースコアは使えない）

• R言語の予約語は使えない（TRUE, FALSE, NULLなどは使えない）

予約後が何なのかは、のちのち覚えていけばよいでしょう。

また、厳格なルールというわけではないのですが、より（人間にとって）読みやすいコードを書くための「命名規則」というものもあります。これによると、以下のように変数名をつけると良さそうです。

• 変数名には小文字の英単語を使う

• 英単語を組み合わせる際はアンダースコアを使う

• できるだけ意味がわかりやすい名前をつける

ひとまず、次のような変数名が使えるんだなーと抑えておけば良さそうです。

a
x
num1
num2
prime_number
prime.number

数値の算術演算

では次に、数値同士の計算のやり方を見ていきましょう。電卓でできるような簡単な算術演算を試してみます。

RStudioのスクリプトエディタに、以下のように記述して実行してみましょう。先ほどの続きでも、書いたものを削除してからでも、新たにファイルを作成してもかまいません。

2 + 5
2 - 5
2 * 5
2 / 5

プログラムを実行してみると、以下のように四則演算の結果が出力されます。

ですがこれだけだと、プログラムでやる意味は全く感じられませんよね。そこで、のちのちR言語を用いたプログラミングで活用することになるのが、変数を使った演算です。

a <- 2
b <- 5

a + b
a - b
a * b
a / b

次のように、変数に値を代入する際に算術演算を用いた式を使うことも可能です。

a <- 2
b <- a + 3

a
b

算術演算子

算術演算の際に用いた「+」「−」といった記号は「算術演算子」と呼ばれるものです。R言語の算術演算子には、四則演算の他にもいくつかあります。以下に表としてまとめておきます。

除算と剰余、整数除算

上記の算術演算子の中で、「剰余」と「整数除算」というものはなじみが少ないかもしれませんね。これらについて簡単に見ておきましょう。

以下のように「10と3の除算・整数除算・剰余」の結果を実行して、どういう値が出力されるかを見比べてみましょう。

10 / 3   #除算　　　　→　3.333333
10 %/% 3 #整数除算　　→　3
10 %% 3  #剰余　　　　→　1

それぞれ、以下のような演算結果が得られます。

• 除算は、割り算した結果を実数値で得る。

• 整数除算は、割り算した結果の整数部分の値を整数値で得る

• 剰余は、割り算した結果の余りの値を整数値で得る

算術演算の優先順位

先に計算したい式には、普段数式を扱う場合と同じ感覚で、丸括弧を使うことができます。

3 * (2 + 5)

また、算術演算子には優先順位があり、以下のような順序となります。剰余・整数除算を除けば、普段数式を扱う場合と同じですね。

1. 丸括弧

2. べき算

3. 剰余、整数除算

4. 乗算、除算

5. 加算、減算

補足：プログラムの書き方について

プログラム中の半角スペースは無視される

いくつか、数値の演算以外の話題をまとめておきます。まず、基本的にはプログラム中の半角スペースは無視されます。たとえばコードを見やすくする目的で、演算の前後にスペースを空けて記述することがあります。

# 以下の2つは同じ結果
a<-2
a <- 2

# 以下の2つも同じ結果
a+5
a + 5

コメントを記述する

R言語のプログラムの中に、コメントを「#」記号を使って書くことができます。コメントアウトされた内容は実行結果には関係ないので、メモ書きや他の人に伝えたい内容を記しておくことができます。

# 一行がコメントアウトされる

a <- 2
b <- a + 3 # 以降がコメントアウトされる

まとめ

今回は、R言語の値と変数、数値の代入、数値の算術演算について主に見てきました。

次回は、数学関数を使った特殊な演算について学んでみたいと思います。