もし華麗なる一族で高炉建設が成功したら

WOWOWドラマ「華麗なる一族」先週でようやく完結しました。

華麗なる一族とは、山崎豊子さん原作の社会は財閥系ドラマです。

ネタバレになるので、簡単にしか書きませんが、

阪神銀行頭取の万俵大介とその長男との壮大な親子ゲンカです

舞台は昭和高度成長期となるので、

スマホではなく、黒電話

テレビも白黒で、情報ソースはほぼ新聞

トップ会談の場所も料亭(これは今も変わらないですかね)

物語の大きな分岐

この物語の主軸は、親子ゲンカと書きましたが、

物語には一つの大きな分岐があります。

それは高炉建設の成功可否です。

長男鉄平は阪神特殊製鋼の専務として働いているのですが、

鉄を作るための高炉を持ち合わせていないため、材料調達に苦しむ場面があります。

それを解決するために、高炉建設を計画するわけです。

それに対して、父親である阪神銀行頭取へ資金の用立てを依頼しますが、無下に断られてしまいます。

無下に断られる理由は、一旦ここでは割愛しておきます。

鉄平は、別の銀行「大同銀行」の三雲頭取と旧友かつ、高炉建設という経営思想に共感していたため、資金を調達することに成功します。

しかし、大同銀行頭取の恩義に報いるため、高炉建設の工事計画を突貫工事に切り替え、3ヶ月工期を短縮してしまいます。

その結果、突貫工事のムリがたたり、建設中の高炉は爆発事故を起こしてしまいます。
そして、高炉の建設は成功しないまま、資金繰りが悪化し、阪神特殊製鋼は悲劇の一途を送るという結果になります。

万俵鉄平の人生のターニングポイント

まさに万俵鉄平の人生のターニングポイントとなる
高炉建設
これが成功していたら、阪神特殊製鋼は資金繰りにも困らず再生の道を辿れていたのでしょうか。

確かに原材料を安価に仕入れることでコスト圧縮は可能と思います。

高度成長期の当時からしても完成後は、V字回復が望めたかもしれません。

ただ2021年現在においては、

原料価格の高止まり×供給過多×急激な市場の冷え込み

という状態から苦難を強いられているようです。

日本の鉄鋼メーカーが高炉の休止に動いている。JFEスチールが2020年3月27日、2023年度(2024年)をめどに東日本製鉄所京浜地区の高炉を休止すると発表。同年2月には日本製鉄が呉製鉄所と和歌山製鉄所の高炉をそれぞれ閉鎖および休止すると発表している。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/03829/

とはいえ、1970年台から50年経っているわけですから、そんな先見の明を持ち合わせている人間なんてどこにもいないですし、当時の状況からは確実に必要だったわけです。

結論

高炉建設が成功していたら、阪神特殊製鋼は、50年間は生き延びていたかもしれない。ただ2020年台以降は苦境を強いられる。

蛇足

このドラマは万俵大介と鉄平の親子ゲンカわけですから、
成功したとしても親父である阪神銀行頭取から何度も嫌がらせを受けるでしょう。
鉄平が何度もタイムリープして巨悪な親父に立ち向かわない限り、
期待する世界線には辿り着けないのです。

とすると、血液検査をすることが一番最初に行うことなんですが。

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